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韓国船セウォル号の沈没事故で、多くの命が奪われた。
異常な違法改造、恒常的な過積載、そして、シーマンシップに欠ける船員の行動、救助活動のお粗末さ、拙く見当違いに思える政府、大統領の対応など、事故の概要はニュース等の情報から伝わってはきていた。
しかし、なぜ、そんなことが起きたのか?という原因。敢えて言えば、なぜ、そのような酷い人為的エラーを重ね続けられたのかという疑問を持っていた。
筆者が時事通信記者、ソウル特派員等を務めた経験等を踏まえた韓国の状況、韓国人の考え方等についての研究をベースに事故を分析する。
事実と分析を淡々と、簡潔に、事故が発生するに至った経緯、対応について総合的に書かれている。
率直に言って、事故は起こるべくして起こったのだと思えるし、事項対応の拙さも、なるべくしてなったのだと思えた。
本書は、嫌韓本では無いと思う。
これと同じ手法で、福島第一原発の事故について分析した本をぜひ読みたいと思った。
おそらく、そこには起こるべくして起こった事故に至る経緯、そして(現場対応を除く)対応の拙さ、さらに情報の意図的な捻じ曲げ、隠蔽。さらに、誤魔化し続けている現在の危険等が赤裸々に描かれることになるだろう。