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装丁のムンクがごとく悩ましく破滅的だったり、切なかったり、それでいて春の陽射しのような温かさがある作品。ゆっくりとゆっくりと読み進め、何度でも読み返したくなる不思議な感覚で、読後の余韻から抜け出せなくなる。「消えた蜂蜜」の情景描写がたまらなく好き。
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繊細な文章が紡ぐ不思議な空間。そこは、空想の世界でもなく俗世界でもない、自分の魂がちょっと幽体離脱して見ている世界のように感じる。
人の筆跡と同じように書ける郵便局員、他国で拉致された男女、火にしかエロスを感じない男性、時間の感覚が異常に遅くなる劇作家。ふと自分と他人、この世界と別の世界の境界線がなくなったようで、足元を確かめたくなるような作品たち。
「ページを繰らずにいつまでも留まっていたい作品」を書いたという著者の言葉通り、読んだ直後に、もう一度その中に帰りたい気持ちにさせられる珠玉の短編集。
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表題作他5編を収録。程よく謎めいていて(謎めき過ぎるものは苦手だが本作はいずれも程よい)、味わい深く読み応えのある作品ばかり。これまでとっつきにくいイメージを勝手に抱いて敬遠していたが、いざ手にとってみると、シンプルでありながら知性を感じさせ、かつ艶のある文体にすっかり魅了されてしまった。本当に面白かった。
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村上春樹チックな空気もありつつ
他人の文字をそっくり模写できる人物や
時間の感覚が伸びたり縮んだりする人物
炎もえ(笑)の人物など
新鮮で面白い設定が多く、楽しめた。
特に炎の描写が素敵で、とっても美しかった。
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http://blog.goo.ne.jp/nakamana825/e/88a93d2be1067ddd5997a55f607d4b3a
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2014.8.15
この人の独特の世界 嫌いじゃない
むしろ気になって仕方がない
中毒性あるのかな…
長さ不揃いだが、短編集?
最初のKの話は普通に読めたが…徐々に平野ワールド全開になり最後の話は、無意識になんとなく感じる説明難しい部分を意識してよく表現した!って感じで、なんとな〜くわかるような??
何度か読み返したくなる
オススメは出来ないが自分は好きだ
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特殊な能力を持った郵便局員の怒り「消えた蜜蜂」、忘れられない苦しさを共有した二人「透明な迷宮」、火への倒錯「火色の琥珀」…愛の追求とでもいうのか?特異で文学的で、私には少し難しい。
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短編集6篇。それぞれ何となく虚ろな現世なのか、夢なのか、とても変わった世界観のある小説でした。好きか嫌いかと聞かれれば私は好きです。
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作者特有の世界が繰り広げられる短編集。どの話にも毒っぽいものがあるのだが何だか捉えどころがない感じ。でも話は濃厚だった。
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TVガイドに紹介されていた。表紙の絵に誘われて読もうかなと思った。調べてみたらムンクの「接吻」のようだ。
日常では無さそうなことだけど、有るかもねとも思える。
で結局どうなの。。。と思ってしまう。
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平野啓一郎氏の作品は設定が面白く(村中から出される全てのハガキの筆跡を完璧に再現し、写しを発送していた郵便配達人なんて話なんですから)、ついミステリー小説のように結末を期待してしまうのですが、短編は膨らんだイメージのまま終われるし、タイプも長さも全然違う作品を集めたこの短編集は、楽しみながらよめました。
郵便配達人の話のほかに、ハワイで自分にそっくりの男を探す毎日を繰り返す話とか、双子の姉妹との入れ替わる話とか、時間の流れを極端に長く感じる男の話とかは、設定は特に新しくないけど、そこそこ面白かっですね。
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不思議な短編集だった。
火に恋をしたり、海外で出会った日本人の女の子と不思議な体験をしたり。
面白かったので、またこの人の本を読もうと思った!
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六つの作品からなる短編集。面白かった。幻想的で、どことなくSFやミステリの要素もあるかも。どの作品も、何かがずれてしまっている。震災の影響なのか、これまでの価値観が揺らぎ、何を拠り所とするのか分からなくなってしまったことがテーマにあるのか。ストーリーも面白く、中身も濃い短編集。表題作の透明な迷宮が、よくこんな話を思いつくなあという内容で、特に印象深かった。
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思いもよらない不思議な状況設定での苦しい愛とエロスを描く短編集、最後の「Re:依田氏からの依頼」が内容もさることながらメタ小説の形式も新鮮で面白かった。分人が登場しない氏の文章は久々だ。
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手に入れることのできない愛や欲望を追い求め、どこまでが現実なのか境界の危ういところにいる、陰鬱としてどこか歪んだ人たちを描いた短編集。
表題作をはじめ、読んでいる最中も後味も、すっきりしない作品が多い。この作者、長編のストレートなメッセージ性の強い作品のほうが受け入れやすい。