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深水黎一郎さんの新刊は、本格ミステリーのお約束をぶった斬るというコンセプトの連作短編集である。同様のコンセプトの作品として、東野圭吾さんの『名探偵の掟』が即座に思い浮かぶ。両作品とも、根底には本格ミステリーへの深い愛がある。
ただし、愛の形は違うだろうか。『名探偵の掟』は単純に笑える作品だった。近年流行りのライトなミステリーの読者にも、受け入れられるだろう。一方の本作。「初心者からマニアまで大癋見(おおべしみ)警部が満足させます!」と帯にはあるが、現実的にはかなりの上級者向けではないだろうか。どうしてわざわざ「癋」などという機種依存文字を…。
序盤は単純に笑える作品もある。「国連施設での殺人」。初っ端からそんなベタなギャグを…。「耶蘇聖誕節(クリスマス)の夜の殺人」。アカデミックネタ炸裂!! だが、多くの日本人には見抜けないだろこれ…。「現場の見取り図」。またそんなベタな手かいっ!!!
「逃走経路の謎」。真相に迫りそうで迫れないもどかしさ。本当に意味ねえっ!!!! 「名もなき登場人物たち」。出し惜しみしといて何だそりゃあっ!!!!! 「図像学と変形ダイイング・メッセージ」。このネタは突っ込むのが楽しみだが…アカデミックすぎて突っ込めねえっ!!!!!!
「テトロドトキシン連続毒殺事件」。現実に起きたらどうやって捜査するのか。いや、起きないでほしいけど…。掌編「監察の神様かく語りき」。前代未聞の死因とは…。「この中の一人が」。ありがちなシチュエーションだが、ひねっているのはそっちかいっ!!!!!!! 「宇宙航空研究開発機構(JAXA)での殺人」はJAXAの皆様の感想を聞きたい。
「薔薇は語る」。色々ルール違反とだけ書いておきましょう。痛たたたたた…。最後に「青森キリストの墓殺人事件」。そういう場所があるのは何となく聞いたことがあったが…。大団円と呼ぶにはあまりにもポカンとしてしまったよ…。
読み進むほど内容はマニアックになっていき、無理矢理感が増していく。初心者は振り切られるだろう。最後に至ってはラーメンのトッピング全部乗せみたいな有様で、整合も何もあったものではない。こういう路線、僕は好きだが、修行不足を痛感させられたのだった。薀蓄ミステリーの雄には、まだまだ知らない顔がありそうだ。
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本格ミステリーを茶化しながらでも、本格の意外性を出すのはさすがです。
逃走経路の謎の意味のない叙述トリックとか現場の見取り図とかクスッとさせますね。
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深水さん一気読みしたのは大分前なので忘れてる。こんなキャラいたのか!
ミステリの勉強になった。バカミスってこうゆうのゆうのかしら。
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ミステリーのお約束を茶化した短編集。ちゃんと書けばバカミスとして使えそうなネタを惜しげもなくつぎ込んでいます。
似た作品で、過去に東野圭吾氏の『名探偵の掟』を読んだことがありますが、当時はミステリーを読み始めたばかりだったので全く楽しめませんでした。
しかし、今はそれなりに経験値があるので楽しめました。【監察の神様かく語りき】は笑撃的でしたし、所々に出てくる著者の本音も大いに頷けました。
ミステリー初心者には難しいかもしれませんが、ミステリーを読み慣れている人ほどハマると思います。
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ショートショートとしては楽しめる一冊。
この手の小説は読み方を間違えると面白みに欠ける嫌いが有るが、短劇に始まり連作短編集の醍醐味が味わえる美味しい読み物なのだが、一作毎に味わいが増していくタイプとしては作家は本領を遺憾なく発揮して喜ばせてくれる。
文字通り博覧強記の蘊蓄に加えキャラクター使いがすごく良い!
初めからユーモア仕立てでグイグイ読ませてくれるエンターテイメントなのだ!
作家も絶好調なのだろう。
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ノックスの十戒から後期クイーン問題、見立て、多重解決など本格ミステリのガジェットを茶化した短編集。
最初の2〜3編はギャグすぎてちょっとついていけないと思ったが、読み進むうちに慣れたのか面白くなった。蘊蓄も楽しい。
でも感心する話あり大笑いする話あり脱力する話ありで玉石混合な感じ。ミステリファンでなければ楽しめないかも。
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いやー、ミステリーのお約束を茶化しまくってて面白かった!
最初あまり好きじゃなかった警部をどんどん好きになるのが不思議。
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【収録作品】国連施設での殺人/耶蘇聖誕節の夜の殺人/現場の見取り図/逃走経路の謎/名もなき登場人物たち/図像学と変形ダイイング・メッセージ/テトロドトキシン連続毒殺事件/この中の一人が/宇宙航空研究開発機構(JAXA)での殺人/薔薇は語る/青森キリストの墓殺人事件
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どこに出しても恥ずかしくない、完全なバカミス。
いろんなミステリの手法とか定番の謎をもってきてメタ全開でのストーリ。東野圭吾の「名探偵」シリーズをさらに馬鹿馬鹿しくした感じ。
もはや内容にツッコミをいれるのも野暮というこの一冊。おもしろいとかつまらないとかじゃなく、あるがままを受け入れるのみじゃないかな、と。
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いつもは脇役である警部が主役になって(?)…ミステリーのお約束に対する短編集。これはこれで楽しかった。が、ラストの結末多過ぎ!
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バカミス。連作短編集。
バカミスではあるが、形式としては本格ミステリの雰囲気も感じられる。形式だけね…。
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ここまでバカミスを徹底していると気楽に読める。
「クリスマスの夜の殺人」とか、ネタ的に面白いけどね。
「現場の見取り図」・・・空室かあ。