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みんなのレビュー43件

みんなの評価4.1

評価内訳

43 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

未知のものに対する恐怖というのは、いつの時代も普遍的なもの。見事な人物描写で唸らせてくれる、極上のSF文学作品。

2011/04/18 10:56

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:道楽猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「航路」ですっかりコニー・ウィリスファンになった私。
表紙絵がまるでラノベのようでなんだかなぁ…なのですが、前知識ゼロの状態で手に取ってみました。

私の大好きなタイムトラベルものです。英語圏SFの三大タイトルと言われるネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞の三冠を独占したというだけあって、SFという枠では収まり切らない、非常に文学的な面白さがありました。

21世紀のオックスフォード大学の女子学生キヴリンが、研究のため、中世へのタイムトラベルを行う。
一方、手塩にかけた自分の学生を、そんな危険なところへは行かせたくなかった、ダンワージー教授。
物語は、キヴリンの中世時代とダンワージー教授の現代が平行して語られます。

中世でも比較的安全だと言われる時代のイギリスに跳んだはずのキヴリンは、何故かペストが蔓延している時代に間違って跳ばされ、しかも着いた早々、自らが原因不明の病に倒れ、元の時代に戻るためのポイントが失われてしまいます。もちろん、考え得る限りの予防策は講じていたはずなのに何故…。
そして、21世紀でも、突然未知のウイルスの猛威にさらされ、人々が次々に倒れ、パニック状態に。
キヴリンを中世に送り込んだ研究者もまた、同じ病に倒れてしまい、かくて彼女を回収する手段は現代に於いても失われてしまうのです。

「何かがおかしい…」

中世において、ペストは不治の伝染病です。
いったん感染者が出てしまえば、人々はなすすべもなく、次々に人が死んでいくのを、ただ見送るしかないのです。
その真っ只中で、無駄だと知りつつも懸命に対策を講じ、人々を救おうとするキヴリンの姿に心打たれます。
そこに至るまの情景描写や人物描写をこれでもかと丁寧に積み重ねてあるだけに、この怒涛の展開に至るや、読む者をずっぽりと引きずり込み、物語の世界に巻き込んでぐいぐい引っ張ってくれます。
それにしても、作者は本当にこの時代にタイムトラベルして"見てきた"んじゃないかと思えるほど、真に迫った描写をしていることに驚かされます。

また、一方の現代においても、未知のウイルスであれば根本的な対策がないのは同じ事。
重苦しさから言えば、それはもちろん中世のほうに軍配は上がります。21世紀のパニック具合は、コミカルな要素も織り込まれ、それほどの閉塞感はありません。
それでも、やはり、未知のものに対する恐怖というのは、いつの時代も普遍的なもので、人々の本能や人間性を見事に浮かび上がらせるものだとつくづく感じます。

よく夢で見る、"色々な障害のためなかなか目的地に辿り着けない"もどかしさを、ダンワージーの奔走する姿に重ね合わせ、ハラハラしつつ、おしまいまで一気に読まされてしまいました。

「来てくださると思ってました」

そうなんですね。きっと、キヴリンがかの時代に跳ばされてしまったのも、間違いではなく、必然。
あの時代が、彼女を呼び寄せたのでしょう。

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紙の本

感動しました。

2003/04/05 17:56

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tkm - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイム・トラベルもののSFですが、ハード面を重視する方には少々物足りないかも知れません。でも、ストーリー、人物設定、個々のエピソードなどは文句のつけようがありませんでした。とにかく面白い小説です。夢中で読み進み、1人邪魔が入らない部屋に籠って一気に読了。かなり長いですが全く気にならず、ラスト付近では思わず涙しました。21世紀と14世紀の話が交互に進み、それぞれの四面楚歌の状況、様々な人間模様にさり気無く挿み込まれたユーモアと何より主人公たちの崇高さ。読み終わるのも勿体無いと感じた程でした。惜しむらくは表紙! 若年層だけではなく、40代以上の方でも充分面白く読めると思うのですが、この表紙ではちょっと手が出し辛いかも…

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紙の本

出だしはまったり

2015/09/28 18:07

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:flamekissflower - この投稿者のレビュー一覧を見る

いかにもSFチックな感じで、歴史専攻の女学生が自分の専門の年代へタイムスリップしていって、全然雰囲気の違う現在と過去が並行して進行していきます。上巻は細かい出来事がつまびらかに書かれているので全体での意味合いがつかめず、対象物に目を近づけすぎていて肝心の品物が何なのかわからないもどかしさを感じました。なので上巻の70%くらいまでは惰性で読み進めていましたが、だんだん登場人物たちへの理解が進むにつれて物語にひきこまれ、下巻に続くあたりで劇的な展開がはじまり、下巻からは目が離せず朝3時まで読んでしまいました。

生活がリアルに表現されていて、自分がタイムスリップしたような気分、鳥インフルエンザで病院に隔離されたような気分が味わえます。過去と21世紀で隔たりはあるものの、物語の展開されている場所は本当に狭いんです。地味なお話かも。でも深いお話でした。

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紙の本

ウィリスの上手さに酔いしれる

2015/11/24 22:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヤン - この投稿者のレビュー一覧を見る

