紙の本
イタリア中世の最高文学である『神曲』(天国篇)です!
2020/03/03 12:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イタリアの偉大な詩人であるダンテが14世紀に著した文学的価値の高い叙事詩集の『神曲』の一冊です。講談社学術文庫では、この『神曲』を3分冊で提供されており、「煉獄篇」、「地獄篇」、「天国篇」から構成されています。同書は、その「天国篇」で、神の力が横溢する十天からなる天国で、聖ベルナールの案内によりダンテが神と出会い、神との合一を果たし、三位一体の神秘を直観する場面が描かれます。読み易い新訳ですので、他の2篇と合わせて読んでいただき、中世イタリアの最高傑作を堪能していただきたいと思います。
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長かった物語も、いよいよクライマックスに突入……なのだが、それに伴って難易度もどんどん上がり、なかなか理解することが難しかった。思うに、宗教性がより強くなることが原因ではないか。聖人の名前を出されても、その事績や人となりはすぐには思い浮かべにくい。そのため、大前提として、『聖書』ぐらいは読んでおいたほうがよいのかもしれない。しかも、当然ラスト・シーンはイエス・キリストと対面するのかと思いきや、まさかの聖母マリア。その宗教的な意味はいろいろとあるのだろうが、理解が不十分であることもあり、ココでは多くを語らない。ただ、『地獄篇』が冒険譚としても楽しく読めたことに比べると、この『天国篇』は徹頭徹尾いかにもキリスト教という感じがして、あまりおもしろくはない(苦笑)。もちろん、こういった世界文学を、たんにエンターテインメント的な読みかたをすることは間違いであろうが……。ただ、「ダンテ学」という学問があるぐらいなので、要は学者が一生かかって追究するような書物であるから、一朝一夕に理解できないのもムリはないであろう。ほんとうに身になったかどうかはべつとして、こういった世界的な傑作を読み通せたことはよかったと思うし、また、とくに『地獄篇』にかんしては、想像していたほど退屈でまたメチャクチャ難しいというわけではなかった。機会があれば、いずれまた挑戦してみたい。
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http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/DNT.html
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