紙の本
日立の危機から急回復の内側がわかる本
2016/02/11 14:31
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投稿者:TM - この投稿者のレビュー一覧を見る
日立の危機から急回復の内側がわかる本。
日立ほどの日本を代表する大企業には、いかにどこまで優秀な人材がいるんだとわかると同時に、何もなければ埋もれていたかもしれない現状と、またいざ動くとなると実にすばやく動くことがよくわかった。
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2009年3月に国内製造業史上最大となる7873億円の赤字を計上した日立製作所。
一部上場関連会社の完全子会社化、事業の選択と集中、持ち株会社への移行、グローバル化・・・。
決断が遅く、保守的だと思っていた日立が、次々と戦略を仕掛け、苦しみながらも社会イノベーションを軸としたグローバル企業に変貌していく姿は読み応えがあった。
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パナソニックもそうですが、日本の電機メーカーの底力を見たと思いました。世界のインフラ市場で海外の重電メーカーとどう渡り合って行くのか、今後の動向にも注目しています。
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小平波平 1920 久原鉱業日立鉱山付属の修理工場として創業
2009 リーマン・ショックで7873億円の最終赤字
日立工場
神奈川工場 情報通信システム
水戸工場 エレベータ
大みか工場 情報制御システム
佐和工場 自動車機器
栃木工場 エアコン、冷蔵庫などの白物家電
川村、三好、八丁地、中西、森、高橋の6人で意思決定
総合電機という重たい看板にはこだわらない
出血している事業のリストラ。近づける事業と当座ける事業の峻別
社会イノベーション事業で世界にでる成長戦略
上場子会社を取りこみ、社外に流出している利益を取り込む
社内カンパニー制で事業部門を自立させる
ポートフォリを入れ替え
株主の43%が外国人株主
海外の投資家に増資を説明 投資家の罵詈雑言が経営者を変える
英国へ 鉄道のインフラ輸出
グローバル化 取締役14名の内、社外取締役が8人、外国人4人
悲観は気分に属し、楽観は意思に属す アラン 幸福論
川村 経団連の会長を固辞 会長を辞す
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平易な内容で、経営再建の実例を垣間見ることができる。従来のコースから言えば「異端児」とは言え、グループ内から変革する人材を輩出でき、社員がそれに応える能力を持っていたことが、日立製作所のレベルの高さを示しているのかもしれない。
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「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
一旦成功したと思える組織・体制も必ず陳腐化する時が来る。
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表層的な感じもしますが、異端の良い具体例を感じました。なんとかできるもんだねぇ。日立よりになりそうです。
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昨年から積んであった本を読了。
あんまり詳しく感想を書くのもどうかと思うので、サラッと。
2008年のリーマンショックを受けて、2009年4月から川村さんが緊急登板をし、2010年には中西さんへ指揮を引き継いだ。
2009年以降の日立製作所は大きく変化している。今も変化し続けている。つくづく、組織というのはリーダー次第であると感じる。
社員にとっては生易しい変化ではない。
でも、企業として生き残って行くには、仕方のないことで、そういう意味では正しい道を歩んできていると思う。
本書の中で、川村さんをはじめとする経営陣が
増資をお願いするために世界中の既存株主を行脚した下りが書かれている。
世界の資産運用マネージャーに、グローバル基準の経済合理性でボロクソに叩かれるわけだが
それが原体験となり、その後の改革が進められることとなる。
そして、その原体験は下記の2点に引き継がれているというストーリーだ。
1点目は、Hitachi IR Day。
IR Dayでは、各事業の責任者が世界のアナリストに対して、目標数値と施策を説明する。
アナリストからの容赦ない質問を受けることで
社外からどう見られているかを認識し、社内事業部門のトップではなく、1経営者としての責任を担わせるようにしているとのこと。
2点目は、取締役会の多様化。
社外取締役を過半数以上とし、かつ外国人も3割程度。
本気で喧々諤々の議論をする人を、外部のコンサル会社経由で探して人選している。
そのため、執行役達は取締役会に対して
常にオープンで結論ありきでない真っ向勝負の議論を行う必要があるとのこと。
本としてのストーリーはそうであって
個人的にも信じたいところなのだが、一方で素朴な疑問がある。
【素朴な疑問】
現在の変革の流れは、川村さんと中西さんが傑物だったから可能だっただけなのか
