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投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
余計者という、浩瀚な知識を持ち合わせていながらその才能をいかせずにいる人物という名詞を作り出したツルゲーネフの傑作。
しばしば意見の食い違うバザーロフは周りから疎まれる。そんなバザーロフも恋をする。しかし、思いは果たせず、伝染病にかかり無念のうちに死ぬ。そんな、憐れなバザーロフの物語。
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バザーロフにどっぷり浸かってました。ツルゲーネフの無常観みたいなのは凄く好き。ロシア文学は犬猿していたのですが、これにてはまりました。
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学生時代に読んで、内容すっかり忘れた…。また読もうかなー。ロシア文学は登場人物の名前が覚えられないのがつらい。
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全然違う時代にかかれたのに主人公の若者たちに共感しまくり。なんかすっげーわかるわ・・・もうとりあえず古い価値観は全て否定したい!みたいな。そして分かり合えない父と子。大人と若者。いつの時代も存在するギャップってやつなんですね…。名作は時代を超える。たぶん。
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2007年03月04日
「マイ・ボス☆マイ・ヒーロー」というとても好きだったドラマにツルゲーネフという作家が出てきて以来、何かその作家の作品を読みたいな、と思っていました。たまたま池袋サンシャインで開催されていた古本市で『父と子』の文庫本が6冊ぐらいあったので、一冊買ってみました。
ニヒリスト故に何もかも切り捨てるバザーロフは、自分の頭が考えることと心が感じることの葛藤に苦しみながら、最終的に自らも切り捨ててしまったのかもしれません… 対してアルカーヂイとカーチャの恋模様はワトーの絵画のようにふわふわとしていて、自分の考えに固執するバザーロフが哀れにさえ感じられます。
おそらく初めて読み終えたロシア文学でしたが、ツルゲーネフの他の作品も含め、ロシアの文学作品もこれから読んでいきたいです。
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ロシア文学は登場人物の名を覚えるのに苦労するとのことだが、この小説は登場人物が少なくそんなこともなかった。
時代背景が窺える。
幸せについても考えさせられる。
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[55刷]昭和60年8月5日
旧版(1951/04)(ISBN-10:4102018018)を所持
画像は、新版(1998/05)(ISBN-10:4102018069)
カバーのタイトル文字色が「緑」と「赤」の違い。
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(2004.09.28読了)(1998.08.14購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
農奴解放前後の、古い貴族的文化と新しい民主的文化の思想的相剋を描き、そこに新時代への曙光を見いださんとしたロシア文学の古典。著者は、若き主人公バザーロフに“ニヒリスト”なる新語を与えて嵐のような反響をまきおこしたが、いっさいの古い道徳、宗教を否定し、破壊を建設の第一歩とするこのバザーロフの中に、当時の急進的インテリゲンチャの姿が芸術的に定着されている。
☆関連図書(既読)
「はつ恋」ツルゲーネフ著・神西清訳、新潮文庫、1952.12.25
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はじめてのツルゲーネフ。知人に薦められて読む。
予想に反して、ニヒリストの話であることに驚く。
ロシア文学は、ドストエフスキーにしてもこの本にしても、政治的・改革的な熱情の発言が多い。
すがすがしい本。
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久しぶりに会う最愛の息子。再会を喜ぶのは父子共に同じでも、すっかり大人になり、新しい時代の思想を持つ友人を連れて帰ってきた子に戸惑い、自分が時代遅れの人間になってしまったことを実感する父ニコライと、子アルカーヂィ。農奴解放という時代をへて生まれたロシアの世代間ギャップというテーマは、時代と場所を問わず現代にも通じる普遍性を持っています。
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農奴解放という歴史的な1862年に書かれた作品。
初めて主人公に「ニヒリスト」を配し、この言葉を確立させたと言われる。これも「ニヒリスト」=「短絡的な無神論」ではなく、
硬直した思想や論理に現実的な考え方で臨む重要性を謳っている。
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他人の親の悪口をいうのは止めましょう。従来の親子意識に加え、貴族意識が絡まってくるので、この時点で小説のネタとしては合格なのだろう。父と子のやりとりはもどかしい。でもあるんだよな、こういう感じ。みんな仲良くしてよね。
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権威や既成概念を否定するニヒリストは唯物論者ではあるが、自然を基礎においていないため脆い。否定のための否定がアイデンティティになっているからだろう。正教会とカトリックによる差とルネサンスによる古典の再受容の有無が差になってしまったと考える。アルカーヂィとカーチャはアンナ・カレーニナのリョービンとキチイを想い起こさせる。
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作者は詩人
物語を俯瞰的に眺めながらの進行におどろき。
作者のすごさを感じた。
当時のニヒリズムはまだまだ甘い。ニヒリズム的な黎明期だったからか。
考えが甘いと思った。
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本書は、ニコライやパーヴェルら父の世代(古い貴族的文化)とアルカージイやバザーロフら子の世代(新しい民主的自由的文化)の思想的な相違と衝突によって描かれている。ニヒリストである主人公バザーロフの持つ否定と破壊。しかし意志と知識を持ち合わせ前に進むエネルギーを持ち、かつ人間味も兼ね備え、そしてそれらが悲劇的に融合していく。
いつの時代にも、世代間には、相違があるだろうが、それを子の世代、父の世代がそれぞれどのように寛容になれるか、人間の器を問われますね。