紙の本
少々不気味さが漂うSF的近未来社会の中に日本古来の妖怪を位置づけた幻想的作品。
2021/02/27 12:31
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
少々不気味さが漂うSF的近未来社会の中に日本古来の妖怪を位置づけた幻想的作品。意表を突く幻想的世界観に興味津々。日本古来の様々な妖怪達が著者独自の視点から個性を発揮し、それにSF的近未来技術が微妙に関連してくる斬新な世界観が魅力。水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』を連想したがSF的世界観の付加という点で発展型作品とも言える。どうも書き進めているうちに構想が広がり、妖怪退治の播磨遼太郎との戦いが軸に成り始めたらしい。実にユニークな妖怪世界と近未来的社会観との融合が何とも面白い。
著者は、空想物を得意とすると思っていたが、974:『破滅の王』(731部隊・細菌兵器・直木賞候補)のような骨太作品も書くと知って驚き。更に、本作ではSF的近未来社会の中に日本古来の妖怪を位置づけて来るとはまたまた新たな魅力発見といったところ。
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「真朱の街」その後の短編連作。
妖怪と人間が共存する未来の世界。
ありきたりな要素にもさすがの世界観。
彼らのストーリーよりもラストの播磨遼太郎に釘付け。
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妖怪がほとんどを占める街。
そこの一角で『探偵』をしている人の
助手を務めている主人公。
連続短編になっているので読みやすいですが
これの前身は別の本に入ってる模様。
読んでいなくても十分読めますが、所々にある説明が
その話が暗いような救いがないような…?
主人公は人間ですが、周囲は当然妖怪だらけ。
思考回路の切り替えが早すぎて見事ですが
妖怪だから、でこちらの切り替えも終了。
知っている習性を持っていることから、読んでいて
相手の素性はなんとなく把握できます。
有名どころが出ている、とか?w
しかし主人公は無気力です。
そして事件は妖怪にとっての無事解決であり
人間にとっては解決した? 程度。
温度差のギャップがすごいですが、読んでいると
こんなものか、という納得が。
なので、納得あるハッピーエンドが欲しいなら
止めておいた方がよろしいかと。
所で、拝み屋との関係は何なのでしょう?
街に住む妖怪達と、の関係は分かったのですが
その時、いなかったのですよね…。
別件?
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探偵ものかと思ったら妖怪ものでした。ミステリというか伝奇もの。上遠野浩平のソウルドロップシリーズと似たようなテイストを感じました。あまり共通点はないと思いますが。3部完結のようなので一気に読んじゃおう。
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『獣船・魚船』に収録された短編「真朱の街」のその後を描いた連作短編。
続編ものとなっていますが、邦夫がなぜこの街にやってきて百目の助手を務めるようになったかは、これだけ読んでも分かるように書かれています。
妖怪が多数登場する作品で、SF作品の多い上田さんの作品群の中ではちょっと異色な感じもありますが、作品から浮かんでくる問いかけ、というものは共通しているものも多いと思います。
序盤の短編は近未来の設定なのに、SF要素が少なくてちょっと寂しかったのですが、四話目の「炎風」は妖怪、人間、ヒューマノイドが登場しこの世界観でしか描けないような物語になっていて面白かったです。
そして本のタイトルにも〈1〉とあるように、今後この妖怪と人間が共存する未来世界に大きなことが起こることを示唆され物語は閉じました。こういう世界観の作品は唯一無二だと思うので次巻が楽しみです。
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うーん、微妙だなぁ。
連作短編集かと思ったら、続きモノで、話は次巻以降に続くらしい。
1巻だけ読むと、妖怪と人間の関係がイマイチ絡まなくて、物足りなさや裏切られ感が残るんだけど、2巻目以降はどうなるんだろうか。
どちらにしても、続編に手を出すのは、二の足を踏むな。
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アマゾンでは決して買えない本でした。題名だけなら、子ども向けのちゃっちいホラー小説のように見えましたもの(-_^:) 実際に本屋さんで手にとって、中身をぱらぱら。買って正解でした。ヒトがヒトとして生きていくことは、どういうことなのか、座敷わらしのいる二戸で住んでいる自分は常に思っています。それを再確認させてくれました。
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妖怪と人間が共存する“真朱の街”
妖怪と人間が共存する時代設定としては、江戸時代や平安時代がよく使われますが、この本の時代設定は近未来。しかも「見る」ことに長けた妖怪が人捜しをする探偵小説。
京極夏彦さんの人の記憶が見える探偵を妖怪にしてしまった感じ。他にない新しい設定の小説だ。
平安時代や江戸時代は社会が安定し、文化が発展した時代だが、さてこの本で設定された社会は、どうなのだろう。
まだまだ社会やこの社会で生きる人々のわずかな断片しか見えないので、この後、断片がどのように繋がって全体が見えてくるのか楽しみ。
