紙の本
名付け親の長い旅
2022/08/01 20:39
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
町から町へと渡り歩くニコルと相棒セッタが、旅先での出会いが不思議な味わいです。風変わりな依頼人、さらには「解名」までと予測不能な展開でした。
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おーもしろかったー!
「名前」を持たない人たちの地上の世界を、空の上の「星たち」の目線で語られる物語。
珍しいタイプだなと思った。
物語を説明する文体で書かれるお話は多いけれど、この「星たち」は第三者ではない。
難しい言葉は、一度ルビが振られたらそのあとは振られてなかったけれど、あとがきに書いてあったように『空想』だった、いい意味で。
『空を想う』『空が想う』この話の続編も読んでみたい。
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そこは『名前』が特別な世界
万物のものへの名付けが、歴とした人や機関が行なうものであるように
その世界では人々の名前さえ、親が勝手につけることはない
全ては『名付け親』という職業に就く者によって、高額な料金を対価に授けられていた
名付け親になりたての少年は、
仕事の相棒のナナホシテントウと共に
長い長い名付けの旅を続ける
***
語りの視点が夜空に瞬く星であるがためか、
ラノベらしからぬ文体、難関な読みにもルビを振っていないのが
まず印象的だった
作者は昔の童話なんかが好きなのかな
名前が高額のお金で取引され、
それこそ身分を証明するものとして存在している
もうちょっと、様々な人に出会ってその人となりを見て名を付ける、というのが主流な話になるのかと思ったけど
5話あるうちの実際に名付けをしたのは2話だけで
あとは背景だったりなんだりが触れられている
飽きさせずにバランスが良かったのかも知れない
最初、名前がなくてどうやって呼び合うんだろう…と謎だったけれど
通称のようなものは付けていいらしい
あくまで名は公的なもののようだ
面白い世界観だったと思う
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語り部の視点に最初はとまどいを覚えたが、世界観はgood。幻想的な設定ながら、扱っている(扱おうとしている)問題は現実的。ニコルがどう成長していくのかが非常に気になる。
現実的な問題を扱っているのだからこそ、もう少し世界の設定を作り込んでほしいかも。
あとはニコルの旅の間とかの側面が作り込まれるともっともっと続きが読みたくなる。もうちょっと【旅】って面を出してもいいんじゃないかなーと。
とりあえず、続きも読んでみたい!
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表現がとても綺麗だとは思ったけれど文章が少し固くて慣れるのに時間がかかった。名を授けるという設定がすごくいいなぁと思って買ったけれど少し期待はずれだった。
セッタの、人間じゃないのに持ち合わせている人間性がいい味出してて好きだった。
今この世界では名前は生まれた時からあって当たり前のことで、それがないとなるとどう世界は変わるのか、とかさらに格差ができるのか、とか考えさせられた。
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ほとんどの人が名前をもたない世界で「名付け親」という職業につく少年のお話。
内容よりは中表紙の詩が好き。
「曇りの夜の六等星も、晴れた真昼の彗星も見つけたのに、これで幾つ目の落とし物だろうか」とか。
語り手を星がするっていうのも新鮮だったと思う。
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(内容)
眠る前に読みたい、≪名前≫にまつわる切なくも優しい物語達。
その世界では、ほとんどの人が≪名前≫を持たなかった。≪名前≫を持つためには多額のお金が必要で、大半は名無しのまま死んでいく。
≪名付け親≫という職業につく少年・ニコルは、人々に≪名前≫を授けるために長い旅をしている。様々な国を訪れ、たくさんの人に出会い、ニコルは考える。
彼らの人生にはどんな物語があり、そしてどんな≪名前≫が相応しいのか、と。
長い長い旅の中、ニコルは数々の≪名前≫にまつわる切なくも優しい物語に出会っていき――。
(感想)
漢字が時々難しいですが、視点が星ということでかなり変わっていて面白い作品です。ニコルの優しさと、根気強さが魅力ですね。雰囲気も基本静かに進んでいいです。
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名前を持つ人が少数派の世界で、依頼を受けて名前をつける仕事をする少年の物語。
名付けという仕事に真摯に取り組み、時に悩むニコルの姿が好き。相棒のセッタとのやりとりも聞いてて楽しいし、なんだかんだ仲いいなと思わせてくれた。
物語は三人称というか、空に浮かぶ星視点で紡がれており、どこかであった物語の一つという雰囲気。
なんというか綺麗な雰囲気だなーと思いました
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自らのアイデンティティである名前を手に入れるのに、多額のお金を払うなんて自分の常識からすればありえないし、想像もできない。
それにしてもニコルの知識の多さに脱帽。
あんなに相手のことを考えてつけられた名前はすごいと思う。
自分の名前を大切にしたいと思わせた作品だった。
名前というアイデンティティのない人々は普段どうしているのだろうか?
