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半年ほど前に、バリ島に旅行が決まりバリ島が舞台の小説とあって手に取りました。
今回、再び手にとったのは、巻末に収録された綿矢りささんと村田沙耶香さんの対談が読みたかったのと、バリ島から帰ってきてあのなんとも言えない気怠い熱さの国を山田詠美の手に寄ってどのようにエロティックに描かれてたのか、再び読みたくなったから。
あの島を知らないで読むのと、知って読むのとではだいぶ違う。知ってるとより近づける。詠美さんのあの世界に。時代は違うにしろ、かなり鮮烈。
始まりは肉体である。そしてなりゆきは心である。簡単に要約すれば失恋したビッチの南国での傷心物語でしかないのかもしれないけれど、とにかく丁寧で繊細。美しいからたまんない。
憧れちゃうなぁ。こうなれたらいかにいいだろうか、と。いまでも、憧れちゃうなぁ。
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小説家の私は、周りが眉をひそめるような振るまいを繰り返した末に、一人の男を愛するという過ちを犯し、そして破れた。疲れた私はバリへと飛んだ。自分を甘やかすために…。
好みの分かれそうな一冊。私は読むのが少ししんどかった。
彼女の恋愛観は受け入れられたのだが、そのうえで、彼女を取り巻く男たちの想いに対峙する場面の数々がほとんど理解できなかった。深く理解しようとせずに、濃密な一篇の詩のように捉えられたらあるいは好きになれるのかもしれないけれども。
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評価は別れる小説家も、文章や内容といったものより書こうとしたデーマがセンセーショナルかも。恋愛小説の形はとって入るが、恋愛に相対する女性の素敵なあり方の提示なのかも知れない。小説にある言葉『始まりは肉体である。そしてなりゆきは心である。』という言葉のように彼女が書き下ろした言葉はどれも研ぎすまされたもので、短い小説ながら凄くインパクトがあるのはさすが山田詠美さんです。始まりは体、なりゆきはこころという事はなかなか言い切れません。切れのいい恋愛にはそういう部分は必ずあるだろうから。恋愛を再度面供したい方はどうぞ。
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題名買いしてしまったので、中身をチェックしていなかった。
この文体は苦手だぁー(T_T)
本書の半分くらいまでは、全然情景が頭に入ってこないで、ただ文を目が追いかけているだけの状態。
しかし、半分を超えた頃からやっと情景が頭の中に描かれるようになった。
前半は★、後半は★★★。だから真ん中をとって★★。
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「ジェントルマン」を読み、ゾクゾクするものがあったので作者の本をさらに2冊購入しました。
「熱帯安楽椅子」と「僕は勉強ができない」
後者はまだ未読で前者は期待外れでした。
たぶんこの作者は文学的で表現も豊かで、くだらないことでも美しく書けてしまう才能は感じました。
たぶん好みが分かれる作品かと思います。個人的には共感できるものもなく、内容が正直あんまり面白くない。
主人公は快楽を楽しめる大人の女性。本気で恋したことはないが、初めて嫉妬を覚える。
しかしそれを失敗だと感じている。最初はそんな自分を許せなくて、友人からの勧めでバリに旅に出る。
相手が気楽だから自分も気楽でいられる。心は求めていない。
主人公はトニという耳の聞こえない、しゃべれない、純粋な褐色の少年と心を通わし、ワヤン体を重ねるうちに段々と過去の執着から解放され、満たされていく。
始まりは肉体である。そしてなりゆきは心である。と作者は言う。
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うーん、よく分かりませんでした!
性的描写がとても芸術的で美しかったという意外は、うーん、という感じです。
結局どういうことなんだろう。
恋愛に疲れた女性が、熱帯の国で遊んで、それで帰ってくる話?
まあよく分からないのが芸術だったりしますからね。
私は、嫌いじゃ無いです。よく分からなかったというのも、立派な感想だと思うので!
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「始まりは肉体であるーーそしてなりゆきは心である」
甘美といえば容易い。官能的で主人公が貪るように男性を求める。そして主人公の性愛を男性は娼婦のようではなく1人の女性として感受する。私は誰のものでもない、それは私は誰のものであるということと同義。主人公の強さ。