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妖怪が跳梁跋扈するようになった元医療特区の実験都市〈真朱の街〉、オカルトとサイエンステクノロジーが雑じり合う都市を舞台にした連作短編集。同著者の短編集「魚舟・獣舟」収録の「真朱の街」に連なる作品となっている。作中で言及はあるものの「真朱の街」が収録されていないのは残念。
相反する要素が混然となっている舞台設定が一番の特徴だと思うのだが全編にわたってそれを前面に押し出しているわけではないようだ。ハードボイルドと銘打っているようだがメインの探偵役たちには残念ながらその雰囲気は感じられなかった。拝み屋など気にいった登場人物もいるので、今後舞台設定をより活かした特異な話が紡がれていくことを期待したい。
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ハードボイルドとしても伝奇アクションものとしても探偵ものとしてもなんだか中途半端な感じを受けた。
設定、キャラクターともに説明不足。
キャラクターはシリーズが進んで行くと肉付けされていくのだろうが時代設定がいまいちピンとこない。
エピソード0は以前に異形コレクションで読んでいて舞台設定は面白そうだと思った記憶があるが詳細は覚えていない。
なんとも不親切な作りのシリーズ物だな。
どれだけ続くか分からないがあと1、2冊は読んでみよう。
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SFチック。仲良しで和気あいあいな妖怪物語ではなく、ダークな雰囲気が漂っている。百目と相良二人の契約もシビア。
「魚舟・獣舟」を先に読めばもっと世界に入りやすかったかも。
まだ序章という感じ。今後の展開が楽しみ。
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人間と妖怪が共存する街で起こる、不可思議な事件を、人生に絶望した普通の人間相楽くんをワトソン役に、絶世の美女の姿を持つ妖怪探偵百目が鮮やかに解決〜、ナンテコトデハなかった。
世界が大きく壊れていく?未来を示唆しながら、一編ずつ話が進むにつれて、妖怪の生き方がとても自然に見えてくるから不思議。
1巻だけでは、SFらしい面白さがまだまだ出てこないので、2巻まですぐ読もう!
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妖怪探偵・百目というのは表紙のお姉さんの事なのだけど、あまり活躍はしないのねww。ストーリーは妖怪vs陰陽師の様相で、今まで読んだ同作者のSFの世界観より解りやすかったです。まだ導入的な1巻です。『魚舟・獣舟』は既読ですが「真朱の街」はすっかり忘れてました。でも無問題。妖怪とアンドロイドの恋を描いた“炎風”が良かったです。
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妖怪が跋扈する<真朱の街>で探偵事務所を営む妖怪・百目は絶世の美女。ある事情からこの街に逃げ込んできた相良は、自身が巻き込まれた事件を契機に、依頼報酬は人の寿命という百目に時折命を吸われながらも探偵助手を務めている。
人と妖怪、呪いと最先端科学、自然の霊力とサイエンス・テクノロジーが融合した、魔除けの朱に染められ無数のお札を貼りこめた建物に囲まれたこの街は、かつては医療特区だった。その名残で、最先端医療技術の研究開発が行われていたりもする。
そんな街で、人と妖怪は奇妙な共存関係にあった。
勿論、悪い出会い方をすれば、喰われるのは人間なのだが。
そんな街で探偵家業を営む百目だが、人さえ喰えれば(文字通り肉体を貪るか、ちょっと優雅に寿命を吸うか)生きていける妖怪のこと、気が乗らない依頼は一切受けない。彼女が乗り出すのは、妖怪絡みの事件に限られる。
百目と相良が関わる五つの事件。
特に興味深く読んだのは第四話『炎風』。人が開発したヒューマノイド・ロボット<明日香>に恋をした妖怪かまいたち<風鎌>が、消えてしまった恋人の捜索を依頼してくる。
人ならざる者同士ながら、かたや古来の妖魔、かたや先端科学の申し子。人の心の奥底までも覗き込む百目が見出す、かれらの恋の行方とは。
相容れない存在同士が喰いつ喰われつしつつも、それぞれに滅びてしまわぬよう、ぎりぎりのラインで共存する<真朱の街>(それでも、人は呪力や科学力を駆使して妖怪を排除する道を諦めてはいないし、妖怪も隙あらば人を喰うけど)に生きながら、人であることをやめ妖怪側にたつのか、それとも人の世界へ立ち戻るのか、揺れ動く相良。
妖怪も妖怪で、人の科学技術を便利に使っていたり(百目なぞ、全身の目を隠すために人工皮膚を使っている)もするのが面白い。
余談だが、妖怪の跋扈するこの街で、相良が通う妖怪酒場のマスター・牛鬼が提供する"人間用おつまみ"は結構おいしそうである。
続刊が待ち遠しいシリーズとなった。
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表紙に騙されてはいけない本。全身に百の目をもつ妖怪、百目が探偵事務所を開いているのは、妖怪と人間が共存する「真朱の街」。請け負う仕事はすべて妖怪がらみで、人間の助手を一人雇っている。この頼りない助手が狂言回しかと思ったらそうでもないようだ。なにせ探偵が妖怪、相手も妖怪だから事件も解決したようなしないような…と思ったらどうやら最後の一編が今後の展開における重要なプロローグのようだ。どう転がるのか誰が味方で敵なのか、そもそも敵味方があるのか続きが楽しみです。