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仮想通貨超入門として
2016/07/18 23:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:デラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮想通貨が、一般に思われているものよりも、大きな影響を持つ可能性がある、という点を上手く説明しています。ただ、技術的な側面も含め、より深く仮想通貨について考察したいのであれば、岩村氏の「中央銀行が終わる日」がおすすめです。ただし、こちらは少し技術的な知識が必要となります(技術的な側面から書かれている本と比べれば、ずっと分かりやすいですが)。
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ビットコインに代表される仮想通貨に関する書籍。マネーは国によって、ドル、ユーロ、円など様々あり、各国や銀行に管理されている一方、ビットコインは管理主体がないのが特徴。ビットコインを支える技術としてブロックチェーンという考え方があり、ここに取引記録が全て残される仕組みとなっている。ブロックチェーンは前ブロックのハッシュ、ナンス、取引記録で構成され、ハッシュの先頭13文字が0となるナンスを見つける(計算する)ことをマイニングという。現在は10分程度で導かれるよう調整されている(目標時間は2週間毎に調整)。ビットコインが解決し得ることは大きく2点ある。①送金コストの低下。(例:円でドルを買う/売るときのギャップは銀行の取り分となっているが、このギャップが仮想通貨を利用するとほぼゼロとなる(特に円は世界的に3%ほどしか流通しておらず、このギャップが大きい))②全世界共通のマネープラットフォーム。(例:米国に行くとき、円からドルに両替せず、ビットコインで済ませることができる。)ビットコインだけでなく、仮想通貨には全世界のマネープラットフォームを一新する可能性を秘めており、今後に目が離せない。
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ビットコインはブロックチェーンと呼ばれる取引の記録で維持される、管理主体のない通貨だ。ビットコインは価値保存手段ではなく送金手段として捉えるべきであり、政治活動の資金集めに使われたり、或いは銀行の国際送金業務を肩代わりするとなればビットコインの価値は大きなものになる。ケニアの仮想通貨エムペサで今までできなかった経済活動も産まれ、農村の収入は上昇した。通貨の規制緩和は重要な成長戦略である。
税務署が脱税を摘発するのが困難になるので税制にも大きな影響を与え得るし、今の恣意的な金融政策をとることができる中央銀行という仕組みも超える。国債貨幣化が困難になる。DACによって経営者すら代替できる可能性がある。
と、仮想通貨が社会を大きく変革し得る可能性を持ってるんですね。最後に参考になる情報源も紹介されており、勉強になりました。
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仮想通貨について学びたいと考えている人。投資を考えている人。この本は絶対に読むべき1冊です!!必読です。
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仮想通貨革命がこれからの社会にどのような変化をもたらすのか考えされた。
・マウントゴックスの崩壊は、両替所の崩壊であり、ビットコインの崩壊ではない。
・ビットコインは電子マネーとまったく違う
・ビットコインは税制度の極めて大きな問題を提起する・仮想通貨革命によってIT革命以上の影響を産業構造を与えるだろう。
それにしても著書の野口氏は1940年生まれの74歳になるのに発想が実に豊かだなとつぐつぐ思う。
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仮想通貨は決済手段としては送金コストがゼロになるなど明らかに優れた価値を持っているがまだまだ問題点だらけ。特に投資先としてビットコインを考えている人は、リスクの面からも向かないというのが筆者の判断です。
セキュリティ面、ビットコインが仮想通貨の主役になるか分からない現状では投資先としては却ってリスクが高いと筆者は判断されているようです。
ただ当時の発達した電信網の元で初期の電話が、電信の代わりになるとは思わず玩具にすぎない、インタ-ネットも初期にその価値を認められていなかった過去の事例からも、決済コスト等で圧倒的な優位性を持つ仮想通貨がこれからの世の中の主役となるのは間違いなく、某国の首脳のように一時的なブ-ムとの判断はしない方がよい点は強調されている内容でした。
