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同盟国であったにも関わらず
ユダヤ難民を救った樋口氏の伝記のようなものでした。
この樋口氏はロシアやドイツに訪問、滞在して
広い視野を持っている人でした。
当時 海外で下宿を求めた時 殆どの日本人は
ユダヤ人家庭のお世話になったそうだ。
そういう事もあって 樋口氏は ユダヤ人も含めて
お互いに平等に扱う人々を尊重していた。
ロシアの国境(極寒地)で 足止めを余儀なくされていた ナチスから逃れてきたユダヤ人の人達を救う事についてドイツからは勿論 国内からも 非難の声があがることを予測したが 樋口氏は 天皇陛下ならば 人道主義の途をとるだろうと考えて 難民の為に動いた。
日露戦争の時に ユダヤ人に多くの資金援助をしてもらったという 恩義も忘れてはいなかった。
そして 会議にかけられた。
東条英機氏によって査問された。
が、最初に ドイツとの国交を親善を希望するけど 属国じゃない。
命の危機にさらされていたユダヤ人を見捨てるのは人道にそむく事になる。
日露戦争の時の恩返しをする時だった。
わが国には「八紘一宇(はっこういちう)」の精神がある。
という 事を 言ったら 東条氏は 筋が通っていることに納得して 樋口氏を 不問にして 東京の軍本部に 責められたそうです。
そして 樋口氏は 北方軍司令官になって 終戦を迎えるのですが、ここでは悲壮な戦いがありました。
海軍が命令して 兵を出したのに 援助しないので 樋口氏は 赴任後 海軍に文句を言った。
更には アッツを見捨てろという 上からの指示。
樋口氏が どれほど苦悶したことでしょう。
その事を 承諾する代わりに キスカの即時撤退を申請した。
しかし 苦戦中の日本軍には キスカの兵を助けるという事は とても大変だったが 奇跡的に助ける事ができた。
アメリカ軍は まさか撤収するとは思っていなかった すきがあったのです。
アッツの玉砕を聞いた天皇は アッツに
「アッツ島部隊は最後までよくやった。自分は嬉しく思う。」と打電させました。
勿論 玉砕したので誰もいないけど・・・
届かなくても打って欲しいと言う天皇のお気持ちでした。
そして終戦。
ロシアが占守島に攻めてきた。
樋口氏はまたも悩む、なぜなら終戦となり 一切の戦闘行為を停止との指示があったのだ。
一応やむを得ざる自衛は良いけど時間に限りがある。
その期限まで 応戦する事にして どうにか停戦になった。
ここで 日本軍が 応戦しなかったら
北海道はもしかしたら 占領されてしまっていたかもしれない。
こういう 歴史を私は学んだのだろうか?
忘れているのかなぁ?と 思いつつも
授業で習った 日本史は このあたりは
とっても早く過ぎてしまったような気がします。
この 樋口氏のように ユダヤ人を 義の心を貫いて 助けたという素晴らしい人がいたのに
私は全く知らなかったのが 残念ですが 今 この本に出合えて良かったです。