紙の本
「日本人」と一括りに出来ますか?
2016/10/14 21:24
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投稿者:セーヌ右岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「STAP細胞問題」、「偽ベートベン問題」、「パソコン遠隔操作事件」について、精神科医としてそれぞれの人物を分析し、障害診断を行っているが、対処の具体策は提示されていない。「ヘイトスピーチ」は確かに忌むべきことだが、著者が指摘している原因はそんなに矮小で、単純なものではなく、もっと大きな問題があると思う。「SNS」については、異常で、同感です。「劣化する政治家たち」、「知性の劣化」については、著者の主義主張に合っている人物以外が劣化しているとの印象を持ちます。どの時代、どの国にも同じような問題があると思いますので、「日本人」と括ってもらいたくないですね。
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醜悪の一言に尽きる。STAP細胞(仮)や某作曲家問題などについて、ここで話されている問題は、あらゆるメディアで専門的知見や、あるいは(それこそ本書のように!)安直な「感想」が語られてしまうことの問題を多く指摘されていた。例えばSTAP細胞(仮)についてはいくつかの論客が過去ないし外国の論文捏造事件と絡めて歴史的な解説をしていたし、ヘイトスピーチについても樋口直人『日本型排外主義』(名古屋大学出版会)やエリック・ブライシュ『ヘイトスピーチ』(明戸隆浩ほか訳、明石書店)など良質な専門書もたくさん出されている。某作曲家問題で援用されている問題ですら、近年の自己啓発研究、例えば牧野智和『自己啓発の時代』(勁草書房)などを使った方が有用だろう。
この著者の社会問題に関する言説の最大の問題点は、社会の問題を現代日本人の本質的、心理的な〈劣化〉こそが背景にあり、それを「治療」することこそが自分の役目だと思い込んでいることだ。それは社会問題を社会的な始点から考えることの放棄にほかならない。そしてそのような態度は、本書に見られるような勝手に「病気」そして「劣化」のレッテルを安直に貼ってしまうような暴力的な論理に帰結する。
結果として本書は「危機感」を煽るだけ煽って結局現代社会なるものに落胆させるだけというものにしかならないだろう。専門的な研究やデータも参照・提示せずこのようなことをいつまで続けるのか。あと帯の著者の写真はなぜ笑顔なのか。最早この著者は他者を〈劣化〉した存在として見下すことを象徴する〈アイドル〉でしかない証しだろう。
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常識が大きく変わってしまっていることは、身近な若い世代と接していても感じていた。「SNSの何が気持ち悪いのか」で気付かされたが、個を優先させる教育の結果が行き過ぎて招いている部分もあると思う。
大衆化社会が行き着いて愚民化社会になっているのだ。
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最近の事件を題材としていたので買ってみました。読んでみると、最初は精神医学系の本?と思ったのですが、実は新自由主義への批判がしたかったんですね。
アプローチとしては面白いなぁと思いつつも、分析の粗さは読んでてなんかムカつきますw
一例出しとくと、著者は脱原発を争点に掲げた候補が惨敗した都知事選の結果から、「遠い未来を考える力がなくなった」「いまここしか興味がない若者」というような論調で書いてます。
いやいや、脱原発自体が一つの論点であって、反対の見解も当然あるわけだから、そこを無視して、自分に都合のいい解釈をぶちあげるのはどうなの?!と思いました。
これこそ、著者が言う「反知性主義」では?!
全体的な感想としては…イマイチ…かな^^;
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この方の著書に興味があり、初めて読んだ本がこれでした。
個人が尊重される中で「その考えは少し危険じゃない?」という考えがSTAP細胞を始めとする身近なニュースを通して述べられています。
しかしその考えを述べただけでこれからどうすればいいの?という疑問の答えは見つけることが出来ず「今どきの若者は…」と飲み会で上司に説教をされた気分になる読後感でした。
だけどすぐに評価や答えを求めがちな風潮に「答えはそんなすぐにでるものじゃないし努力しないと得られないことを忘れちゃ駄目よ」という当たり前なのですが、大切にしておかなくてはいけない考えを少し感じました。
新しいことを取り入れることも大切だけど、これまで築き上げてきた大切な教訓や考えを見失わないためにも「今どきの若者は…」と愚痴をこぼす人がいてもいいんじゃないかと思った一冊でした。
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「自己愛」という切り口で、昨今の事件から日本人の劣化ぶりを検証。
基本的に主張は理解できるのだが、出版し過ぎ(?)のせいか、掘り下げ不足の感あり。
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今の世の中、今の人々、なんか変じゃない?