そして童話のような語り口が好き。
少しキノの旅っぽい?
続きがあったらもっと読んでみたかった。
名前をなくしたら自分であることを証明できないような気がして怖い。
名前を奪われた青年の話が読んでて気になった。
アイオの不器用な愛情表現が読んでいて、もどかしくも微笑ましい。
是非、アイオ達には幸せになってほしい。
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人や動物が固有の名前を持たない世界で、名付けの権利を持つ役人?名付け親ニコルの旅の話。暖かい話ばかりで癒された。パートナーセッタもうるさかわいい。表紙も話にあっていて素敵。他の名付け親も見てみたかった。
設定は無理があるんじゃと思った。日本でも昔氏がない時代もあったわけだけど、呼び名がなければ社会生活が成り立たないし。非公式の名前とかも出てきたけど、それって名前じゃんとも思ったり。
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名前を持つために多額の金銭が必要であり、名前を持つこと自体が社会的ステータスを表わすことになる世界。そこで名前をつけることを生業とする「名付け親」のニコルは人々に名前を授けるために旅をしている。彼を見守るのは天涯に光る星々。これはその星が語る物語。
なかなか面白い設定の物語です。公的な名前に金銭的価値と社会的地位がある世界で、名前を付けるということはどういうことなのかが語られます。
名前を付けられることを拒む人、付けられた名前をコロコロと変える人、名前を剥奪される人。それぞれの人に物語があり、ニコルはその物語を知り名前について考えを深めていくのです。
名前を持つことがステータスとなるならば、名前を付けることができる者が持つ力とは。そしてその力の使い方とは。そんなことを考えさせられる物語で幕が降ろされます
物語の核となる部分はとても面白いのですが、文体がかなり饒舌なのです。地の文となる星の語りもそうですが、出てくる人物誰もかしこも饒舌なのですね。無口と説明される人物まで饒舌なので、饒舌と称されるものに至ってはそれはもう。
饒舌なのが悪い訳ではありませんが、時にはその饒舌さで飾り立てられ盛りつけられて、物語の核を見失いそうになることも。
この饒舌さがこの作品の味なのでしょうが、なかなか消化するのが大変でした。でも続きが出たら読んでみたいとも思わせるのです。それだけ魅力もあったのです。
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「夜を灯す」
月夜の中に死神が。
信仰心が強いのはいい事かもしれないが、全てが正しい訳では無いという疑問を持つ者は他に居ないのだろうか。
誰が言い始めたのか分からないが、夜というだけで忌み嫌われ変人扱いはおかしくないのか。
「ずっと、近くで瞬いていた」
何度も名を変える。
お金を出せば簡単にできる事だからこそ、この様な恋の終わりと共に折角名付けて貰った名を捨てれるのだろうな。
これを機に簡単に名を変える事無く、どんな事があろうと今の名前を名乗り続けて欲しいな。
「ある花実と」
名を奪う事も仕事。
改名は可能でも剥奪は無いと思っていたが、大きな罪を侵した者に対して高価な名前は必要無いのかもしれないな。
名乗る事が普通であった人にとって、剥奪という処置は絶望に近しい感覚になり得るかもな。
「今日を息づく」
安静の意味を諭す。
身体を動かさず絶対安静と言われても、そんな事を簡単に出来る人はいないだろうし何かしらしたくなりそうだな。
お節介といえばそれまでだが、もしもの事を考えたら近くに常に居るというのはいい案だな。
「いつか手渡す」
叶える為に今日も。
必死に足掻いて目標として掲げている事があるからこそ、欲しいと思っても安易に貰おうとしなかったのだろうな。
名付けに関係ない情報だとしても、流石に性別ぐらいは勘違いしている事を訂正すべきでは。
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「その世界では、ほとんどの人が"名前"を持たなかった。"名前"を持つためには多額のお金が必要で、大半は名無しのまま死んでいく。"名付け親"という職業につく少年・ニコルは、人々に"名前"を授けるために長い旅をしている。様々な国を訪れ、たくさんの人に出会い、ニコルは考える。彼らの人生にはどんな物語があり、そしてどんな"名前"が相応しいのか、と。長い長い旅の中、ニコルは数々の"名前"にまつわる切なくも優しい物語に出会っていき-。]
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名前の無いことが当たり前の世界で名付け親を生業にしているという設定に惹かれました。
言葉の運びやリズムが好きです。お伽話のように優しい話でした。読み手が大人になってしまったので「長く続く信仰をこの二人が果たして変えていけるのか?太陽を頂く信仰は特に砂漠の地ということもあり相当な根深さでは無いか?」等と余計なことが頭を過ってしまいました。中学生の頃に読めたらもっと話に没頭できたと思います。