紙の本
ほどよい毒がなかなか
2020/01/26 08:06
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川龍之介の作品を医療や介護をテーマにパロディ化した7話からなる短編集。ブラックで適度な毒があり、その毒も妙に心地よく、楽しく読めました。『耳』は引きこまれ『クモの意図』はクスッと笑え、『バナナ粥』はなんとなくほっこりでした。芥川作品を知らなくても、普通に読めます。
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あの名作が、現代の病院によみがえる――文豪驚愕の医療小説! 医師と芸術家の不気味な交流を描き出す「極楽変」。入院患者の心に宿るエゴを看護師の視点で風刺する「クモの意図」。高額な手術を受けた患者と支援者が引き起す悲劇「他生門」。介護現場における親子の妄執を写し出す「バナナ粥」……芥川龍之介の代表作に想を得て、毒とユーモアに満ちた文体で生老病死の歪みを抉る超異色の七篇。
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「病院の中」 「他生門」 「耳」 「クモの意図」 「極楽変」 「バナナ粥」 「或利口の一生」
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タイトルから想像に難くないが、各章のタイトルも見事に芥川作品をもじっていて、しかも内容もそれぞれの作品を思い起こさせる仕掛けに富んでいる。神の領域に限りなく近く思われる医学の世界も、人間の営みの一部であると、可笑し味や悲哀とともに再認識させられる一冊でもある。
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芥川が好きだったので読むことにした。
初めて読むジャンルで、正直こんなジャンルの小説もあるのかと驚いた。恋愛でもなく、ミステリーでもなく、純文学でもなく、あえて言うならエンタテイメント?
しかし題材は面白がるようなものでもない。
「藪の中」オマージュの「病院の中」は説明もオチもわかりやすい。まさに病院における藪の中だと思った。
ある利口の一生も興味深く面白いと思えた。
医療用語もすんなりと入ってきて作者の経験が生きている作品だった。
他の作品はどのようなものなのかわからないけれど短編をまた読みたい。
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芥川龍之介の古典をパスティーシュした短編7編。毒もユーモアもタップリで楽しめました。恥ずかしながら原典を1冊も読んでないのですが、もし読んでいたらもっと楽しめたろうと思います。
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久坂部羊作品初読み。
芥川作品に医療&介護要素を取り入れて小話にした感じの作品。「バナナ粥」のオチには爆笑w
だけと基本的にはこういう作品はあまりすきじゃないです。。。
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芥川作品になぞらえて綴られる、医療風刺小説短編集。何ともシュールでブラックな笑いに満ち溢れた数々の物語は、しかし笑い事ではないのかもしれません・・・・・。
お気に入りは「極楽変」。「耳」と併せて、かなりホラー寄りな作品で好みでした。歪みっぷりがたまりません。
リアルに怖いのは「病院の中」。実際こういうこと、ありそうだし。知らぬが仏という言葉もあるわけですし。それでも医療の進歩がもたらすのは、希望であってほしいです。
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タイトルが面白かったのでつい読んでしまった。医療ものの短編集でブラックな風刺のきいたものからホラーものまで色々と楽しめた。作者が医学部出身だけにリアル感もあって興味深かったり怖かったり。芥川作品が好きな方は更に楽しめたと思う。
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7篇からなる短編集。
助かる見込みのない治療に意味はあるのかと問いかける「クモの意図」
親の介護の話「バナナ粥」など。
少しのユーモアと、たっぷりの皮肉で飽きさせない。
治療をする上で何が最善なのか。
先進医療は誰のためにあるのか。
「病院の中」が良かった。
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ちょっとグロい部分もあったりするけど、なんとか許容範囲。
ただ、『芥川』を意識しているせいか古臭い語り口調のが気になって
どうもスムーズに読み進めるのが難しかった気がする。
“文学”が好きなかたとかにはドンマイなのかもだけど、私には厳しかったかな。
『バナナ粥』『病院の中』は、老親を持つ身としてぅむむ!と。
いろいろ考えちゃったよ。
フツーに読む分には『クモの意図』のナースちゃんのどたばた具合が楽しかった。
でも私、虫嫌いやしなぁ。実在されるとかなり迷惑かも。(苦笑。
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芥川作品に「相を得て」書かれた医療短編集。グロかったり、『おたんこナース』みたいなドタバタ劇だったり、けっこう多彩。
「バナナ粥」のオチは良かったが、そんなにうまく話がまとまるかね? 短編だから仕方ないけど。
久坂部さんの作品は『廃用身』しか読んだことがなかったので、そのイメージが強かったのに、正直がっかりー
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怖かった!バナナ粥以外は、
でも、面白い。
医者って、いろいろ小説のネタがありそうです。
最後の話は、実話かしら?だったら、やっぱり怖い。
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よかった編
「バナナ粥」
今は元気だけど確実に老いる親を持つ身としては他人事じゃない話だった。しかし最後バナナ粥が不味いとなっているが、牛乳で煮て甘めのライスプディングみたいにすればよかったんじゃね?と思う。作者は料理しない人なの?
