紙の本
抜群の私小説作家
2015/11/18 01:05
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
当方、今一番好きな作家である。私小説だから、と言ってしまえばそれまでだが、多少の脚色はあるにせっよ、ここまで自分をさらけ出す勇気は尋常ではない。小説を書くことは、素っ裸で銀座を歩くようなものというが、氏の作品はそれ以上と受け止めている。私小説とはいえ、ネタが尽きるまで書き続けて欲しいし、それほどの書き手だと感服している。
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出版されたら即時、欠かさず読む西村賢太さんの本。
今回はエッセイ集。
取り立ててなんとなしの日常を綴っているだけと言う
見方もできるだろうが、本当に面白い。
また読み返したいし、新作・次回作も
とにかく早期の出版を期待してしまうほど。
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エッセイ集は苦手なのに、この本はおもしろかった。「やまいだれの歌」読後の感動が続いているせいかもしれない。
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現代の無頼・西村賢太のエッセイ集。「したてに居丈高」を漢字変換、今回の本書出版に相成った。
各所の出版社から干されまくっているという西村賢太。天下の新潮ともひと悶着あったらしい。もう文春から出せよと思う。あそこなら石原愼太郎の息がかかっているから書きやすそうな気はする。一冊出ているが。一度干されても芥川賞で有名になったあとは手のひらを返されるらしく、干されたはずの「野生時代」なんかは今でも連載が続いているようだ。
本書の内容に移ろう。西村賢太の趣味嗜好、酒量、文学の好み、贔屓の野球チームなど内容は多岐に渡る。特に面白いと思ったのがお蕎麦の話。西村さんはそばのことを丁寧に「お蕎麦」と書く。子供時代はお金持ちの息子だったらしく、育ちが出ているのだ。西村さん、お蕎麦が大好きだけどそばアレルギーらしい。冷やしそばを食べていてもお湯のような汗が吹き出るというのだ。光景を想像して少し笑ってしまった。そしてコレクション癖。田中英光と藤沢清造のものは全て集めているという。一度見てみたい気がする。それかそれを元手に新版の選集なんかを編集するとか。
くだらないっちゃあくだらないですが、気楽に読めます。一度手に取ってみてください。
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無頼を地で行く西村氏の、軽妙だがおどろおどろしく、俗にまみれながら孤高っぽい、何とも言えない共感がある。
文体も面白い。
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それまで電車に乗り、向かいの席に若い女でも座っていようものなら必ずと言っていいくらい、これ幸いとばかり舐めるような目つきでもって視姦してやるのが常だったが、今は他の乗客の目を恐れ、どんなに酔っていようがそっぽを向くようにしている。風俗でも変態的プレイは一切慎み、マニアックなエロ本も新規での入手は断念。・・・・・西村氏の変わりようが興味深くおかしい。サイン会には大勢の人が押し寄せ女性ファンもちらほら見えるとのこと。小説書きたる者、作者の儚い虚名よりも、その作品名のみで人様の記憶の隅にありたい。時折垣間見える西村氏の崇高な本音も心に響いた。
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西村賢太のエッセイには偽悪と含羞が見え隠れする。FacebookやTwitterでどうでもいい超個人的体験や感想を垂れ流す輩とは対極だ。もはやデジタルを全否定出来ぬほど、私を含む現代の人間は便利なテクノロジーの奴隷だ。しかし、氏はノック式ボールペンでーノートに下書きし、推敲しながら小説を書く。停電になっても作家稼業に支障がないかと言えば、さにあらず。エアコンには過剰なまでに依存している。そこが可笑しい。
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エッセイ集。この人の小説を数冊読んでからのこれだったので、この人の性格は大体把握している。だからこそ毒の効いたボロクソコテンパンな内容を期待していたが、意外と遠慮ぎみな印象。後半になってややエンジンがかかってきた感じもするが、根が真面目で小心者故か、なにかどこかに遠慮をしているようにも感じた。それでもまあ毒は効いているけど。小説の延長線上にあるようなエッセイ。
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もうね、一私小説書きの日乗とかも読んでるし、西村賢太の著作はほぼ全部読んでるから純粋に内容だけだと重複甚だしいんだけど中毒してるから読まずにはいられない感じなんだよなぁ。今作も大いに笑わせていただきました。相変わらずの下衆っぷりがたまらないのです。
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著者が繰り返し述べているように、とんでもなく卑屈である。自虐というか自己憐憫が過ぎる。さすがに毎ページに渡り書かれると辟易してくる。ネットなんぞでタダで文章を書かないといいつつ、自分の文章をひたすらに卑下する。それを読者はどんな思いで読めばいいのだろうか…などと突っ込みたくもなる。もっと単純に、下品に書いてほしい。まあ、本など嫌なら読まなければいいだけだ。氏の小説は好きだが、この手のエッセイはもういいかな。
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苦役列車以来、西村氏の本を読んだ。刹那的でありながらユーモアあり、俗人であり、小市民であり、不器用であり、自分を客観的に見ている。
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西村賢太さんの作品、ブクログ登録は2冊目になります。
西村賢太さん、どのような方か、ウィキペディアで再確認しておきます。
西村 賢太(にしむら けんた、1967年(昭和42年)7月12日 - 2022年(令和4年)2月5日)は、日本の小説家。私小説の書き手として知られる。
今年の2月に、54歳という若さで亡くなられています。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
不快なマラソンランナーたち、最終学歴「中卒」に込められた思い、某テレビ番組の怒りの降板劇、友人との取っ組み合い――。地味で孤独で、しかしながらどこまでも激しい日々。頑固者、偏屈者を自認する当代きっての無頼作家が、軽快な語り口で世の不徳義を斬り、返す刀でみずからの恥部をえぐる痛快エッセイ集。異色の芥川賞作家の知られざる素顔が明らかに。
気になった箇所は、
p37
一月二十九日は藤澤淸造の祥月命日である
著者は、藤澤淸造氏を師匠とされているようです。
最も、藤澤淸造氏は1932年に亡くなっているので、西村賢太さんは、自分のことを「没後弟子」と言っています。
藤澤淸造氏、ウィキペディアには、次のように書かれています。
藤澤 清造(ふじさわ せいぞう、1889年(明治22年)10月28日 - 1932年(昭和7年)1月29日)は、日本の男性小説家、劇作家、演劇評論家。
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「アサヒ芸能」に連載のエッセイ。西村賢太「下手に居丈高」、2014.9発行。師匠は藤澤清造、無頼と放蕩、梅毒が脳に廻り、昭7.1.29芝公園のベンチで凍死、享年42。著者は、ニコチン、アルコール、小説、3つの依存症。タバコは1日百本。アルコールは、宝焼酎「純」の25度。中卒をひけらかす。高校中退と同列に扱ってもらいたくない。パソコンは全く使えない。携帯メールはできる。車の免許なし。蕎麦が好き。空のペットボトルを尿瓶に。悪友は、玉袋筋太郎。