熱心なSF読みではないとはいえ、このような傑作を読み逃していた自分を恥じたい気分だ。
時は2054年、タイムトラベルが可能となった時代。オックスフォード大学の史学部生キブリンは、研究のため14世紀へと旅立つ。だが、あらゆるトラブルが重なり、無事にたどり着けたか分からない事態に陥ってしまう。キブリンの安否を確かめようと、文字通り必死に走りまわる主人公ダンワージー教授。
しかし、正体不明のウィルスが蔓延し、隔離状態となる。一方のキブリンも、とんでもない危機に陥ってしまい…はたしてダンワージー教授は、無事にキブリンを現代へと回収することができるのか、というのが大まかなストーリーだ。
そう、いってみれば単純な話なのだ。これだけの話を、ウィリスは丁寧に丁寧に描いていく。もしかすると、遅々として進まない展開に、読者は苛立ちを覚えるかもしれない。だが、そこを何とか耐えて欲しい。これこそがウィリスの最大の持ち味といっていい。前半部分の執拗な繰り返しや書き込みが、後半じわじわと効いてきて、怒涛の感動へとつながるのだ。まさにウィリスマジックとしかいいようがない。
もうひとつ特筆すべきは、ウィリスの描く、子供の造形の上手さだ。本作でも、ダンワージー教授の手足となって奔走する少年コリン、また別作品ながら「航路」に登場する少女メイジーなど、ともすれば陰惨な話が展開されるなかで、彼らに救われる場面は、決して少なくない。まさか、こんな小生意気な少年と、こまっしゃくれた少女に泣かされるとは思ってもみなかった。
さあ、圧倒的なリーダビリティを誇るウィリスの手腕に酔うがいい。その結末は必ずあなたの胸を打つに違いない。

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紙の本

ヒューゴー、ネビュラ、ローカスという英語圏SF3大タイトルのグランド・スラム達成。しかし、SFの技法を借りた伝統のタイム・ファンタジーとして幅広い層に感動が開かれている。

2003/08/06 17:28

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いわゆる「SF者」ではない私であっても、見出しに上げた3つの賞の名前はよく目にする。グランド・スラムを達成したとなれば、Sciense Fictionの技法の先に広がるテーマやドラマがまた一段と優れているはずだという期待のもと、手に取ってみた。
「手に取ってみた」と退き気味なのは、すでに別の読者の方のレビューに指摘されている通り、表紙装画からくる印象が大きい。きれいな絵柄なのだが、ライトノベルかトレーディングカードを思わせるので「熟女にはミスマッチでは…。思いきし外しそう」という躊躇である。その躊躇を一歩前に押し出してくれたのは、あらすじである。

「歴史学者の夢が実現し、過去への時間旅行が可能となった。専門とする時代を直接観察できるようになり、オックスフォード大史学部の女子大生ギヴリンが前人未踏の14世紀に送られた」
 カバーに、ほぼこのような内容が書かれていたのであるが、考古学者が古生代へ恐竜研究に赴くのではなく、スケボーのうまい少年が自分の両親の出会いを演出するのでもなく、パッとしない男性が未来社会で果敢な戦士となるのでもない。旅先が中世という、どこかSFらしからぬ設定に心惹かれた。
 英国児童文学の金字塔にアリソン・アトリー『時の旅人』がある。数年前、岩波少年文庫で新訳として出版された機会に読んで魅了されたこの話が、16世紀への時間旅行なのである。転地療養した先で少女がタイムスリップし、エリザベス女王に幽閉されたスコットランドの女王メアリの解放に一役買おうとする。
 この世界とあちらの世界を行き来する児童文学のファンタジーではオーソドックスな設定であり、彼の時代の人びととの交流に胸打たれる。時代を超えた人間の普遍性について考えさせられるとともに、歴史のなかの現代の意味を眺める契機を与えてくれる。
 結果から言うと、『時の旅人』が持っていたテーマ性やドラマ性を、本書は同様に色濃く持っている。そこにさらに、時間旅行に代表される技術、あるいは伝染病に対する医療といったScienceの要素を加えることで、人間と道具の関係やら、医療と生死の関係やら幅広い要素を抱きかかえることに成功している。

 なのに、なぜ★が3つだけなのかというと、それは単純な話で、上巻だけでは著者が広げた地図の面積がまるでつかめないからである。ヒロインのギヴリンが中世へと旅立つ前、どうも彼女はウィルスか何かに感染したらしく、到着すると病に倒れて当初の計画通りの行動が取れない。赴いた先で彼女がどうなってしまうのか、スタッフと決めた予定日のランデブーで生還できるのかというサスペンスに物凄い力で引き摺られながら、同時に彼女と同じウィルスに感染したらしいこの世界の人びとの動向も気になる。
 おびただしい量の「どうなる?」がばらまかれている上に、隅から隅までこの物語を堪能したいという気構えの読者なら、牛1匹の登場にも神経を行き届かせておかなければ、下巻で著者の脳内地図を踏破し尽くせない。
 気になるからとにかく「すっ飛ばし読み」しながら、必要そうな情報だけは拾い上げていくという私のようなスタイルもあるが、その方法がどうも再読の欲求を高めてしまうことだけは確かだ。

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紙の本

ちょっと……

2003/06/18 01:11

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いちご - この投稿者のレビュー一覧を見る

話の内容、展開、意外さは申し分ないと思う。登場人物の個性もあり、面白くないとは、言えない。
しかし、現実的すぎて、SFもの特有の面白さやスリルが少なくなっていると思った。それに、科学的・医学的な難しい言葉も出てきて、なかなか理解できずに何度も読み直したこともあった。そのせいで、読むスピードが遅くなって、だらだらした感じだった。
この本は、どちらかというと、おとな向けだと思う。

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2004/10/13 16:07

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2006/03/13 12:36

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2005/11/27 16:12

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2005/12/31 09:54

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2008/01/17 02:07

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2008/05/18 15:14

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2009/02/21 22:20

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2009/07/10 01:58

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2009/10/11 16:47

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