「耳」
作家の変態っぷりがよく書けてると思う。後味はよくないけど。こういう自分にしか分からない理由で人を殺したりする事件が現実にもあるから怖い。
「極楽変」
こちらもブラック。こんな医者いそうだ。近所の無愛想な町医者がありがたく見えてくる不思議。
よくなかった編
「病院の中」
うーんー。「医者の説明責任」と「長生きしないことが幸せ」と。テーマは1篇に入れない方がよかったのでは?と思う。ブラックユーモアというか消化不良。
「他生門」
男の怠けっぷりは共感できるが「他生門」前に他人を眺めるだけって地縛霊みたい。こんなオチでいいのかなー。
「クモの意図」
超駄作!と思ったんだけど笑えるってレビューもあったから人はいろいろだなあと思う。しかしクモの意図がバイブって下らなくないか。
「或利口の一生」
すごーく悪いわけじゃない。でもすごーくいい話じゃない。ぼんやりした、皮肉な「利口」の一生。だからといってQOLを優先した治療方針を貫ける人は少ないと思うし何を言いたいのか微妙な話。
総評
レビューが高かったので期待して読んだせいか面白くなかった。こちらのテキストの読みが甘いのか。タイトルパクっただけで元ネタとは関係ない話も。比べちゃいかんのかもしれんが本家芥川の方が面白いよなーと。
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2014.12.30
芥川龍之介さんの 新訳で良いよね。
・病院の中
藪の中。これが一番好きだな
・他生門
羅生門? 私には杜子春に見える?
・耳
鼻? だけど鼻?ん?あれ、あ〜うん、そっちね。な感じ
・クモの意図
蜘蛛の糸。 落語でした。ちゃんちゃん
・極楽変
地獄変。まさしく地獄を見て極楽を味わう
・バナナ粥
芋粥。これは、変化への不安とかではなく…(バナナ粥は)無いわ〜、という意識の共有化?
・或利口の一生
或阿保の一生。どっちもどっち。
ここに 芥川症 の説明?がある
基本、新訳好きだから、楽しかった
バナナ粥、やっぱり無いわ〜
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芥川龍之介の作品を病院や介護や医療業界の現場に例えた話で面白かった。藪の中・羅生門・鼻・蜘蛛の糸・地獄変・芋粥・或阿呆の一生をパロっているが小ネタも効いてるし退屈せずに読めた。気に入ったのは羅生門をベースに書いた他生門の話で自堕落でいい加減に生きてきた男が、あるNPO団体からの協力を受け募金を集めてもらいアメリカで移植手術し成功。一度は生まれ変わったんだから真面目に生きようとするが元来怠け者で寄付金の余りの大金を生活費として貰ってたのもありパチンコ三昧の自堕落生活に。その事が世間にバレてしまい…後味悪いが好きな話だった。鼻のパクリの耳の話も良かった。
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芥川龍之介の名作品のパロディである。
医師の 久坂部羊氏の生老病死についての異色の小説。
とても面白かった。
7つの短編。どれもこれも、なるほど、、、と、思われる生死。
長生きだけしていても、身体、頭が、動かなくなってきたら、、、、と、思ってしまった。
今度は、尊厳死について、コミカルに小説にして頂きたいものだ。