それとも本のストーリーのように、日立製作所の仕組みとして厳しい社外の目を取り入れた結果
川村さん・中西さんがいなくなった後も、変革の流れは続いて行くのだろうか。
変革の原体験となった、世界中の増資行脚を行った人々は、既に現役から離れている。
その魂は仕組みとして引き継がれているのかどうか。
自分としては、もちろん変革の流れは続いて欲しい。ただ、中西さんが引退された後がどうなっていくのかが、まだよく分からないというのが正直なところです。
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日立の復活劇が記された一冊。グローバル化を展開する重要性がよくわかります。
二千日にわたる日々の再建物語が私たちに伝えてくれることは、「異端」の人々が、これまでの経験則に囚われない手法で日立の改造を成し遂げたという事実だ。そして、その経験を元に、偶然ではなく人為的に異端を取り入れることで、成功を将来に持続させようとしていることだ。それがダイバーシティーであり、グローバル化の真の意味するところだ。
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7800億円の赤字を出した日立の社長に就任した川村氏、その後社長を継いだ中西氏のドラマ。
そう、ビジネス書ではなくドラマであって、これを読んだからと言って同じようなことができるわけではない。とはいえ60過ぎのおっさんが巨大企業を再生してすぐに去っていくさまはカッコいい。
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救世主・川村氏の使命感と潔さに感服
崖っぷちに追い込まれた巨艦「日立製作所」の経営を託された川村氏の、悲壮さを封印した悠揚迫らぬ使命感が魅力的。正式就任2週間前の「6人組」初会合で「とにかく時間がないから百日プランで行こう。それまでになんらかの結果を出そう。」と目標を定め、現にそれを成し遂げるのはドラマ以上にドラマティックなのに、市場がそれを評価しなかったところに経済の難しさを感じさせる。
日立再生の処方箋は、課題も対策も過去に検討済だったようだが、それだけに、やるべきことをきっちりやることの困難さが際立つ。少人数による決断、決然とした実行、適材適所の人事、過去の反省と率直な対話など、どれも現実には難しいことばかりであり、川村氏を含めた登場人物の胆力と実行力に頭が下がる。
あたかも救世主のように舞い降り、そして颯のように去っていった川村氏の潔さに、『海賊と呼ばれた男』をコンパクトにしたようなカタルシスを感じるドキュメンタリーだった。
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2015/6/7図書館から借りてきた。
「君子の交わりは淡きこと水の如し、小人の交わりは甘きこと醴(れい)の如し」
中国の「荘子」の有名な一篇だが、川村の人との交わりもこれに似ている。
「醴」というのは甘酒のことだ。つまり「物事をよくわきまえた人の交際は水のようだ。つまらぬ小人物の交際は、まるで甘酒のように甘く、ベタベタした関係であり、一時的には濃密のように見えても、長続きせず、破綻を招きやすいものだ」。荘子はこう説いている。
庄山悦彦(しょうやまえつひこ)から社長を引き継ぐ川村隆の奮戦記
川村の好きな映画は「男はつらいよ」,最も好きな場面は、寅さんと甥っ子、満男とのやりとりだ。満男は「勉強しろ」という親に反発して叔父である寅さんにこう聞く。
満男「何のために勉強するのかな?」
寅さん「そういう難しいことは聞くなって言ったろう。つまり、あれだよ。ほら、人間長い間生きてりゃいろんな事にぶつかるだろう。道が二つに分かれている時、俺みてえに勉強してない奴は、えんぴつを立てて、倒れた方に決めるってのがあるだろう。学問をやるってことは、自分の頭で考えて決めることだ。だからみんな大学行くんじゃないか、そうだろう?」
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「社会イノベーション」と言ってはみたものの、形がなければ社員はついてこない。送球にそのプロトタイプを作ってみせる必要がある。
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リーマン・ショック後のV字回復を果たした川村氏を中心とした日立の改革者の物語。
V字回復後、経団連会長と日立会長の座を固辞し、全ての役職から引退することで、日立の若返りとグローバル化を選択した川村氏。
本当に自分(会社)に必要なことは何かを見極めて、実行し続ける姿勢から学べることがとても多い。
中でも自分の共感を呼んだのは、「勉強をする」つまり、日々研鑽を重ねることの真の目的は、人生の岐路に立った時に、我が行くべき道を選ぶ決断力を養うためにある。という一文。
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今話題の川村隆の改革に関する本である。
しかし実際に何をやったかあまり伝わってこない書きっぷりであった。
人物的には権力にしがみつかず組織をしっかり作っていくことが好きな人と感じた。
組織を作る事は継続的企業が、成長することであり1番大切なことだと感じた。