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かつて日本には多妻制度があり、自由恋愛禁止の時代があった――。本書は、時代をさかのぼり、自然でゆるやかにつながっていたかつての男女の関係を紹介し、江戸・明治時代を経て一夫一婦制につながる流れを追う。とくに王朝時代は、書字や和歌をはじめとした互いの表現力を高めた様子や、二人をとりまく家族形態もうまく機能していた様子を具体的にわかりやすく語る。
[ここがポイント]
男女関係、夫婦関係の歴史をわかりやすく紹介
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帯文:”男女がゆるやかな絆でむすばれていた時代から一夫一婦制につながる流れを追う”
目次:はじめに、第1章 神と人とに交わる女ー記紀の時代、第2章 多妻制度を生きる女たちー平安時代、第3章 自由恋愛から姦通厳罰化の時代へー鎌倉・室町時代、第4章 恋愛禁制化の大奥と吉原ー江戸時代、第5章 産業革命と生活の変革ー明治時代、後記としてー過去を振り返り未来を展望すれば、引用・参考文献、索引
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古代から現代まで、女性の立場における恋愛(性)、結婚、立場の変遷。明治時代が決定的に女性の立場を貶めてしまったようなのですが、果たして「本来の日本人」はどの時代のことだろう。よもやこの、男性天国の明治のことか?とか思ったり。
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読みやすいけど知識や理解が古いし資料価値もない。小谷野先生の本ぐらい読めばいいのに。
しかしこれくらいが20世紀後半の日本のフェミニスト系統の共通理解みたいな感じだったわけだ。
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かなり自由だった男女の関係が、西洋の一夫一婦制や、処女性重視の影響で変化してきたのがわかった。
「妻問い」という、男が夜だけ女の家に通うのが普通で、それぞれパートナーを替えながら、やがて固定していったとか。それに、別れたり、また相手を替えたり、自由。
それが、「よばい」の始まり。
「よばい」は古語であり「呼ばう」という動詞の名詞化で、男が女を求める動作を表し、求婚の意味。男が強引に行うわけではなく、女も断ったり、現代人が考える「夜這い」とは違い、正式な婚姻手続きだったらしい。
ある地域では、昭和初期まで残っていたとか。
同じように、女性像も変化した。
平安時代であれば、婿入りが普通で、男性も女性の財産を頼りにしたとか。機織りをしてくれる女性がいなければ着る物もなかったなど男性と対等だった。
それが産業が発展し、男が稼いだ金を使うだけの存在という風潮に。
ただ、現在、共働きが増え女性も対等になってきている。
また、江戸時代頃から、親が決めた相手と結婚するというのが庶民にまで広がり、日本人は恋愛下手になってしまったと。
感想として、
女性の経済力もアップし、マッチングアプリなんかも普通になってきて、平安時代のような自由な関係が復活したりして。
結婚もまた、変化するかもしれない。
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「性愛史」である。誰だ、エッチな事を想像したのは。
それは他ならぬ僕であるのだけど、見事に外れた。艶めいた話が満載だと思って手にとったのだけど、破廉恥な話で人目を引くものではなくて、もっとハードなものだった。
かつての日本の女性は貞操観念が強く、純潔を守る、ようなイメージがあった。かつて、っていつごろだろう。古典文学に登場する女性達の貞操観は、いまの僕等とも違うし、「かつて」とも違う。源氏物語を現代語訳した谷崎潤一郎が、源氏の君に不快感をあらわしたというが、それは昭和と平安の恋愛観の違いにほかならない。
そうした文献を紐解いて、日本女性の恋愛観を解いていく本である。女の変遷には当然男の変遷もある。男の身から見て、果たしていつ頃が幸せだったのだろうか。また逆に不幸せだったのだろうか。
端的な見方だけれど、やっぱり近代、明治から昭和にかけては、女性はもちろん、男性にとってもあまり楽しそうな時代に見えない。太平のようなイメージが植え付けられている江戸時代も、その足固めをしてきた時代である。古事記の時代まで遡れば、ずいぶんと奔放な性が描かれている。それこまでいくのはオーバーだとしても、歌を詠み、恋愛感情を拗らせている用に見えて、実はもうさっさと「コト」は済ませてあっただろう、という時代が、やっぱり素敵かなあ。
また一つ、近代に絶望してしまった。