紙の本
人世の無常を格調高い和漢混淆文で綴った鴨長明の随筆の傑作です!
2021/01/09 15:15
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『無名抄』や『発心集』という著作を残した鴨長明による名作『方丈記』の現代語訳版です。同書は、社会の価値観が大きく変わる時代、一丈四方の草庵に遁世して人世の無常を格調高い和漢混淆文で綴った随筆の傑作であり、それを読者に分かりやすく、精密な注、自然な現代語訳、解説、豊富な参考資料・総索引をつけて編集された決定版です。現代語訳は、『方丈記全注釈』、『鴨長明全集』、『阿仏尼全集』などで知られる簗瀬一雄氏が行われています。ぜひ、一度、読んでみてください。
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頷ける内容ばかりで感心させられてしまった。
あと地震についての記録も見受けられてタイムリーだった。
やっぱ日本は地震大国なのね。
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地震や大風に人々がどのように向き合っていたか。
「友達は…」「住居は…」と論じる姿勢に、どうしても鴨長明がどんな人だったのかを詮索したくなってしまう。
補注や年譜などの資料が充実している。
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方丈記について調べてみようと思い立ち、いくつかの解説書をパラパラとした結果にレジでお会計をしていたのがこの本でした。
章立て構成がよいのか、とても読みやすそうな感じがして手にしたわけですが、実際に読みやすかった。
この本を読んでいると何故か心が軽くなる気がします。
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震災前は国語の授業で冒頭を暗唱する作品として知られ、震災後は千年前の震災の記録として注目された。が、全文通して読んだことがなかったので読んでみた。本文は読みやすく、現代語訳がなくても、欄外の注を参考にすれば十分読める。現代語よりリズムがよくて、かえって読みやすい。全文通して読んでみた感想は、その完成度の高さ。ラストにむけてきちんと内容が構成されている。孤独な男が、静かに美しく自分の人生をフェードアウトさせるべく書いた、という感じ。美しいが、なんとも寂しくてやりきれない。
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方丈記は以前読んだことがあるのだが、新たに角川ソフィア文庫版で再読した。
地震、台風(竜巻?)、火事、飢饉などの災害の記録として貴重なものだろう。そして平家物語冒頭と同様の無常観が著者のパースペクティヴを支配している。
この無常観はもちろん、仏教由来のものであり、鴨長明は出家して「隠遁」したのであるから、その地点に立っているのは極めて自然だ。
しかし現在の我々は「隠遁」する場所を失ってしまった。
隠遁がゆるされない無常の世界をいま生きている。この本を読みながらそんなことを実感した。
なお、この本は注釈が優れていて、現代語訳をいちいち参照しなくても読み進めることができた。
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方丈記の全文および現代語訳が読んでみたくて、手に取ってみました。意外と短くて、そして鮮烈。長明のように生きれるとは思わないものの、「なるほど」と思うことも多々ありました。
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裏表紙の解説より。
「ゆく川の絶えずして、しかも、もとの水にあらず」の一文から始まるこの作品は、枕草子、徒然草とともに日本三大随筆に数えられる、中世隠者文学の代表作。人の命もそれを支える住居も無常だという諦観に続き、次々と起こる、大火・辻風・飢饉・地震などの天変地異による惨状を描写。一丈四方の草庵での閑雅な生活を自讃したのち、それも妄執であると自問して終わる、格調高い和漢混交文による随筆。参考資料として異本や関係文献を翻刻。
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鴨長明が源平合戦の頃に著した作品で、『徒然草』、『枕草子』と並ぶ、日本中世文学の代表的な随筆のひとつ。
作者の鴨長明は、古来の名族で上賀茂・下鴨神社の氏神を祖とする鴨一族に生まれ、7歳で従五位下の位階を授けられたが、18歳の頃に父が病死した後、一族の権力争いに敗れ、挫折感を噛みしめる20代を送った。そして、同じ時期に、本作品にも記される、安元の大火、治承の辻風、福原遷都、養和の飢饉、元暦の大地震という天災・人災に遭遇し、こうした体験がベースとなって、晩年に、「無常」をテーマとする本作品を書き綴ることになったのだという。
日本人は、「永遠なるもの」に美を感じ取る西洋人と異なり、「移ろいゆくもの」にこそ価値・美を感じる、即ち、「無常観」は日本人の価値観・生き方の最大の特徴とも言えるが、本作品の「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのごとし。」という第一章は、古今の作品の中でも、それを表す最も美しい文章のひとつではなかろうか。
本書には脚注、解説、年表等も付いており、時代背景などの理解に役立つ。
