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SF中短編集。
SF慣れしていないので、今まで最初から読み出してはいつも途中で挫折していた1冊です。
最初はまったり(だるだる)中盤では全く古びない緊迫感、終盤戦では圧倒的な筆力にうちのめされました。
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「接続された女」が好きで、何度も読み返してしまう。
今の世の中だと、これって凄くありそうだよね。
例えば、有名人ブログのゴーストライターがトラックバックとかコメントでちやほやされて…とか。
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訳がちょっとあわなかったけど、差し引いても面白かったです。
きわどいシーンが無くても全編そこはかとなくエロティックな作風でした。
後書きの作者についてがもう一本の短編ってくらい面白かった
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男性文体のハードSF。
『たったひとつの冴えたやり方』の著者だと思って軽い気持ちで手に取ると難儀なメに合う。
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2008年、ハヤカワ文庫の100冊
「たった一つの冴えたやり方」は良かった
翻訳、SFと苦手な感じなんだけど、12編の短編集ということは一つ一つが短いはず
読みたいね
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大好きな作家で、だいたい読んでるけど
どれをレビューしよかなって思うと、最初に読んだ、これ。
おすすめ。
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短編集。異星生物のライフサイクルを一人称で書いた標題作「愛はさだめ、さだめは死(原題/Love is the plan the plan is death)」。これ本能という意味もある「PLAN」を「さだめ」と訳したのが見事。「たったひとつの冴えたやりかた」といい、ティプトリーは邦題で得しているかも)、むしろ現代でこそ描かれて然るべしなサイバーパンクの嚆矢「接続された女」などが有名だが、入院中に看護師さんたちの献身的な姿に感動と驚きを感じていた時に読んで、まさに個人的に納得してしまった「女性とは何か」を描いた「男たちの知らない女」が忘れられない。他の収録短編はちょっとわかりにくい感じのが多かったので全体として4点で。
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中学の時にこれを読んで、頭を思い切り殴られたような衝撃を受けたのを覚えている。特に、異星生物の一人称で描かれた表題作はショッキングだった。その後の読書の流れを変えたかもしれない。
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「接続された女」が好み。サイバーパンクの先駆け。
――聞け、ゾンビー。オレを信じろ。なにから話してやろう?
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1973年に出版された中短編集。
この中でいちばん有名なのは「接続された女」であり確かに面白いのだけど、個人的には初めて表題作を読んだ時の方が衝撃的だった。これを読むまで、一見残酷に見える生物の営みがその生物たちにとっては無上の幸せなのかもしれない、などと考えたこともなかった。
あと鳥インフルエンザが流行った時、短編「エイン博士の最後の飛行」を思い出し、ゾクッとした。
まえがき、あとがきも必読。
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SF史に残るこの作家の強烈なプロフィールを知ってしまってから読んだので、感動の度合いが下がるかと思いきや、圧巻でした。粒ぞろいの短編集です。
鴨がこれまで読んだことがあるのは「接続された女」1本だけで、サイバーパンク寄りの作家だと思ってましたが、収録された全作品を読んで実は作風にかなり幅のある人なんだということがよくわかりました。「全ての種類のイエス」「アンバージャック」あたりはまるでビートニク文学のようなサイケデリックな作風ですし、一方では「恐竜の鼻は夜ひらく」(←名意訳ヽ( ´ー`)ノ)のようにロバート・シェクリイを彷彿とさせる洒落た小話タッチの掌編もお手の物です。
が、何といっても圧巻なのは、SFの体裁を取りながら個人の魂の相克へと切り込んでいく、エッジの利いた鋭い作風です。鴨が特に気に入ったのは「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした」「男たちの知らない女」「愛はさだめ、さだめは死」「最後の午後に」の4作。ストーリーこそ違えどもどの作品にも共通して描かれているもの、それは(一般には当たり前と思われている)世界/社会/環境への「違和感」です。登場人物はその違和感を克服しようと努力し、苦しみ、そして敗北して自滅していきます。ハッピーエンドの物語はひとつもありません。でも、後に残るのは虚無感や脱力感ではなく、何故か不思議な程に静かな諦観です。カタルシスを突き抜けた後に来る涙に似たようなものでしょうか。
