紙の本
税制で空き家が守られる
2018/01/26 08:55
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
高度経済成長期から続く「新築持ち家」偏重の住宅政策。人口減少社会が到来し、新築を造れば造るほど空き家が増大する状況なのに、基本政策を変えようとしない政府。税制で空き家が守られる矛盾。空き家率が30%超えると街は荒廃するとのこと。本書はこのような状況に警鐘を鳴らし、健全な住宅市場の形成に向けた提言書で、第5章までは示唆に富んだ良い本でした。
しかし紙幅が余ったのか、第6章は再生可能エネルギーでドイツ礼賛、第7章は海外不動産投資と著者の専門外の話題が続きます。素人の語りとなっていて、これらは読む価値ありません。
ところで、話題は外れますが、実は7年前に新居を購入した際に、さくら事務所にお世話になりました。新居内覧会に、さくら事務所のホームインスペクターに同席してもらい、不具合等の確認をしてもらいました。業者が緊張している様子がよく分かりました。幸い致命的な欠陥はありませんでしたが、ダクトの接合ミスや床下の雑な釘打ち等見過ごすことの出来ないミスも見つかりました。また、業者は地盤調査報告書を見せることさえ拒んでいましたが、さくら事務所のお陰で入手できました。マイホーム購入の際には、さくら事務所の住宅診断は一考の価値はあります。
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昨今話題になっている空き家問題。
その原因と対策について切り込んだ本。すでに知っている知識もあるが参考になる。不動産業界は知っていて見て見ぬ振りをしてきたのだろうな。
政府の税金対策は誰でも指摘するだろうが、業界経験者らしい不動産業界の情報囲い込みによる中古住宅の流通阻害などを分析、その対策を伝えてはいる。ただちょっと掘り下げが甘い。
最終章でなぜか海外への不動産投資を進めており、結局、自身の不動産デベロッパーの稼業に結びつけたいだけの本だと感じた。日本のバブル期の悪夢をいまアジアが追従しようとしている。すでに中国ではマイホームを買うのは夢のまた夢になっている。
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読書メモより
空き家を解消する方法はあるのか?
著者の専門家らしい案があった。
・空き家を無くす対策・・・空き家課税、3年以上空き家状態のときに課税
・新築住宅建設による生産誘発効果(経済波及効果)は、経済産業省の『産業連関表』
によると約2倍とされている。
・仲介手数料の見直し。現在は3%+6万円上限(昭和45年取り決め)であるが、
1000万円まで5%、2000万円までが4%、上限をあげてあげれば、囲いこみの悪しき業
界の 習慣がなくなるとの著者提案。
・業者に囲いこみをさせないテクとして、素直に『物件情報を事実上、御社で囲いこんだり
しないでしょうか?』と聞くといいといいます、さらに不安なら、『囲い込みをしていないと確認するために、他社に連絡を入れてもらうかもしれませんが、
よろしいですか?』と聞くと、囲みこみはなくなる。
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空き家率が高まっているのは知っていたので、気になって読んでみたものの、浅くて解決策はあまり書かれていない印象。そもそも一般消費者向けではない??
終盤はページ稼ぎのような「空き家」と関係ない内容。う〜ん、よくわからない。
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今、日本中で「空き家」が急増し、社会問題になりつつあり、「このままでは、2件に1件が空き家という時代がやってくる」とのこと。
著者は、「空き家の増大」は、社会構造改革が行われない日本社会の象徴ともいえる存在だと鋭く指摘します。
詳細なレビューはこちらです↓
http://maemuki-blog.com/?p=4204
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著者のトークショーみたいなのにも行って直接話を聞いてきましたが、まさに不動産市場が変わりつつある状況でした。土地、建物に関わってる人は必見の本で人口が減っていく中で不動産業界がどういう道を進むのかがよくわかります。仕事の中で駅近分譲マンションが即日完売してるのとかを見みると、消費者の新築信仰が変わらないと苦しいのかなと思います。
政府が住宅政策を経済政策として利用してきたのは明らかで、新築信仰が日本人のメンタリティなのか政府の洗脳なのかはよく検証する必要があるのかなと思います。ケガレとか侘び寂びとかの精神性が関係してたら非常に面白い論考になるはず。
空家問題が語られる時は、倒壊の危険性とか治安の悪化とか安心・安全の視点から語られることが多く、市場のゆがみという視点はあまりみられません。読者、視聴者は安心・安全に敏感に反応するからなんでしょうけど、解決するべき課題はそこじゃない気がします。もっと構造的な部分が歪んでるのではと勘ぐってるんですが、そのあたりのことが書かれています。
こと東京に限って言えば、空家問題について、人口が減ってるからしょうがないと開き直るんじゃなく、さらに、危ないから壊しちゃおうとか安直に済ませるのでもなく、空いてるなら住んでもらおうよ!と前向きに考えたいものです。
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不動産(住宅)の査定は営業が適当に行う。
金融機関は現地確認せず身分でお金を貸す。
更地だけより家があるほうが固定資産税がやすい。もともと新築促進のための制度。しかし空き家の原因に。
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「空き家」がどのように日本を蝕んでいるかについての期待していた記述はあまりなかったですが、不動産を取り巻く事情がよくわかり、面白かったです。
ただ後半はやや蛇足感があるかな。
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日本の不動産事象が赤裸々に書かれている。長嶋氏の本は、業界への提言が辛辣かつ的確に書かれているいるものが多い。
住宅に関する政策、不動産の囲い込み、衣食住の住がある意味生活を脅かす。一生、住宅ローンの為に仕事を続けるという構図が成り立っている現状。今後は中古住宅へシフトしインスペショクなどが重要視される。
供給過多の日本不動産から考えると、中古住宅へのフューチャーとは自然な流れに思う。
建物に対する知識。ユーザーも不動産業者も今後はより必要になってくるような気がする。
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少子化が進み、地方だけにとどまらず都内でも空き家率は非常に高い。
の割には、新興住宅はどんどん建てられ続ける。
で、空き家を取り壊すために税金が使われ続ける、と。
殆どの問題が法整備すれば、かなり改善されるように思うのだが。戦後間もない頃の弱者救済の法を現在も変わらずってのは、歪みが生じるのは必然だな。
タイトルと内容があまり一致しない気もしたが、まあいいか。
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全5章のうち、空き家をテーマにしているのは2章のみ。それも、空き家が出来た既知の背景が語られ、空き家がどう日本を蝕むかには、ほとんど触れていない。
空き家という視点ではなく、中古住宅流通の障害になるものが何か、ということが主眼で話が進んでいく。不動産のワルい手口の紹介とか。
最後には、日本のお金も海外に出て稼げばいいのだ、と海外不動産投資のススメで締めくくる。
「本書をお読みの方の中には、海外不動産投資を検討している方もいらっしゃるかと思いますので」という記述に目を見張る。
蝕まれた日本を救うためには、黒字の所得収支を海外に向ける、ということを皆考え、こういう本を読むのだろうか。
僕はこの本を手にとった時、そんなことは全く考えていなかった。
希少性を確保するには、マリンリゾートで、ほかにあまりない独自の運用形態を…などのアドバイス。お金が動けば社会全体の幸福に繋る、と。
あとがきにも、「空き家」の「あ」の字も出てこないどころか、何か人類補完計画のような…。
というわけで、空き家のことはこの本を読んでもわかりませんが、そんな小さなことにこだわっていた自分に気づき、一皮むける、かもしれません(し、むけないかもしれません)。