投稿元:
レビューを見る
本書は第一部と第二部に分かれています。
第一部は統合報告に関する現状までの整理と各社事例の紹介、第二部は今後の統合報告の導入・活用方法について書かれています。概念・事例の紹介とガイドラインの両方が含まれているのがいいですね。
定量的な情報で、統合報告の普及度の把握や各社比較が行いやすい
統合報告の本はこれまで読んできたものだと、今までの事例のまとめや統合思考の概念的な紹介が中心だったのですが、本書はそれに加えて、国内における自己表明型統合報告書の発行数の推移や統合報告の体系別割合、コーポレートディスクロージャーの種類別発行割合などが、様々な情報が表やグラフによって定量的に整理されている点がいいと思いました。
海外の統合報告の事例では、ただ単純に「こういうことが掲載されていますよ」の紹介だけでなく、それぞれのディスクロージャーがどのような構成になっており、それぞれに何ページ割かれているかも図によって示されていたのでそれぞれの特徴が分かりやすくなっていまいした。
他社が統合報告を導入する際に参考にしやすい国内事例紹介
また国内の事例ではオムロン、武田製薬工業、フロイント産業を取り扱っていました。
アニュアルレポート、そして統合報告における取り扱いコンテンツの比率が示されており、その時系列比較と併せて統合報告導入の意図・戦略を知ることができたのは興味深かったです。
各社ごとに統合報告導入の際の留意点などHOW-TOの要素も含まれています。
それにしても武田製薬工業は長い歴史をかけてCSRに力を入れてきていたんだなあ、と思いました。CSRを本業と関連付けて、戦略的に、などという考えは最近広まっていましたが、武田製薬はずっと前からこの認識があったように感じます。
オムロン、武田製薬、フロイントの最新の統合報告はこちら
▶オムロン
http://www.omron.co.jp/ir/irlib/annual.html
▶武田製薬
http://www.takeda.co.jp/investor-information/annual/
▶フロイント
http://www.freund.co.jp/ir/statement/