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医師の使命
2016/10/05 11:17
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投稿者:パパゲーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
患者に対する医師の使命は、戦争中も戦後も変わらないはす。
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敗戦から戦後へ。軍隊と共に軍医も流れていく。「後何日生きていられたら終戦だったのに」……、シベリアや満州で8月15日を過ぎて亡くなった人もいらっしゃる。そもそも戦争という行為を始めなければいいのにと思う。軍医、戦場へ再び送り出すための治療、なんて矛盾を含んだ行為なのだ。それでも患者を前にして治療しないではいられない。そんな方々に頭が下がる。
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蠅の帝国の2冊目。
開戦時に「負けるね」という連隊長があんまりにインパクトがあって、現場はそんなもんだったかーと思った。
まぁそれが主題じゃない。
この本は、ジャングルの中を彷徨するイメージが強い。
阿部昭風に言えば、「戦中派の帰ってきた人たち」の声は、こうして話してくれれば掘り起こすことができるけれど、その背後には語ってくれない人々の無数の戦争が埋もれている。
そして帰ってこられなかった無数の人びとの声もまた、埋もれている。
これらは掘り起こす事も出きず、知らない私たちが想像すれば、変質し、化け物になる。
…形にしても化け物になるけれど。
こういう本は、何も考えず、何も探らず、そのまままっさらな気持ちで読むほうがいい。
自分は軍医で、手には薬も機材も何もなくて、でもけが人病人は目の前に横たわっている。
さぁ、どうする?
読み終えた私にあったのは、声なき慟哭だけだった…。
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戦場に送られた軍医15人の物語短編。勉強を早期に切り上げて前線に送られた人や、思いがけずに現地の出産に立ち会う人(産科の臨床教育を受けずに出征)、現地の人と良好な関係を築き生き延びた人、仲間がバタバタと倒れ同僚の軍医も自殺する中何とか踏みとどまった人。どの話も読んでいて息苦しくなる。しかし、しっかりと心に刻む歴史である。
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軍医という立場から見た、大東亜戦争での15の体験話を基にした小説。戦争というのは相手国との戦闘だけでなく、病気や飢餓、行軍などあらゆることで命を落としてしまう。膨大な参考資料が記述されており、これを書き上げるのはとてつもない作業だったことが伺える。貴重。