投稿元:
レビューを見る
「メタモルフォシス」と「トーキョー調教」二作が収められている。
二編とも、SMに耽溺してゆくマゾヒストの男達が描かれているのだが、
その苦痛な快楽に堕ちてゆく描写は、
男達の仕事(金融やマスコミ)の中での隷従せざるおえないシステムや状況、人々をもうまく表している。
単にSM小説では終わらない「マゾヒズム」を見る事が出来る一冊だった。
投稿元:
レビューを見る
簡単に言ってしまえばM男の調教モノがふたつ入っている小説なのだけど、今まで読んだSM系の小説は内側ばかりに焦点が当たっていたのに対し、「メタモルフォシス」は内側の変化がしっかりと肉体、思考、判断力に反映されているのが素晴らしいと感じた。「トーキョーの調教」のほうはあまり見るべきでない側面を見てしまった感じがしてあまり好きにはなれなかったけれど、「メタモルフォシス」がまさにメタモルフォシスだったんで☆5.
投稿元:
レビューを見る
芥川賞候補ということで興味を持ったけれど、社会生活とSMの世界とが唐突に表れて、内容もさることながら、文章表現自体どこがいいのかよく分からなかった。
投稿元:
レビューを見る
読んでいて痛い。「メタモルフォシス」SM中級者の証券マンが上級者を目指し更に超えていく過程を描いた作品。長編と思い読んでいて、どんどんエスカレートしていきこの先はどうなるのだろう、もう読みたくないと思ったところで終了。中篇でよかった。SMと証券マンの非情さとの対比が効いている。「トーキョーの調教」SM初心者の男性アナウンサーが、調教される快感に目覚めていく過程を描いた作品。実社会での女王様とのつながりが、複雑な感情の交錯を生み出す。SMとアナウンサーの仕事の対比が効いている。本作が芥川賞候補作だったとは知らなかった。
投稿元:
レビューを見る
図書館の新着コーナーにあったので何気なく借りる。
初めて読む作家さんだ。この作品で芥川賞候補になってたのか〜、知らなかった。
『メタモルフォシス』、『トーキョーの調教』の2つともSMのはなし。どちらかと言えば『トーキョー―』のほうが読みやすいが、なんせ世界が世界だけに理解不能。
投稿元:
レビューを見る
「メタモルフォシス」ミステリーとユーモアを含んだSMを題材とした小説。快楽の先に見えてくる生への執念が、なんともいえずおかしい。私はどうやら変態ではなく、ちょっと変わっている人に憧れを持っているらしいことに気付いた。
「トーキョーの調教」危険と隣りあわせ従属関係が笑える作品だった。
二作ともあまりにもリアルなので、もしかしてご利用なさっているのかしら? と疑念を抱いてしまった。
投稿元:
レビューを見る
新聞で記事読んで気になったから読んでみたけれど…
うーん…読んでいて気持ち悪くなってしまった…
あえて読まない方が良かったかもしれない…人におすすめできる本ではないなぁ…
投稿元:
レビューを見る
表題作も「トーキョーの調教」もSMの世界を描いた作品で、少し度肝を抜かれる感じだった.証券会社に勤めるサトウの仕事上の話と光女王とのプレイの場面がほとよく交じり合っている.アナウンサーのカトウがプレイするマナ女王はアナウンススクールの生徒.講師のカトウとのやりとりがスリリングだ.でもSMの世界はよく分からない.