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「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」
というのは、誰も読んだことのある方丈記の書き出し。
これだけ、読んで、分かった気になったのだけど、先日、「徒然草」を読んだ流れで、ついでにこちらも読んでみた。(すみません。ついでで)
これまで、どんな本だと思っていたかと言うと、「世の中は無常だね、世間に住んでいても空しいよね。山に引っ越して住んでみると、自然とか、季節の変るのはいいもんだね。ときどき、昔のことを思い出したり、好きな本を読み返したり。貧しい暮らしだけど、心はそれなりに満たされているね。まあ、こういうのも一つの執着なんだけどね」みたいなことが書いてあるのだろうと思っていた。
が、読んでみると、まさに「世の中無常」がどういうことか、ということを自分の体験した災害などを詳しく書いている。本当に、「世の中にある人とすみか」についての本です。
人やすみかが、いかにはかなく、移り変わって行くか、大火事や地震で、家(すみか)は焼け、こわれ、財宝は消滅し、人が亡くなり、子どもが亡くなり、親は泣き、愛する人のために食べ物を譲った人が先に死に、もやすものがなくなれば、仏像を壊してもやし、こうした悲惨さもときがたつと忘れ、また、同じような営みを繰り返す、というをこれでもか、と。。。
「無常感」といっても、「世の中つらいことばかり」というだけでなく、「常なるものはない、それが自然の流れ」とたんたんと受け止めたり、さらには「常ならぬことこそ美しい」と意味を見出したり、みたいなのがあると思うのだけど、方丈記での無常観は「世の中つらいことばかり」に近いかな?
いわゆる「末法思想」的な厭世観がつよいですね。貴族の時代から武士の時代に大きくかわり、秩序が崩れ、天災も頻発するなかで、人生の条件は厳しいものだったんだな〜、と。
そういうなか、都の生活を儚み、山に小さな持ち運び可能な小屋を立てるわけなのが、その理由がちょっと面白い。都に定住すると、火事の延焼とかあって、災害時には食料も足らなくなるので、山で、小さな可動式の家にすむほうが安全だ、といういう主旨のことが書いてあったりする。
いわゆる、災害に対する都市の脆弱性ということですね。
なんとなく、アメリカの哲学者エリック・ホッファーが、大恐慌時に、ちゃんとした仕事に従事して定住するのは危険で、季節労働者、肉体労働者として、いろいろな土地を動きながら、港湾労働やったり、農場で働くほうが、安定しているのだ、といったこと書いていたのを思い出した。
常識的には、?も多い見解だけど、なるほどの面もたくさんある。
震災後の今読むのに、相応しい本なのかもしれない。
ここから、なにを読み取るかはいろいろあると思う。
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京都では火事や地震で大きな被害にあい、庶民は飢餓などで苦しんで多数の人々が亡くなっていたという事を知り、新しい時代が始まる前はまさに末世のような状況が起こっていたという事を知った。
そんな状況だからこそ新しい世の中に期待したいという思いが鎌倉幕府を起こるようにしたのか?
800年以上も前の事でも目に浮かぶような内容だった。
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最初は古文から始まる為、こんなの読めないよ(*_*)と気落ちしそうになるが、分からないなりにも読み進めてみる。
この辺は、目が文を追っているだけ。あまり情景も浮かばず、こんな雰囲気かなぁ?と思ってもその上から自分で×とつけたくなるようなイメージ。
それが現代誤訳に入ると、一度古文で読んだ部分の現代誤訳だから、どんどん想像が出来る。
頭の中に情景が浮かんでくる。
そして、この人の生き方に私も賛同してしまった。
会社の方に貸して頂いた時は、こんなの読めるかしら?と思ったが、なかなか良い作品だった(*^^*)鴨長明の生き方、天晴れ!
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声に出して音読すると、この時代に吸い込まれていきます。
始めの部分は、誰でも一度は読んでいると思いますが、名作の古典の中でも短いので、古語でも苦にならないですよ。
古語でも読んだ方が味わいがあるでしょう。
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還暦を過ぎて小さな庵にこもった鴨長明の一人語り。注釈を参照すれは現代語訳に頼らずともほぼ語りは理解出来る。有名な「ゆくかわのながれはたへずして...」をはじめとして、大変綺麗な言い回しが散りばめられている。しかし内容は鬱々としたもの。人間関係の難しさ、命の儚さ、地震、津波、台風、飢饉、疫病の凄まじさ、苦しみ。いつの世も変わらぬことを確認し自分を慰めたいとき、心に染みる名著だ。
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急に、「ゆく河」な気分になっただけで購入
方丈記に系統が複数あるなんて初めて知りましたが、現代語訳で読まないとサッパリ…(><;)
古典を研究されている方も大変ですね(文系にも難しい世界があるんですね)
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途中でギブアップしたのかも