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ひさびさの大ヒットだった
物理が好きな人じゃないと、後半しんどいかもしれません
話は、連続失踪事件の謎解きから、どんどん広がります
物理定数に変化がおきてもわたしは気付けないな…
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ホラーと書いてあるので、超常現象系をイメージして読み始めたところ、意外にも本格的なサイエンスフィクションで、面白い展開でした。謎の連続失踪から始まり、星か消え、さらには数学や物理学の定理までは崩れ始め、宇宙中が危機となるというお話しですが、開始当初の何も分からない状態でもゾクっとして、物語が進み理解が深まったらまたゾクっとしてと、色々な段階で異なるゾクっとか味わえる文章構成は秀逸でした。数字や物理に疎くても、その基本を無理なくしっかり理解できるように解説してあるのも良かったです。
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理系嫌いの人に薦めたい、理系情報満載の本。
ある日、世界最先端のスパコンの中で、3.15・・・でおなじみのπ(パイ)の数値が、五千億桁をすぎたあたりから消え始める。ハワイの天文台では星の消失が確認される。そして、アメリカの砂漠で、日本の片田舎で、忽然と人が失踪する・・・・
人々の消失が持つ意味とは。世界には何がおきているのか。感覚で理解できる領域を超えた、宇宙規模の恐怖が思い知らせること、それは「世界は私たちが思っているほど、堅牢にはできていない」ということだった・・・
『リング』で有名な鈴木光司氏による、SFホラー・・・というジャンルらしいけれど、個人的には「理系男のロマンチックさを感じた」というプッシュの仕方をしたい。俗な感じで失礼します。
初めてこの人の『楽園』を読んだとき、「なんてロマンチストなんだ・・・」と感激した覚えがあります。時空を超えても君を~・・・というのはもはや少女漫画の鉄板領域じゃないか、それをここまで爽やかに力強く書かれるとすがすがしいもんなんだなぁ・・・と。以来この人の作品の中ではホラーからちょっと距離をとったものの方がすきなんですが、本作にも同様の印象を受けました(ただ恋愛小説ではないです、全く)。
それでいて、「自分の周りで起こっていること」を理解(感知?)した瞬間のずしんと来る怖さも孕んでいる。面白いバランス。「リング」とかとはスケールも種類も違ったホラーなので、夜トイレにいけなくなる系のホラーを期待していると物足りなく感じると思うけれど・・・描写の凄惨さや残酷さを売りにしない、読み手の想像力を爪弾く仕掛けを得意とする作家さんなので、ぞくっと感はちゃんと埋め込まれてます。「世界って得たいが知れない」という怖さ。
ただ、扱ってるテーマが派手なのに地味に感じられるのは・・・結局テンポ的に「盛り上がり」の演出に欠けるからか?好みは別れそう。
そしてオチについても賛否両論ぽいですが、私は至極「鈴木さんぽい」と感じて概ね「賛」。デビルマン登場にはわろたけど。
数字が乱れたり、数字上の定理が崩れることは、物理法則の崩壊の前触れである-
パイの小数点以下に突如ゼロが連続して出てきたところで、星が急に消えたところで、私はすぐには恐怖を感じない。その事象が起こる仕組み、「異常」が起こる前の「私たちが正常として受け入れてるもの」が起こる仕組みを、ちゃんと理解してないから。
ただ、そんな中高と物理の時間が苦痛で仕方なく、理系分野には必要以上に触れないようにしてきた私は、大人になってこういう本を読むにつれ、天体や数字、地学・・・と、「理系」として遠ざけてきた領域に対してロマンを感じるようになってきました。
哲学や社会学にも通じる、なぜ世界はここにこの状態であるのか、より良い世界はどういう構造で作られるのか、という疑問への探究心。とても力強く、からっとしたロマンチックさ。そのドライさが危うく、また魅力的。
本作で扱われてる情報の組まれ方の正誤については、私には分かりません。が、分かりたいとは思う。物理の本、入手しちゃったぐらい。
あとがきにも書かれているように、普遍性のあるおはなしなので、翻訳されて広く世界に読まれて欲しい。
絶望的恐怖に襲われながらも力強く未来を希望する人間の姿を、どの作品にも感じる作家さんです。
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久々の大作が、こんなだったとは(´;ω;`) ジャンルはSFなのかもだが、宇宙の歯車がひとつ狂うことによって引き起こされる物理学の崩壊。ひいては宇宙の崩壊ですか。あってもおかしくはないとは思いますが、、、ラストシーンは全く余計でしたね。
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どういう風に終了するかと思ったが、
そういう終わりなのかーーとちっと期待しすぎた感があった。
しかし、この人は博学で面白い本をかくなと思った。
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えー・・・からくりはまぁ納得できたとしても、ラスト100ページは、展開があまりにも荒すぎやしませんかね。
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人が消失する事件を追っていくうち、ものすごい真実にたどり着く。SF小説。
