紙の本
心に残る5編
2015/02/01 10:32
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞の候補作と知り読む。
万城目氏の著作と言えば「鴨川ホルモー」など少し奇想天外なイメージがあったが、この作品はどの話も読む者に何か勇気や信じるもの、大切にすべき生き方を感じさせる強さを感じた。
「悟浄出立」のラスト、悟浄が先頭を歩いた時の悟空とのやり取りは、いつの間にか自分は安定な生活、安泰な人生のみを選ぼうとしていて、自分一人で歩く事を忘れてしまった感じさせられた。
少しぐらい間違って遠回りしても良いじゃないか。何の問題もないさー!
他の4編も素晴らしい出来です。
本の装丁や題名で少し損をしている印象。
紙の本
中国古典に触れるきっかけに
2016/06/17 18:41
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投稿者:ちのこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの万城目さんの作品とは少し違った作風で、わりかし真面目な文章でした。
中国古典の登場人物、しかも注目されるべき人物の脇にいる人にスポットを当てた作品。
西遊記以外はなんとなく、しか内容を知らないので、これを機に読んでみたいな、と思った。
しかも脇役に注目して。
紙の本
万城目さんの新境地です
2015/03/29 22:57
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は万城目学さん初の古典文学オマージュ作品です。
万城目さんのエッセイを読んだことがある方は知っての通り、万城目さんは元々中島敦に強い影響を受けた作家さんで、古典作品(特に中国の文学作品)に造詣の深い方です。鴨川ホルモーを書いていた頃の万城目さんはどこに行ったの!?と思うくらい、ガラッと方向転換した作品ですが、これはこれで全然アリだと思います。
しかし、万城目ファンとしてはエンタメ作品の追及も同時進行でお願いしたいというのが本心ですね(笑)
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西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲、司馬遷に見向きもされないその娘など、中国古典文学の脇役たちに焦点を当てた連作集。
作者読みだったので、沙悟浄を主人公に据えた万城目ワールドかと思ったいたので、2作目で沙悟浄が出なくなって一抹の寂しさも…。
沙悟浄を主人公にしたバリバリの万城目ワールドも読んでみたいと思った。
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短編5作。
「悟浄出立」「趙雲西航」「虞姫寂静」「法家孤憤」「父司馬遷」
どれもいつか学んだり、聞いたことのある物語を別視点から見る。
自分を知ることは難しい。他人や世界を知ることで、そこにいる自分を見つけられるのか。そのことの「気づき」に気づかされる一冊。
淡々とした語りの中に漂う心情の動き、隠し切れずに溢れ出す感情に心が揺り動かされる。
とてつもなく、すごい作品。
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風太郎で戦国ものをものにした作者が次は中華ものに手を出したのかということで期待したが、短編集とは思わなかったので少々、残念。ただし、トヨトミプリンセスから風太郎という展開の様に、本作は次作の伏線かもしれない。中華ものといってもあくまでの作者の造形する中国人であって、本来激しく、あけすけな大陸的な中国人ではなく、少々、日本的な情緒をもった中国人の造形となっているので、次作、中華ものをということであれば、今までと同じ様なキャラ造形を期待したい。
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歴史はわかりません・・・。
唯一楽しんだのは「悟浄・・・」だけです。
頭の中は 西田敏行の八戒メンバーと最遊記メンバーで話が進んでいました。
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全部西遊記の話かと思ったら、西遊記は1作目の「悟浄出立
」のみであとは三国志な感じだった。三国志もずいぶん前に読んだっきりなので記憶もおぼろげ・・・。だけどこの作品は楽しめた。万城目さんとは思えない作風だけどすんなりと入りこめてよかった。もっと中国の古典を知っていたらもっと楽しめるのだろうなと思う作品だった
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万城目学さんのファンタジーさが皆無であったのは残念でした。でも、中国の故事の「西遊記」や「三国志」などの主役には一切焦点を当てず、脇役を主役として位置付けて、その人間ドラマを展開しているのは、やはり万城目ワールから離れていないのかもしれません。
いろいろな物語がある中で、主人公を置き換えてみてみるのも新しい人間ドラマがあって面白いと思います。
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今まで読んできた万城目さんの本とは、少々趣が違った。
期待していたものとは違ったため少々不満。
でも、読みやすさは相変わらず!
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西遊記から始まって、三国志や秦の始皇帝まで、中国の有名なお話しの脇役からの視点に焦点を当てた短編集。どれもこれも、それなりに味わい深い。どういう意図でこんなん書いたのかな。
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中国古典を主人公の目線ではなく、あえて脇役の目線で書き直した短編集。
→http://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-11977941529.html
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脇役にも、脇役の視点が中心に進む物語があって、当たり前なんですが、視点が違うとちょっと見えてくるものも違うのかなと思いました。古代中国が中心なので、知識が乏しく、ちょっと難しいものも。沙悟浄と虞美人と父司馬遷が良かったかな。
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万城目さんの今までの物語とは違うタッチで書かれてて、新鮮でした。
いつもの万城目ワールド的な物語も良いですが、こんな短編小説もありです。
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脇役にスポットをあてた…ということですが、そもそもの史実もしくは原作を知らないと十分に楽しめないかもしれません。
三国志と司馬遷が好きな私にはとても嬉しい作品でした!