ビットコインをはじめとした仮想通貨のことが全く分からない人には参考になる内容と思います。
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情報が少ない中で、怪しげに思われていたビットコインは、マウントゴックス破綻後も、以前と変わりなく使われている。ブロックチェーンに取引を記載し共有するという仕組みの中では不正は起きない。読んでいくと、よくできたシステムであり、これまでの商取引や通貨の概念を根底から覆す力をもっていることがわかる。
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仮想通貨ビットコインに関するお話です。
ビットコインというのはどんな物で、
どんなメリットでメリットが有り、
なぜ今注目されているのかわかりやすく書いた本です。
ビットコインを知るにはおすすめの一冊です。
ビットコインには凄い可能性が秘められていますね。
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ビットコインはもう終わりだ、と思っていたら大間違いであることに気づいた。
僕は1990年代にネット上の電子ワレットのシステムに関わっていたことがあるので、公開暗号キーなどはわかっていたが、管理主体がないP2Pの集合体で信頼できる形お金が管理されていることに驚き。
たしかに、10年したら金融取引が大きく変わっている可能性がある。
超整理学で有名な野口さんだが、本領の経済学で、日本ではあまり注目されていないところを啓蒙した功績は大きい。
僕もこの動きに注目して、自分との関わり(ネットやアプリでのアプリの販売手段)でどう準備すべきか考えていきたい。
メモ:巻末の参照Webサイト紹介と同じ内容:
ダイヤモンドオンライン「野口悠紀雄の使える!経済データへの道案内」:
http://diamond.jp/list/noguchi_data
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・非循環型電子マネーはない
・貨幣は本来価値の交換を証明するもの
・ビットコインは金融をイノベーションする
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仮想通貨は、進化したITを使った、より優れた通貨の仕組みであり、利用は拡大していく。マイクロペイメントや国際送金コストの劇的な低下は、社会に革命的な変化をもたらす。
計算機パワーが至る所にあり、そのネットワークが価値を保証する仕組み。時代の必然かも。
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第1章 通貨革命が始まった
第2章 きわめて斬新なビットコインの仕組み
第3章 ビットコインに続くもの
第4章 現代の通貨はどこに問題があるか
第5章 通貨革命は社会をどう変えるか
補論 公開鍵暗号と電子署名
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昨年6月に出された本ですが、ビットコインの理論的仕組みから社会的インプリケーションまで(後者に力点が置かれてますが)日本語では最も包括的に議論されているのはではないでしょうか。
ビットコインを仮想通貨と捉えると、経済学では、ハイエクの貨幣自由化論の実現、と位置付けられます。
しかし、野口先生によると、ビットコインが革命的だったは、「プルーフ・オブ・ワーク」による「ブロックチェーン」の改ざん防止のアイデアであり、「ビザンチン将軍問題」が解決され、管理主体の無いPtoPのシステムが可能となったことだそうです。
その適用範囲は膨大で、仮想通貨、海外送金に留まらず、「スマート・コントラクト」(ブロックチェーンを用いた取引を金融資産一般に拡張)、「第三者のいないエスクロー」、「スマート・プロパティ」(耐久消費財や不動産の所有権移転)、DAC(分権化された企業)等が紹介されています。「ビットコインは通貨ではない。プラットフォームだ」(P.180)
経済学者は、IT革命についても当初否定的だった様に(未だに長期停滞論隆盛ですねw)、ビットコインも過小評価しているのではないか、と。野口先生は、「これまでのIT革命と同様の、或はそれ以上の影響を産業構造に与えるだろう。」(P.203)とされ、「最も積極的な対応は、関連事業をベンチャー企業で始めることだ。」(P.200) お金があるなら「関連企業に投資したらよい。」(P.201)と、思いっきり煽られてますw
1年経過の現在、Nasdaqが今年中にブロックチェーンを使った未公開株式市場向けの分散型取引プラットフォームを構築しつつあり、仮想通貨以外への適用が現実化しつつあります。「ビットコイン革命」来るか?