と、思っている方、必読です。
昔はこんなこと、日本ではなかったよな、と最近のニュースを見るたび思っていたものが、解説されています。
会社でマネジメントをしている人、経営者、人事担当者にお薦め。最近の若いモンの不思議が分かります。
ただ、目立ちたがる人が増えた、というのはどうだろう?
目立たず、同じ事が良しとされているから、同じものに同じように支配されているのではないだろうか?実際、リクルートスタイルの学生は皆同じに見えます。まるで同じ。
個性の有る無しの差が大きすぎるのかもしれない。以前は常識的範囲で目立とうとしていたところ、今の人はタガが外れた、というところだろうか。
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自己肯定感self-esteem
自己効力感self-efficacy
P51参考
self-efficacyが高い人は、自ら課題に取り組み、意欲や向上心が高い、自分の行動変化を恐れない人。
「感動探し」ってなるほど面白い!
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なんか手に取ってしまいました。
最近よく?出てくる変な人たちは、「これからの日本人のモデル」のようなものと。
つまりそれは、戦後の教育の結果が、こういう日本人を生み出してしい待ったということも言えるのではないかと。
わたしも経済成長どうのと言う言葉にはとても懐疑的です。だから、この本の言わんとしてること、よくわかる気がします。
でも、そう感じるからか、香山さんの主張、すごく弱い気がするというか、
もっとがつっ!って核心ついてもいいんじゃない?という若干の物足りなさをちょっと感じてしまいました。
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STAP細胞問題、PC遠隔操作事件など、現代の自分を前面に押し出す風潮に、元来謙虚で控えめな日本人の良さを失いつつあると警鐘する著作。「昔は良かった」と懐古趣味に走るのではない、今を見据えた作品だ。
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リケジョ 万能細胞 小保方春子 割烹着 自己愛性パーソナリティー障害 自己肯定感 自己効力感 佐村河内守 感動ビジネス 新垣隆 被爆二世 サイコパス=反社会性パーソナリティー障害 羊たちの沈黙ハンニバルレクター博士 片山祐輔被告=サイコパスに憧れた人=回避性パーソナリティー障害 パソコン遠隔操作 やはり肥大化した自己愛が真犯人 宗教の教祖を信頼するのと同じ心理構造 ヘイトスピーチデモに励む人 シュプレヒコール 新大久保ヘイトスピーチ LINEも使えない情報弱者
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世間を騒がせたどうかしてると思われた人たちの分析と、決して特異な存在なのではなく、日本人全体がおかしくなっているぞと警告している本。
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STAP細胞問題、偽ベートーベン、パソコン遠隔操作事件、ヘイトスピーチ、政治家、SNS、言論の危機というテーマに今の日本が抱える問題を分析、解説したもの。
STAP細胞問題は、とあるリケジョの言動から疑問点を上手く抽出して解説して面白いなと思ったが、そこから一気に中だるみ。
起ったことを解説してるだけに近かった。
後半のSNSの危険性とそこと言論の危機に関する所は中々考えさせられる内容だった。
しかし、この本を読んだ方が多い人間はこの本を手に取らないだろうなと自己完結した(笑)
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2015.5.19読了。
前半は、話題になった人たちを「精神科医の視点から」分析してあり、なるほどとは思ったものの…何だか、ちょっと事件を起こす人はみんな精神疾患があるという風に捉えられかねず、読んでいて違和感を感じた。
むしろ政治家の失言の話以降の、具体的な人物を特定しない章の方がすんなり読めた。
香山先生の他の著作は、わりと「こんな見方もあったのか!」と思わせてくれるものが多かったのでこれも期待して読んだのだが、個人の分析が多すぎてちょっとガッカリだった。
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視点から異様現象を心理学分析している。STAP細胞、現代のベートベンなど一躍注目された。常に自分中心に回っている、自分好きであるっというこれからの未来を色濃く感じた一冊である。