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著者の職業は「作家・奇祭兵評論家」と書かれている。奇祭評論家とはなかなか面白い。そんな著者が日本にある珍しい祭りに行って祭りに関して書いたのが今回の本だ。
珍しい祭りとして日本のみならず世界で有名なのが「かなまら祭り」で、神奈川県川崎市にある金山神社で4月第1日曜日に開催される。「かなまら様」とも呼ばれていて、「性と鍛冶屋の神」とある。祭りには男性についている「アンテナ」の神輿が登場する。露店に行くと「万古(ばんこ)」、「金玉(きんぎょく)」と言う名前の酒が売られているとある。「アンテナ」と「洞穴」の事だな。
海外では「Utamaro Festival」として有名で、世界中のメディアが取材に来る。まさかこの祭りが日本の代表的な祭りだと思っていないか気になるところだ。
「笑い」がまつりにメインテーマになっているものとして、和歌山県・丹生神社の「笑い祭り」が紹介されている。謎の白塗り男が「笑え~、笑え~」と周囲を無理やり笑わせる祭り。笑う門には福来ると言うから笑うのは精神衛生上いいのは分かるが、笑わされるのは厳しいなあ。
青森県・新郷村では、「キリスト祭」が開催されるとある。何でもあのイエス・キリストが日本生きて亡くなって、キリストをまつった墓があり、神主が祝詞を唱え始めるそうだ。どこからキリストが出てくるのか、オカルト雑誌の「ムー」が好きそうな話題だな。
祭りは今と違って娯楽の少ない時代に息抜きができる限られた機会なので、どうしても非日常の世界になってしまう。くだらないことや性に関わる事が出てくるのはガス抜きの装置として必然的に出てしまう。日本の文化もなかなか奥が深い。
著者のサイト
http://www.sugikoto.com/
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八百万の神を祀る日本には全国30万もの祭りが存在する。祭りとはそもそもが非日常。故に祭りの中でも飛びぬけて奇矯な奇祭こそが祭りの本質を伝える。本書では選りすぐりの奇祭が収録されている。目を覆わんばかりの凄い祭りが次から次へと飛び出してくる。一番強烈なのは「かなまら祭り」。掛け声は「でっかいま~ら~。かなまら」。間違いなく放送禁止用語。男性のシンボルをピンクに染め上げ御神体として街を練り歩く。間違いなく軽犯罪法違反。日本は古来から夜這いや盆踊りの乱交、男女混浴が公然と行われてきた。五穀豊穣は性的な祭りの言訳。祭りの根源には性交へのあくなき欲望があるだけ。だからこそこれらの祭りは長年にわたり存続することができた。エロスパワー侮りがたし。
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日本各地の「奇祭」を、いくつかのテーマに沿って紹介している一冊。取り上げられているお祭りは、どれもこれも不可思議なもので面白い(有名なものもあるけれど)。
お祭りは、地域の特徴を表しやすいイベントなので、これからもこの手の本は探していきたい。
で、意外だったのは、結構新しい起源なものが多いこと。そりゃまぁ途絶えちゃうのもあるよねぇ…。
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2.6。データが欲しい。推定開始時代や当時の地元の状況等。古い民俗学に扱われる類のと、最近の新興宗教由来のがごたまぜ扱いは何か変。それも含めて分類別して欲しい。
にしても、日本には30万の祭がある、てのは、すごいし好きだな。