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『星の王子さま』という馴染みのタイトルにつられて、気軽に手に取ってしまったが、いやはやなかなか読むのに苦労した一冊だった。一般の読者にも読めないことはないけど、かなりの覚悟をもって読まないと、置いてけぼりにされる。
あとがきと藤田先生の「解題」を読みおえて、何とか息をついたけど、これ論文ですもん・・。単純に一つの寓話として『星の王子さま』を読みたい向きにはお勧めしません。
確かに、お話の中に出てくる薔薇の花ってある種の人間のテンプレみたいな感じには思ってた。しかも、実生活で出会ったらちょっと厄介な感じのするタイプの。それをモラハラという概念から読み解くってのは、言われてみればなるほどと。
今回はメモ読をしなかったこともあって(引用されている原文=仏語におののいた)たぶんあんまりは理解できてないだろうなあ・・
もともと自分自身が文学系の勉強した人間で、いろんな暗喩とかを読み解く癖がある。それが最近めんどくさくなって、「わからないものはわからないままに、不思議なものは不思議なままに」読む嗜好も芽生えてたんで、そこらへんもちょっとしんどく感じた理由かもしれないな?歳とって単純に思考力が落ちてきたか??((+_+))
あとがきと他の本でも紹介されてた、深尾さんのタガメ女とカエル男の本は次に読むべく手元に控えてるので、それ読んで、もう一回この本に戻ってくるのもアリかも?この本自体は明日が返却日ですが・・
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星の王子様は、可愛らしい、でも、ちょっと悲しい、不思議な本、という印象で、何か意味がありそうだけど、それが何なのか分からないという本でした。
だから、こういう読み方もあるんだ!と目からウロコ。
全体的には理解がなかなか難しい本なので、もう一度ゆっくり読んでみたい。
とりあえず、星の王子様をもう一度読んでみよう。
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大人になると、子供の目線を忘れてしまう。
あらためて「星の王子さま」を読んだ時、理解できなかった部分がスッと入ってくることもあります。
しかし、少し違和感があるのなら子供のような純粋さを失ったのではなく、大人になって違った視点が加わったはず。
「誰が星の王子さまを殺したのか」は、バラやキツネなどついて「なるほどと感じた」なら、それなりの理由があるのでしょう。
少し心が軽くなるのかもしれません。
「星の王子さま」の新たな一面を垣間見る一冊です。
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後半に入ると、モラハラからファシズムへと繋がっていき、それがメインテーマとなる。
大変勉強になった。
ただ、バラの意味が観念的なまま推移してそのまま終わってしまったのは少々残念。
とはいえ、多くの収穫を得る一冊だったと思う。
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怒涛の安冨ストリーム七冊目! どこまで続くのか。文学作品を読まなくなって、読解本も必要ない身の上ながら、「あの『星の王子さま』がモラル・ハラスメント? はい?」ってなるじゃん。おかげさまで『星の王子さま』を初めて読みました…。安冨先生は「オレはこうとしか読めないんじゃウラァ!」って感じの理路整然です。前半入りにくいのは恐ろしい奥様との格闘を生々しく感知してしまうため…。安冨先生は常に「生きるため」に考えていらっしゃるんだな。だから力強いのです(2019-08-20)
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星の王子様のお話は本当は、怖い・・モラルハラスメント
の話であるという論述。
言ってみれば『本当は怖いグリム童話』と同じ
と言えば同じような本。
『星の王子様』は確実に子どもの頃読んだ覚えが
あるし、いろいろな挿絵は覚えているのですが
驚くくらいに内容は忘れてしまっていました。
もう一度読もうと思います。
私自身。確実にモラルハラスメントの虐待者に
近しいと思っていて、この本のキツネの言っている
ことや役割、『飼いならす』を『責任がある』
にすり替えるテクニックは非常によくわかる
と思います。所謂ここで言うセカンドハラスメント
をもたらす虐待者になりうると自分では思っています。
ということも踏まえて、気をつけないとなあと
思いました。特に私は子どもにそういう仕打ちを
していないかを自問自答すべきだといつも思いますが
でも、つけ上がるときもあるので。。。
また、こういうモラルハラスメント的な対応で
人との会話を実施する人って特に仕事・会社・親戚
・先生・・・多いよなあ!!と思います。
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誰が星の王子さまを殺したのか 安冨歩 明石書店
モラルハラスメントの罠
モラハラとは
倫理観や道徳に関する嫌がらせでありイジメである
倫理観も道徳も社会的な価値観として誕生と同時に
植え付けられがちな怖い洗脳である
生まれながらに持つ自分なりの倫理観を
育てられる環境を作るにはお互いを侵さずに
可能な限りの全体を俯瞰する意識を持たなければならない
星の王子さまは
十代の頃表紙の可愛い絵に誘われて読み出したものの
途中でどうにも耐えかね放り出した本なのだけれど
こんな本に出合うことで再認識する機会を得た
ありがたいことに
これは強い忍耐力と冷静な分析力による得難い本である
出合えたことに感謝するしかない
作者のテグジュペリ自身も
無意識が手伝っての物語なのだろう
だからこそ誰もがこの奥深い内容を
常識的な愛だの情だのに振り回されて
客観的に深読みできず脇道に迷い込んで来たのだろう
今度こそ
子供向けに書かれた恐ろしい大人の歪んだ物欲の世界を
冷静に最後まで読み通せるかもしれない
そうすれば誰もが陥っている