数学的なアプローチから多次元宇宙を導き出す、という難解な物語だが、面白かった。
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(上下巻共通)
出だしの雰囲気はよかったのに、途中がものすごい残念。
大事件やらパニックやらが下巻までほとんどでてこないっていうね。
これなら、上下巻にせずに 1 冊くらいの分量でもよかったんじゃないかと思うんだけれど。
そもそも、コンピュータのくだりがダメダメすぎる気持ち。
プログラマなら、まずはウィルスを疑うだろうし、そもそも計算結果が違うのが物理的に違うとは言えないだろうって思うのがすじではなかろうか。(^^;
その違和感だけで、物語に集中できなかったなぁ。
逆に詳しくない人なら気にせず愉しめたのかもしれないけどね。
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上下まとめて。ヨーロッパ旅行の往復の飛行機で読んだ。
設定はおもしろかった。
世界の変質を数学の定理が崩れたことで表しているのが、さすがに頭いいと思った。結構ぞくっときた。世界がきちんと消滅してしまうというのも大胆でよい。ハーブ園に集まった人たちの転送先がわかったところの描写は怖くて、さすがホラー作家という感じ。
文章表現の面では色々と残念なところあり。なんかあまり細かい語彙選択にこだわっていない気がするのと、論理の飛躍(または単に説明不足?)が見られる。例として挙げると、
・鳥居が自殺したシーン、主人公は飛び降りを目撃しているにも関わらず、その後部屋で遺体が見つかった時に主人公が驚いてる描写がない(後で「飛び降りは幻覚だったかも」とは言っているが、目撃したその場でそう思ったという描写はない)。
・主人公の父の手記の中で、光が生命発生に重要な要素ではないかという仮説を述べているが、その根拠がよくわからない。視覚の獲得との類似性を挙げているが、比喩的な説明にとどまっている。更に、あくまで仮説であるにも関わらず、「もしホットスポットに光が届いていなかったとしたら、ホットスポットが生命の起源であるという説は間違っていることになる」といったような表現をしており、自分の仮説が確定事項であるような書きぶりになっている。
・主人公の父の同行者について、「ハンカチを持ち歩いており、それを父に貸した」というのを根拠に女性であると断定している。作者の思想がマッチョ的であるという問題もあるし、それ以前に表現の厳密性の問題として、「女性である可能性が高い」等とすべきではないか。
あと、解説で、作者が女性を主人公としたことを評価していたが、このヒロイン像もかなりステレオタイプというか古い気がする。美人で聡明で、精神面は強靭だけど身体的にはあくまでか弱く、でも男に媚びない・・・みたいな。
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パラレルワールドがテーマになった。ホラー要素は入っているものの、SF色が強い。下巻での展開も、無理やり結末にもっていこうとしているように感じられ、物語に入りこむことはできなかった。
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何かの前触れのように人々が行方不明になる。磁場の乱れ数列の変化。この世界は簡単に崩れ去るほど脆いのではと本当に怖くなりました。何度も取り上げられる題材であるにも関わらず、よりリアルに描いた秀作だと思います
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力技にねじ伏せられた感。が、「この発想はなかった!」という点で高評価。
とはいえ、人が次々理解不能な状況で失踪するという『謎』を解いてはいるのだが、創作ではなく、どちらかといえば作者の知識を総動員した仮説を読まされているよう。
なのでフィクションとしては物足りなかった。
あと、人物に魅力的な人が一人もいなかったのも致命的。
女主人公が、いかにも「クールに見えて実は脱いだらスゴイんです、実は淫乱なんです」という男の夢満載感でさっぱりいいと思えず。残念。
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ホラーと称して良いのか、けれど、やはりホラーだという結論に至る小説。あり得ないようで、あり得ないと言い切れない。だからこそ、怖い。
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太陽の黒点だとかってより宇宙の相転移だったと、そしてグングン進んで人や物質が消える状態に。地球ってか銀河系が消滅する前に、失踪の原因だったワームホールに逃げ込んで別の宇宙へって。んでなんと精二がパパだったと、悪魔へと堕ちた。んで冴子はワームホールくぐったら帝王切開で生まれてくるとこに。精二が落ちて自殺するのに直撃され母は死んじゃうって。
ちょいまとめ方雑な気もするけど面白かった。
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人の失踪、πの計算値が変わるなど、世界の終わりの兆しが現れ徐々にその異変が大きくなっていく地球滅亡系小説。ジャーナリストの女性主人公とテレビプロデューサーが謎を追っていく話。
著者持ち味の世界観、ハラハラ感は楽しめたが、大きすぎたスケールの話で色々おっつかなくなってしまった感有り。
リンク、らせんの著者の作品と言うのに、なぜこんなに出版されたのかを知らなかったのかな?と思って、読んでみたが、「うんそうかも」感。