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人生のある時期にスポーツに(自分なりの)力を注いだヒトであれば誰もが経験したことのある「分かれ道」。
一生懸命に必死でがんばっているのに、結果が出ない。何が悪い?なぜ結果に結びつかない?
このまま進むか、やり方を変えるか、立ち止まるか、戻るか、もしくは、やめるか…
そんな「分かれ道」に立った男たち。
過酷で熾烈でまるで修行のような勝負の世界で、闘い続ける彼らの、鮮やかなターンオーバーに胸が熱くなった。
個人的にはやはりなじみのある二つの野球の物語の中の、渋井のクールなのに熱い友情と、黒澤のニヒルなしたたかさが好きだ。
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スポーツ選手を主人公とした短篇集。
ドキュメンタリー的な臨場感があるが、そのスポーツを知らないとちょっとツライ部分もある。
説明をある程度必要とするのだが、ピンとこなかったりする。文章で伝えることの限界を感じてしまった。
『連投』
テーマは高校野球。
この夏も話題になった、タイムリーなネタ。
夏の甲子園神奈川県予選を勝ち進むピッチャーを取材している新聞記者は、連投により選手生命が絶たれることを危惧している。
故障をおして登板を続けていたピッチャーがなぜ決勝の先発を回避したのか、というのが物語のキーで、予想外の回答が用意されている。
『インターセプト』
次はアメフト。
ひとつの試合、なぜパスが通らないかという謎だけで話が成立する内容の濃さ。
ただしアメフトについてほとんどわからないので、画が浮かばずふうんという感じで終わってしまった。
『失投』
陸上・やり投げ。
選手権に臨む主人公は国内のトップ選手。
後輩に追われる心理と、かつて自分も誰かを追い越してきたことを振り返る。
競技の話は出るが人間模様が物語の中心。
『ペースダウン』
次も陸上、長距離。
実業団入団を控えた大学四年生の主人公が初のフルマラソンに臨む。
これまで爽やかな読後感だったが、この物語はだんだん暗雲立ち込める。
『クラッシャー』
ラグビー。
大学4年生、これまで3年連続シーズン最初の試合で大怪我を負い、時間をフイにしてきた主人公が、また怪我をするのではないかという恐れを抱えながら試合に臨む。
とりあえず痛い。
『右と左』
最後は野球に戻り、プロ野球。
横浜の球団は明日がリーグ最終戦。
現在最下位だが混戦により勝てば4位に滑りこむ状況で、監督は翌日の先発投手を決めかねていた(予告先発じゃないのかと思うけどそれを言うと話が続かないので設定を受け入れる)。
共に15勝をあげる高卒2年目の右腕大洞と、10年目のベテラン左腕黒澤。
大洞は新人王を狙い登板を熱望しているが、黒澤はコンディションの悪さから回避したいと思っている。
対照的な2人の心の動きを中心に物語を進めながら、監督はどちらを選ぶのか、という謎がただの心理小説にせず物語を締めている。
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#読了。高校野球、アメフト、やり投げ、マラソン、ラグビー、プロ野球の6編に別れたスポーツ小説。スポーツ好きな方にはお勧め。
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短編だけに深みを持たせようとして、専門用語を使ってはいるものの中途半端。
専門用語を使っていながら事細かく説明していたり、その言葉に作者自ららがとらわれ過ぎていてしまっていたり。
それより何より、スポーツネタの割には爽快感やスピード感が全く無いのはどうしたものか。
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堂場さんは警察もののシリーズが好きなんだけど、スポーツものもなかなかいいんですよね。昨年は野球と陸上の長編でしたが、今回は各種スポーツを扱った短編集。この作品は高校野球やアメフト、ラグビー、やり投げ、マラソン、プロ野球のプレーや采配などを取り上げたもので、臨場感があってなかなかいいです。
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様々なスポーツを扱った短編集で面白かったです。
ただ、アメフトは個人的に観戦歴20年以上ある為か、他の短編よりも落ちる印象でしたね。
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スポーツの中で様々な場面での判断。試合中の駆け引きはもちろんだけど、やるか止めるか・ケガの見極めや復帰時期・誰を使うかなどの、判断を迫られるキリキリとした雰囲気には私まで変なプレッシャーを感じてしまいました。
選手にとってはいろんな重圧の中、それなりの成績を残すのは並大抵なことではないだろうし、それに耐えたり自分をコントロールしたりとアスリートって本当に大変。私ももっとスポーツに詳しくなり、試合の結果だけでなく、チーム事情や選手の背景や駆け引きをもひっくるめて観戦できるようになれば、もっと楽しめるんだろうなぁ。
色んなタイプの選手がいて、みんな個性的だけど、本人の才能や努力が大部分の中、それを支えてくれた人たちがいることを素直に感謝している選手をみると、謙虚だなぁとつい応援したくなる。
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もう駄目だと思っても局面がふと変わり、よーし!と思うことがある。
スポーツにおいても人生においても。
諦めなければ負けではない、終わるまで終わらない、そんな事を思うスポーツ選手の話の幾つか。
スポーツ選手のちょっとした内面を覗いた感じがして、選手も一人の人間と身近に感じる。
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色んな競技の短編集。まぁどれも普通な感じ。 2015.6.4
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様々なスポーツ競技を題材にした短編集。著者が色々なジャンルのスポーツ競技に通暁しているのは、これまでも野球以外に陸上やラグビーを取り上げた長編小説を読んでいた。読後感として、物足りなさを感じたのは、短編だからか、着地からの逆算で物語を書いているような気がしたからだろうか。うまいっちゃあ、うまいんでしょうけど、手練れな感じが。
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堂場瞬一の短編集。スポーツものを読みたくて読んだけどなかなか面白かった。いろんなスポーツのアスリートの心理描写がリアルに描かれていて、すごく理解しやすかった。特にマラソンの話は、自分が初マラソンに挑んだ時の失敗と重なってシンパシーを感じた。どうしても最初に飛ばしてしまうんだよなぁ。
今度は長編を読んでみたいと思う。
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◆連投:プロ注目の進学校のエースは、最後の夏に友達の捕手と甲子園に行くため連投するが肩を故障。捕手が怪我をした事により大学でプレーするように決勝を欠場する。
◆インターセプト:アメフトの新人俊足レシーバーはくせを見抜かれインターセプトされてしまう。それを見抜き逆に仕掛ける。
◆失投:やり投げの世代交代。世界陸上標準記録突破で投げるのをやめる王者。しかしその大会で最後までの勝負を希望する新鋭。王者は新鋭に応え、勝負を続行する。
◆ペースダウン:箱根駅伝ヒーローが初マラソン。調子に乗ってトップも後半失速。天国から地獄の状況が描かれる。
◆クラッシャー:ラグビーの話。読み飛ばし。
◆右と左:プロ野球、4位をかけた最終戦。2年目エースかベテランエース起用か、単独最多勝がかかり監督も迷う。が相手チームと相性抜群の抑え投手が先発。
短編であり、盛り上がりや深みが今ひとつ。