モラルハラスメントの所有と言う洗脳から目覚めて
お互いに自由自在で対等な調和を目指す関係を
見つけ出せそうな気がして
諦めかけていた希望すら湧いてくる気がする
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この本を読んでいる途中に、キツネの話を聞いて頭の中が真っ白になって、ただ茫然と言葉を繰り返す王子さまの感覚を私も知っている!?と思った自分が謎でした。
そして、よ〜く考えて辿り着いたのは、20歳ころの3年間の自分。
でも、どんなに考えても、ハラスメントを仕掛けられていた記憶はない。もちろん、ハラスメントだ!と即座に感じられる感覚が自分にあればそんな状況は長く続くわけがないから、やっぱり感じていなかった3年間なんだろう、と漠然と思いつつモヤモヤしました。
モヤモヤが晴れたのは、ニュースサイトでみたコチラ、ある俳優さんの結婚の条件、です。
1、仕事のワガママは許すこと
2、映画鑑賞について行かない
3、目標を持ち一生懸命な女性
4、“いつも一緒”を求めない
5、女の心情の理解を求めない
6、メール返信がなくてもOK
7、1カ月半会話なしでも我慢すること……
これ満たした新婦さんは「プロ彼女」って言われてますね。
私にとって、7番以外はできるよ!って条件です。
だから、「プロ彼女」なのかな?って最初は思ってました。
でもね、これ、コチラの「仕事のワガママも許してくれる」とか、「いつもご飯があることを求めない」とか、そういうコチラ(女性)側の条件がなかったとしたら…ハラスメントだな、って思いました。
そもそも、コチラ(女性)も「5、男の心情の理解を求めない」って書いたら、成立しない条件がいくつもあるわけです。
ま、それはおいといて、結婚に際して新郎となる人がこの条件を提示してくれたとしたら、それはまだ良心的ですね。
考えられるから。
もっと巧妙に、狡猾に、決して要求したなんて証拠を残さないように、相手が「勝手に」そう思い込むように、仕向ける。
それがコワイところ。
20歳ころの3年間という時間。ツラいこともたくさんあったけど、それでも素敵な恋愛関係だったんだいう記憶を保持し続けていたけれど、何度考えても、どうしてこんなツラい目にもあったのに、あの人の何にそんなに惹かれたんだろう?って心のどこかで考えていたことの答えがこの本に書いてありました。
「きみのバラのためにきみが無駄にした時間のゆえに、きみのバラはそんなにも大切なんだ」
そう、苦しくてもツラくても悲しくても、それを感じる自分を感じないようにした時間の分だけ、その関係が大切だったのですね。
ま、性懲りもなく、30歳前後の同じような期間にも、同じような関係に陥っていたわけですが(苦笑)
何かが違う…
そう感じるだけの自分があってよかった。
そう感じて、関係を終わらせることのできた自分に拍手。
20年以上経っても気づかなかったモヤモヤに気づかせてくれたこの本と、タイミングよくニュースサイトに取り上げられた7つの条件に感謝です。
老婆心ながら、この7つの条件、(仮に対等だったとしても)結婚には有効かもしれないけど、お子さん誕生したら反故にする契約が必要ですよね。
2人暮らしが3人、4人になるたびに、更改しないとね。生き���いるうちに「変わらないこと」なんてそうそうないから。
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自己嫌悪本で安冨氏を知り、非常に興味を引くタイトルだったので手にする。解釈自体の文芸表象論的な妥当性はあまり関心にはならず、ただただ氏の言うモラルハラスメントの定義、傾向、対処についての記述に引き込まれた。キツネの位置づけとして自身も同様に被害者であってその程度の被害は大したものではないという加害者側の洗脳に従っているという観点は非常に重要と思う。被害者が加害の再生産をしがちという特性からしても、だめなことにはだめとはっきり伝えつつ、当人の更生を図る道筋を確立できればよいが…。
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ずっと、星の王子さまの話を理解でずにいました。
このモラルハラスメントと関連づけた本で、納得がいきました。
わがままのバラに対して、優しき王子は、距離をおくことに決めました。
そうして、やってきた地球で、バラの世話をしてきたのだから、バラへの責任があると、キツネにいわれ王子は混乱し、罪の意識を感じ自らの命を絶ちます。
純粋な心を利用することに平気なモラハラ加害者。
そして、一見、正論なきつねのセカンドハラスメント。
注意深く観察すると身近に転がっている状況かもしれない。
この名著で美しい話を、モラハラだという解釈で発表されたことに敬意を払います。
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星の王子さまとバラとのこじれた恋愛関係に焦点をあて、ハラスメントの物語として読み直した、これまでにない視点の『星の王子さま』論。なぜ王子はバラの棘の話で怒りをあらわにしたのか、なぜキツネは王子に「飼いならして」と言ったのか。なぜ王子は蛇に自らを噛ませたのか。『星の王子さま』の謎が解き明かされる。
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星の王子さまのストーリーは実はモラル・ハラスメントに満ちている?!
言語学的・心理学的観点から興味深い考察がなされた本です。読み終わった後で日常に潜むモラル・ハラスメントの多さに気づきゾッとしました。視野が広がります。
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星の王子さまが実はモラハラを受けているとは子供の頃に読んで分からなかった。
てか子供の頃には難しすぎる。
みんなが子供の頃に星の王子さまを読んで、この本も読むような時代になればいいなぁと思った。
モラハラの被害を受けている人も、この本で救われると思ったので、この本を友人に勧めて見ようと思います。