この「違和感」を向けられる相手が宇宙人であったりタイムスリップ後の別世界であったり、なーんて設定ならフツーのSFにまぎれてしまうんでしょうが、ティプトリーのすごいところは「違和感」の相手が自分と同じ人間であり、自分の暮らす社会であるということです。まるで作家自身が自分の人生において感じてきた違和感を、作品の形で表現しつつ吐き出そうとしているのではないかと思えます。やはり作家の強烈なプロフィールが書かしめた作品群なんですかね。
機会があったら、他の作品にも挑戦してみたいと思います。
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雑食、悪食を厭わぬ私、だが、「SF」と銘打ったものにはなぜか少し縁が薄かった。ヘソ曲りの私は「空想科学小説」という括りが気に入らなかったのかもしれない。なんであれ人間の空想(想像力)の産物なんだ、小説は小説でしょ、ナルニアだってなんだって時空を超えてるという意味ではSFだよ、火星人が出て来たって文学は文学だよ、わざわざ「空想」とか「科学」と謳って差別化しなくても……、あくまで私はヘソ曲りだった。この書はハヤカワ文庫ではSFに分類されている。それがわかっていて、タイトルが魅力的だったから手に取った。長年のヘソ曲りを反省した。おかげで「入り込む」のに少し頁数を要したが、つまり、面白かった。作者の経歴もすごすぎるし。喰わず嫌いもいけませんね。先入観や偏見は、日々排除するよう心がけましょう。(でも、相変わらず天の邪鬼でヘソ曲り)。
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うん、うーん・・・
これは合わなかった。それも、1作目から合わない感をずっと感じていた。
唯一「断層」が面白いと感じた。
本編よりも最初と最後の解説の方がむしろ面白い。
けど、これは女性の作品だろ~
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「たったひとつの冴えたやり方」の
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの傑作SF短編集。
ヒューゴー賞、ネビュラ賞を取った短編をそれぞれ収載。
「たったひとつの冴えたやり方」よりもちょっと先鋭的で
脂の乗ってる感が伺えます。
読者の想像力に挑むような挑戦的な部分もあり。
話がたくさんあるのでとても語り尽くせませんが、
とにかくどれも面白いです。
中でも
「乙女にしておぼろげに」
「断層」
「最後の午後に」
が印象的でした。
「乙女にしておぼろげに」
突然未来からやってきた少女と対面することになった
新聞のお悩み相談コーナー担当の熟練ライターが、
およそコミュニケーション不能なレベルまで文化の違ってしまった
未来の少女の悩み(らしきもの)を聞き、アドバイスをし、
恐らく普遍的と思われる問題を解決した(ような気がする)話。
未来から来た少女の言動はとにかく意味不明で、
会話の合間に急に全裸になったりするのだけど、
主人公は辛抱強くこれを受け止めて、
どうやらこの子は気立てのいい子だぞ?という判断に至ったりする。
人として変わらないはずの部分を見定める視点が面白いです。
「断層」
異星人によって"時間からスリップ"させられてしまった可哀想な男の話。
時間からスリップするという概念が興味深いです。
物事と時間を繋げている摩擦が無くなって行き、
流れて行く時間からどんどん滑っていってしまう男と、
なんとかその男の時間に追いつこうと試みる妻。
時間を滑っていく夫が向かえるであろう瞬間に合わせて
まだ何もない空間に手を差し伸べる妻の様子が切ないです。
え、タイムスリップってそういうこと?
「最後の午後に」
思いもかけない終末を見せられることになる最後の一編。
ひとつ前の表題作「愛はさだめ、さだめは死」で
未知の生命の生態系に思いをはせた後だけに、
主人公達を滅亡の淵に追い込むことになる生き物が
純粋とさえ思えてしまうのが不思議。
話の中には2種類の地球外生命が出てきて、
片方はフィジカル担当で破壊の限りを尽くし、
もう一方はメンタル担当で救いの光を差し伸べるという。
生存のための戦いを描くように見せて、
その実、生きることの意味を問われているようです。
「たったひとつの冴えたやり方」の後書きで
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアという作家について
衝撃を受けたわけですけど、
今回の後書きでも驚愕することになりました。
なんだ、なんなんだこの人は。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアという人物そのものがひとつの小説のようです。
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人間、及び愛に対する作者独特の視点が面白い短編集。出てくる科学的、SF的ギミックはやはり古臭いが、30年以上前のものなのだからそれはどうしようもない。
その登攀シーンが神々しい"そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見出した"、12モンキーズに似ている"エイン博士の最後の飛行"、男性社会の中で異物のように紛れて生きる女性の物語"男たちの知らない女"、逃れられない本能と知的生命としての自制心のせめぎあいを圧倒的な迫力で描く"愛はさだめ、さだめは死"、種を守るための自己犠牲の念と自己の進化(クラークのスターチャイルドのような)への憧れの狭間で揺れる男の話"最後の午後に"辺りが印象的。