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-23/nasdaq-expects-to-be-first-exchange-to-use-bitcoin-technology
http://btcnews.jp/nasdaq-enter-in-partnership-with-chaincom/
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会社でブロックチェーンについて調査しておいてほしいという依頼を受けて、手に取った本。
社会的な影響についての切り口を主に期待していたが、ブロックチェーンの仕組みについても記載があり、暗号化や電子署名と、思っていた以上に情報が多く、勉強になりました。
ブロックチェーンのテクノロジーそのものについては、Webで検索をするといろいろと出てくるのですが、一冊にまとまったものとして有益でした。
仮想通貨革命という題名ですが、主になっているのは、なぜビットコインなのか?という点とその基盤テクノロジーのブロックチェーンの解説、世界中の金融機関がどう見ているか、社会的影響についてです。
ビットコインについては、「通貨史上の大きな革命であり、全く新しい形の社会を形成する可能性を示した」とまで言っていて、ブロックチェーンという分散的に取引記録を保持することができるテクノロジーを使用し、偽造貨幣や二重取引を排除した正しい取引の記録ができ、改ざんも事実上できない。そして、このブロックチェーンの維持は、ボランティア活動ではなく、報酬を受け取れる仕組みがある点がビットコインの特徴となっていると。
当初、仮想通貨を作ったとして、その運営は主体者や経過時間とともに脆弱になるだろうし、資金としての裏付けとなるものもない(仮想だけに)だろうと思っていたので、主体となる運営者がいないこと、ブロックチェーンの維持によって報酬が得られる仕組み、裏付けとなるアルゴリズムがわかったときは、なるほどなと。
社会的な影響としては、安全性と送金コストの安さが注目されており、現状では現金の送金コストが2~3%となるケースや、固定額で高額になるケースへの適用で、これがほぼタダになる点、デジタルコンテンツの販売での直接収入、等。
eコマースについては、2012年で個人家計消費300兆円のうち、3%程度しかない理由の一つは、カード決済にかかる店舗側コストが原因と分析しているが、この領域も仮想通貨によって、広がるとみている。ビットコインに限定すると、決済までにブロックチェーンの制約から決済まで約10分待つことが課題。
国際送金では、貿易決済通貨としての利用をあげ、信用状決済の手数料、銀行送金の送金手数料、為替スプレッドなどがほぼゼロになるが、現実通貨との変動比率などに課題はある。ここの市場は、全世界貿易量が約1500兆円あり、銀行手数料が4%と考えると60兆円、この一割がビットコインに移行されると銀行の収入は6兆円失われることになる等のインパクトがあると。
ブロックチェーンについては、取引の履歴をまとめてブロックを生成する仕組みとそれらがP2Pで行われるうえで、課題となるビザンチン将軍問題についての解説がある。
当初、ブロックを生成する仕組みがよくわからず、ビザンチン将軍問題?という感じであったが、要は、P2Pに参加している全ノードで同じ処理している(ブロックを作っている)はずの状況で、誰を信じていいのかの確証が得られるようにするため(不正を防ぐための仕組みとして)、ある特定のノードだけがブロックを作れないようにするために、キーとなるナン���を特定するための膨大な計算(ナンス自体はランダムに生成するところから宝くじに似てる)を全部のノードに課すことがこの仕組みの特徴ということがわかった。ナンスがわかったら他のノードに同報して、検算をしてもらい、正しければブロックを確定。
ブロック間はハッシュ値でつないでいくため、改ざんするとブロックがチェーンにならない。ブロック生成の際の計算時にナンスはただ一つとは限らないため複数のナンス値が出た場合ブロックが同時に生成され枝分かれするが、その枝は次やその次のブロックが生成され、長い枝が採用され、短い枝は捨てられる等、理解が進んだ。
ただ、仕組みを理解してみると、本書の中でのビザンチン将軍問題の解決策としてこの仕組み社会問題まで広げて展開するのは大胆な気もする。
ビットコインに続くものとしては、リップルが紹介されているが、これは、ビットコインのP2P特有の不特定多数参加、プルーフオブワークが要らないという点で、既存金融機関になじみそう。コインの代わりにIOU(借用書)を使いながらも、手数料の仕組みとしてリップルズという物も用意されているようだ。
とにかく、本書は、ブロックチェーンが流行りだした今、何度も読み返して、理解が進むとさらに理解が深まる情報が提供されている。2016年も何度か読み返すことになると思う。
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仕事絡みの情報収集で読みました。
一定程度ビジネス書を読みなれていれば、そこまで詰まらずに読み進められるかと思います。技術面なら2章と補論、ビジネス面なら5章を読めばいいのではないかと。
情報収集手段としては良い本なのかなと思います。
ビットコインは、仮想通貨。
特徴的なところは発行者も管理者も存在しないこと。ブロックチェーンという、信頼できないメンバーとの共同作業を実現する技術を用いてそれを実現していること。
ビットコインの技術が何に役立つかと言うと…
・(国際)送金手段
→送金コストが安価になる=小規模事業に有利
・過去ハイエクが主張していた「中央銀行の無い通貨制度/ひいては世界」の実現
・ビットコインの技術が「ホワイトカラー業務の自動化」に繋がる(たとえば、雑誌制作にも)
ちなみに、「日銀は預金も通貨の一種としている(=日銀の言う通貨量には入る)が、預金は『法定通貨』には入らない」というのはこの本を読んで初めて意識したことでした。。
現金通貨は80兆円流通、預金はその6倍。要は、ビットコイン等の仮想通貨の敵も現金通貨じゃないということ。