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著者の食や農業についての
これまでのエッセイや寄稿を載せたもの。
かなり夢想的に語っているものもあるが、
それを理解した上で語っている著者のスケールに感服。
通底するのは著者の暖かさだなーと思った。
「熊本旅行記」
の一文。
「参加者のみなさんが自分の好きな本を語るとき、少し恥ずかしそうに話す方が少なくなかったことも印象的であった。こうした知的恥じらいをかなり昔に捨ててしまった人間として、これまた大いに反省させられたのだった」
に人柄の良さがにじみ出ていると思う。
その他の著書も読んでみたい。そう思える著者でした。
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2004年~2014年に著者が様々な雑誌などに書いたものをまとめた、エッセイ集のような一冊。
食というものを、農というものを、
フードコートや、身体疲労、肉体疲労、ナチ時代などの視点から広げて考えていく流れは、
とても新鮮であり、腑に落ちるものでもあった。
「ナチスのキッチン」は近いうちに読みたい。
自分用に気になる文章を引用しておく。
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生物、食品、食堂、農業、労働、身体と機械とリズムとノイズ、ナチスの自然・健康至上主義、そして「台所」と人間の自己家畜化。2004年から2014年までに新聞雑誌等に寄稿された原稿が収録されている。複製技術時代を人間の身体でいきるうえでの文明論考および書評だがエッセイ風で読みやすい。ややテーマが散見するけど、思考の入口が多いともいえる。読みたい本が増える…。
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ここのところ藤原先生のお名前をあちこちで見かけるようになった。自分が意識しているからかも知れないが。
前に読んだ農業と戦争にも書かれていたが、有機農業とナチスの関係、戦争と食料・糧食(あるいは銃後の国民の食べ物)確保の切っても切れない関係、など知らなかったことがたくさんある。
本書ではフードコートで読書会を、とか、トラクターの騒音と振動から身体と労働の関係を考えたり、熊本市立図書館での「食に関するビブリオトーク」の記録や牛乳と日本人についての論考が興味深かった。
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面白い。独特の手触り感があり、するする読める。
食をめぐって、時にエスノグラフィーが綴られ、時に歴史、時に政治が語られる。
フードコートの垣根の低さと民主性
TPPに必要なのは脱国益性
トラクターの騒音と振動による異質の疲労
化学肥料のつくられ方(爆薬と同じ)と原発(原爆と同じ)
牛乳から読み解く戦後日本のメンタリティ