投稿元:
レビューを見る
先日、「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞した羽田圭介さんの作品です。受賞作がまだ単行本化されていなかったので、前作を読んでみました。ちなみに、当作品も前々回の芥川賞候補作だったようです。
表題作「メタモルフォシス」と「トーキョーの調教」が収録されており、前者の表題作は重度のマゾヒストである証券マンの主人公が中級、いや上級クラスのSMプレイを極めていく話。後者は自分はマゾヒストかも知れないと半信半疑なアナウンサーの主人公が、初級クラスのSMプレイから徐々に真のマゾヒストへと目覚めていく話。
普段、僕たちも日常会話の中で「あなたはエスだ」「僕はエムだから」などと性格を分かりやすく説明するためにSとMという単語を何気なく使うことがあるけれど、この作品で描かれているSMプレイの世界は性格や性癖をも超える、いわゆるノーマルな性癖の者にとっては到底理解できないもの。生死を分けるような命を賭けたプレイのシーンは読むだけでも息苦しくなりました。描写はかなりストレートで、肉体的に痛々しく、汚い。
性癖によっては、官能小説としても読めるだろうし、SMの世界をあくまで部外者として興味津々に覗いてみるにも向いているように思います。一気に読み終えてしまいました。個人的には「トーキョーの調教」の主人公と女王様のとても危うい関係性がスリリングで楽しめました。
投稿元:
レビューを見る
素直には共感できなかった。メタモルフォシス、トーキョーの調教は共にSMの物語である。なぜ、鞭で叩かれて、罵られ快感を覚えるのか私にはわからない。ただ、日常に満たされず、なにかに熱中になる、ことで、日常の埋め合わせをしていく作業に惹かれた。なにかに窮屈になってもなにかを信じて突き進んでいく。メタモルフォシスの主人公であるサトウが放つ言葉は私に強く響いた。
投稿元:
レビューを見る
「メタフォルフォシス」「トーキョー調教」2作ともハードなSM作品。女王様と奴隷との倒錯したSMプレイに耽溺していく主人公。こうした死と直面する危険なプレイにこそ自分の生存快感を覚えていく。これも芥川賞候補作品。プレイの描写はエグイです。
投稿元:
レビューを見る
芥川賞候補作がSMプレイの話って。すっごく取材したんだろうなぁ。万人に受け入れられなくていい、あえてぶつけてみましたっていう反抗的な意志を感じます。
投稿元:
レビューを見る
作家の中村文則が「魔力的に面白い、普通じゃない人がたくさん出てくる、笑えるし、スリルがある」なんて言うから興味が湧き、図書館で借りました。
この本の前情報は↑上記のみだったので、まさかSM小説(というジャンルがあるのかはわかりませんが)だったとは!!
驚愕し、吐き気がし、読み切るのに本当に苦労しました(涙)
マゾ仲間の死をきっかけに、快楽の頂点は「死」であるのかを突き詰めて考え&ハードプレイで実践することにより、逆説的に「生」を切望する自分に気づいていく、という、テーマも主題も明確でしっかりとしたお話です。
が、マゾプレイがハードすぎて生理的に全く受け入れられず・・・
ホント酷いの。吐くよ。
ということで、本質は悪くないと思うけど☆を多くつける気にはなれませんでした。
投稿元:
レビューを見る
著者の芥川賞受賞作品を読んだのをきっかけに他の作品も読んでみたいと思い、読んだ次第。終始、SMクラブの世界を濃密に表現されていると感じた読後感。SMプレイに関しての事細かな文章で表現されているので、最初は痛々しくて躊躇うほどであったが、読み進めていくうちに、痛々しさに不快感は感じなくなり、痛めつけられることに快感を覚える性癖があることも、当人が良いと思うならアリだろうと感じる。奴隷と女王様との世界感、SMプレイによる男たちの新たな価値観、変態も一線を超えると逆に快感となってしまうだろう、新鮮味があった。
投稿元:
レビューを見る
表題作:メタモルフォシスは、余りにもハード過ぎて頂けない。
何故これが、芥川賞候補になったのか理解不能。
1
同掲作のトーキョーの調教。
こちらは秀逸。共にSMがテーマだけどね。
・ポチ-サトウ-カトウ
・マナ女王様-タケウチアイコ
中堅アナウンサーのカトウ。
SMクラブのマナ女王。
二人は意外なところで結び付く。
4
(市図)