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(2014.08.01読了)(2014.07.24購入)
【黒田官兵衛】
本能寺の変から九州平定までです。本能寺の変、毛利との和平を結び、中国大返しを成功させ、明智光秀を討ち、秀吉は天下への道をたどります。
光秀を討ったことで主導権を握り、後継者として三法師を選び、柴田勝家を討ち果たしたところで、残るは大物は、徳川家康のみとなります。
家康との決戦を試みますがあえなく敗れてしまいます。この時は、官兵衛は、毛利との国境線画定のため、毛利と交渉中で、家康との戦いには関与していなかったとか。
四国を平定し、九州の島津との戦いに官兵衛は出陣します。
秀吉は、家康の懐柔に成功し九州に出陣が可能になり、島津を従わせることに成功します。
秀吉は、官兵衛が領地の安堵を約束した城井谷を取り上げ黒田の領地とします。
城井谷の城主は、承服せず、反乱を起こします。官兵衛はやむをえず戦い、命をとることなく、従わせることに成功するのですが、秀吉から反乱を起こしたものを許すことはあいならんと命令され、殺害を決意するのですが、実施に移したのは息子の長政でした。
息子の長政も修業を積み順調に後継者として育ってきているようです。
九州の平定が終われば、残るは、北条氏です。
その前に、噂として、秀吉は、秀吉亡き後に天下を取るものは、黒田官兵衛にちがいないといったという話が、官兵衛に伝えられます。
秀吉が、柴田勝家を破った後ぐらいから、官兵衛との距離が開いてきて、秀吉は、三成の思うように動かされている感じが出てきます。
千利休は第二巻までは登場してこなかったようですが、秀吉の世になったので、あちこちで登場します。また、荒木村重が、利休の弟子になっており、道薫として登場します。村重の生き延びた息子、岩佐又兵衛もちょっと出てきます。浮世絵の元祖と呼ばれるようになる人です。
官兵衛の息子、長政は、小六の娘・糸を嫁としてむかえます。官兵衛は、右近のすすめでキリスタンになっています。
【目次】
第二十八章 本能寺の変
第二十九章 天下の秘策
第三十章 中国大返し
第三十一章 天下人への道
第三十二章 さらば、父よ!
第三十三章 傷だらけの魂
第三十四章 九州出陣
第三十五章 秀吉のたくらみ
第三十六章 試練の新天地
第三十七章 城井谷の悲劇
第三十八章 追い込まれる軍師
●光秀の主張(21頁)
「織田家は信長がいてこそ、成り立っていた。もともといがみ合っていた者同士、ひとつにまとまることはなかろう。今のうちに同心する者をつのるのだ。そして、朝廷のご威光をもって、信長が壊したものをつくり直す。本来あるべき姿に戻すのだ。それでこそ、乱世は終わり、泰平の世が訪れる。」
●三成と官兵衛(137頁)
「政に関してはおぬしほどの男はいないが、こと戦においては官兵衛の右に出る者はおらぬ。官兵衛は常に先を読む。わしの考えを聞かずとも言い当てる様は気味が悪いくらいじゃ。」
●秀吉と官兵衛(156頁)
「それがし、領地が欲しくて働いているわけではございませぬ」
「領地がいらぬ? さてもおかしなことを申す男じゃ。では、おことは何のために働いておるのじゃ?」
「殿下のもと、天下がしずまることのみを望んでおります」
「……無欲な男ほど恐ろしいものじゃ」
●人は将棋の駒(273頁)
「人は将棋の駒じゃ。それをわしが自在に操るのだ。神のようにな。信長様も面白がっていたにちがいない」
信長は「人こそ一番の道具」だとし、重臣たちを競い合わせるための道具として巧みに秀吉を使った。それが、秀吉が天下を取った今では、誰もが秀吉に使われたくて競い合うようになったのだ。
☆関連図書(既読)
「軍師官兵衛(一)」前川洋一作・青木邦子著、NHK出版、2013.11.30
「軍師官兵衛(二)」前川洋一作・青木邦子著、NHK出版、2014.03.20
「軍師の境遇」松本清張著、角川文庫、1987.07.25
「黒田如水」吉川英治著、講談社文庫、1989.11.11
「信長の棺」加藤廣著、日本経済新聞社、2005.05.24
「集中講義 織田信長」小和田哲男著、新潮文庫、2006.06.01
「秀吉神話をくつがえす」藤田達生著、講談社現代新書、2007.09.20
(2014年8月2日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
信長、明智光秀の謀反により本能寺で死す―。毛利攻めのさなか、驚愕の知らせを受けた官兵衛は、逆賊・光秀を討つよう秀吉に進言、毛利との和睦をはかって「中国大返し」を成功させる。官兵衛は、その智力と精鋭家臣団の力を駆使し、天下人への道を歩み始めた秀吉を支えていくのだった。
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軍師として秀吉を動かし天下を取らせた官兵衛。
権力と引き換えに人を見る目を曇らせていく秀吉。
秀吉に翻弄されつつも、黒田の家と領民を守ろうと
宇都宮氏との争いに決着をつける官兵衛。
四巻の発売が待ち遠しい。
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一巻目、二巻目は面白くてはまった。司馬遼太郎の太閤記の後半を読んだ時に天下が近づくにつれ変化していく秀吉にむしずが走る思いがしたけど、三巻目を読んでまたもや同じ気分になってしまった。ノンフィクションだからしょうがないけど四巻目はやっぱり歴史は面白い!って感じる話にまとまっている事を期待したい。