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少女漫画の王道
2018/09/19 21:40
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投稿者:ゆきちん - この投稿者のレビュー一覧を見る
チャラ男×元芸能人
賭けに負けて有名人である受を落とそうとする攻。
ミイラ取りがミイラに…と王道中の王道です。
かわいさん上手すぎて、チャラ男が本気でチャラ男なんです。
クズとかゲスじゃなく、チャラいだけ。
終盤まで好きになれない攻だったけれど、
空っぽだった受が色んな経験をするのに必要だったのかなぁと
自分を納得させました。
受は健気で可愛かったです。
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チャラい大学生が賭けで高嶺の花の年上美人を落として気づいたら本気になってた、王道ストーリー。
こういうのは、かなりツボ。
王道だけどそこはさすがかわいセンセです。二人の心情が丁寧に描かれていて、引き込まれました。
吉見は自分がモテることを当然と思っていて、賭けとはいえ同性で元有名子役で一筋縄ではいかないような真尋相手にも果敢に迫っていくのですが、それ程嫌味に思えなかったのは、自然な形で相手にやさしくできて気持ちよくいられるようにする能力に長けていたからではないかと。あくどい攻じゃなかったのがよかったです。チャラ男をぎゃふんとさせる話は好物ですが、吉見は私的に好感度高くてちょっとかわいそうだったかも。
真尋との恋愛に入るきっかけは最低だったけど…!
一方の真尋は芸能生活のキャリアから周りから経験豊富に思われていて、吉見にもそう見られていると感じると、幻滅されたくなくて演じてしまう健気な性格。初めての恋愛に、吉見に見えないところで戸惑ったり悩んだりしている姿が、とてもかわいかったです。
二人のデートの様子が楽しそうでよかったんだけど、それは後に来る嵐のマエフリとでも言えばいいのでしょうか、幸せがあったからこその切なさが悲痛でした。
でも、軽い人生送ってきた吉見も、演じてばかりだった真尋もそんな苦い思いをして生々しい恋愛を経験して、お子ちゃまから一転して大人びた感じになっていって、二人の魂の成長がほんとにいいなと思えるストーリーでした。
サイモン&ガーファンクルのスカボロー・フェアは、名画「卒業」の曲ですね…大好きです。思わず口ずさんでしまいました。
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椎名吉見は、アルバイト程度でモデルの仕事をしているモテ男。
学内三大クズと言われるくらいに来るもの拒まず、ただし、決定的なことは言わず……で暮らしていた。
そんな時、サークルの飲み会で同大学に通う元天才子役・橘真尋を落とすと約束してしまったのだ。
どうせ、落とせはしないだろう……とダメ元で声をかけてみると、意外なことに返事は「OK」。
驚きながらもデートに誘ってみると楽しくて……
という話でした。
モテ男が、元天才子役に骨抜きにされてしまう話。
くっつくまでは秒(まあ、くっつくところから始まってしまいますからね)。
ことに及ぶまでで半分ちょっと。
多分、ここでハッピーエンドが一番、まとまりがいいんだと思うんですけど、そこからが大事。
うっかり撮った写真が他の人の目に触れてしまい、弁護士まで絡んだ肖像権の問題になってしまう……
その間、一切、椎名側の視点は一切なし。
個人的にはそれがもったいないなあ……って思いました。
どうせやるなら、徹底的にもうちょっと一回壊れた二人の仲直りを書いてほしかった……
そういう意味では、後半が失速気味。
一冊に納めないといけないと思うので、仕方がないと思いますが、残念。
本当はくっついて、一旦別れてからの流れの方が大事なのになあ……と思ってしまいました。
という訳で、話の配分をもうちょっと考えてくれるとよかったかなと思います。
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趣味の悪い「賭け」から始まった恋。自業自得の部分は大きいけれど、真尋のことを本気で好きになってからは椎名も本当に辛かっただろうな。と思う。軽い印象の強い椎名も、クールな印象の強い真尋もその印象がどんどん変わってきて楽しい。2人にとってお互いが「新しい世界」だったのかも。と思った。
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超人気子役だった真尋さんと、バイト的に雑誌モデルをしている椎名くんの物語。すぐに惹かれ合うけど、お互い本当の自分じゃないから亀裂が起きてしまう・・・。
かわい先生のお話はいくつか読んだのですが、制服や組織ものばっかりだったので、そうじゃない学生ものっていうのが、新鮮で新鮮で。でも文章は、いつもの先生らしい丁寧さや穏やかさがあって。新鮮だけど安心する、みたいな読書体験でした。
内容も、全体にしっとりしていてとても良かったです。お互いの気持ちの揺れや、相手に言えない本音もうまく読み手に伝わってきて、華やかな芸能人2人を描いているのに、外見的なところよりも、内面的な部分に目がいくようにしてある作りが良いなと思いました。
とにかく、子供と大人の間にいる、強くて弱い、優しくて残酷、みたいな2人を先生の文章で読めて嬉しかったです。かわい先生ファンの方はもちろん、大学生もの、芸能もの、健気な受けが好きな方など、たくさんの方に読んでほしい作品です。