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投稿者:shiono - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルと著者が気に入り購入しました。
職種は違え、方向性は違えど、考え方が異なる2人でも、
何のために一所懸命に頑張るかを感じされられました。
私も今から全力疾走です。
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不運なら、運不運を忘れるほど仕事に熱中しろ
エンドレスの努力をしたいから高い山を登る
失敗を繰り返せば、意外な成果が引っ張れる
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不運なら運を忘れるくらい仕事しろ。
立派な研究をするには生活の基盤が安定していること、それによって生まれる心のゆとりが必要。
真理を探究するには、次元の高い哲学を持つことが欠かせない。
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京セラの創業者である稲盛氏と、数年前にノーベル賞を受賞された山中氏との対談本で、随所に興味ある話がでてきて面白かったです。
稲盛氏が京セラという会社を立ち上げた経緯や、京セラが中心になってNTTに対抗して電話事業を始めたのですが、なぜそれが可能だったのかが初めて分かりました。それまでに携帯電話を構成する技術を持っている会社を買収して、リストラもせずに自分たちの力をつけていたのですね。
最近はJALを再建されたのは知っていましたが、無給の上に、管理職への教育を自ら、されていたのを知って頭が下がりました。すごい経営者って、まだ日本に存在しているのですね。
ノーベル賞の登竜門を言われている「京都賞」や、若手研究者を育てるための基金を作られていて、自分の会社だけでなく日本全体の技術が底上できる仕組みを作り上げていることを初めてこの本で知りました。
噂通りの、なりふり構わず仕事をしていくスタイルは、本を読んでいても伝わってきました。彼の下で、それを乗り越えることのできた人が、後になって、その素晴らしさを味わうことができる場を提供していますね。
また、山中氏がノーベル賞を受賞されることになった iPS細胞の研究を始める契機についても知ることができました。この研究が進めば難病に苦しんでいる人達が多く助かるそうです。
政府からも研究資金が提供されているようですが、その性質にも少し問題(5年更新の競争的資金)があることも指摘されていて、山中氏がじっくりと研究を行えるような体制がとれれば良いなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・ES細胞は基本的に他人の細胞なので再生医療への使用は拒絶反応というリスクがあった、受精卵をつかわずに万能細胞を作れればという発想から、iPS細胞という本人由来の万能細胞を作ることができた(p15)
・私たちの体は、約60兆個、200種類以上の細胞でできている。すべての細胞は1個の受精卵からスタートするので、受精卵の中にはすべての設計図が揃っている(p15)
・今ではどの細胞にも、完全な設計図が残っていることがわかっている(p16)
・京セラが後発プリンターメーカにも拘わらず売れているのは、耐久性がいいから。60万枚出力してもドラムが摩耗しない(p19)
・ノーベル賞には応用技術を顕彰する賞がないが、京都賞には「先端技術部門」という賞がある(p27)
・沖縄の次の米軍上陸は鹿児島と言われていたし、特攻機が飛び立つのは鹿児島であったので、米軍の攻撃は比較にならないほどであった(p40)
・太陽光発電の技術開発と量産によって、エネルギー問題と地球温暖化に貢献することが大義であり、事業のミッションであった(p89)
・構想を考えるときは、素直に聞いて「面白い」と賛同してくれる社員を集めて話をするが、具体的な計画に移す時には、物事を冷静に見ることができる人を集めて、リスクを想定して厳密にプランを練る(p102)
・人生・仕事の結果=考え方x熱意x能力である、能力や熱意は0-100点で���るが、考え方は、マイナス100からプラス100まである(p106)
・独創的だといわれる実験ができたのは、独創的でない実験をして、予想しなかった独創的な結果がでてきたときに、そこでやめずに独創的な結果のほうの研究をやりだしてしまうから(p109)
・航空運輸事業に素人の稲盛氏が持ち込んだのは、部門別採算性という経営システムと、彼の経営哲学であった(p118)
・iPS細胞を使った医療応用の可能性は、再生医療・病気の原因の解明・薬の開発である(p154)
・2013年末に、改正研究開発力強化法が成立して研究職は10年延長できるようになったが、むしろ状況が複雑になった(p160)
・競争的資金は5年単位で申請によりもらえるものだが、理研の予算の半分以上は、運営費交付金といって必ず政府から交付されるもの(p164)
・「3ない実験」をすると叱る、目的がない実験、コントロールのない実験・後片付けをしていない実験である(p172)
・携帯電話事業の運営を支えてくれたのは、旧サイバネットとヤシカの技術者たちであった(p176)
2014年11月15日作成
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稲盛和夫氏と山中伸弥氏の対談。稲盛氏の経営哲学、フィロソフィーは馴染みのあるものだが、山中氏の確認質問でより分かりやすく説明されている。iPS細胞の研究にまつわるエピソードから、知的財産による戦略が企業と研究で逆方向と言えること、神の領域に踏み込む先端医療研究が精神・倫理とのバランスを欠かせないことなど興味深く読んだ。
14-202
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対談なのでさらっと読んだが、色々と考えさせられた。
iPSの話やフィロソフィーの話など、同じ話を読んだことはあるが面白かった。
やはり、繰り返しどう生きるのかを問い続けないといけない。
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お二人とも技術畑出身。片や日本を代表する経営者、片や日本の科学技術の未来を背負って立つ研究所所長。
お二人とも理系なので、経営やマネジメントには論理や効率を重視かと思いきや、非常に心や精神を重要視している点に驚きました。
サラリーマン技術者にとっては非常に参考になる対談だと思います。
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稲盛さんと山中教授の対談。
面白かった。そして2人を好きになった。
何が面白かったって、
・山中教授がどんな研究してきたかがわかること(本で書かれていることなんて人生の1ミリほどでしょうけど)
→一言で言えば「人体の不思議」。謎が多くて本当に面白い
・この二人はどちらもVWであること
→ビジョンとワークハード。高い頂を目指して、必死に歩んできた、その生き様がかっこいい
の二点かな。
振り返ると、稲盛さん=経営者より、山中教授=研究者の方に個人的には惹かれたんだなって、読み終わって思った。
山中さんの頂は、「患者さんの病気を治すこと」。基礎研究の部分だけでも相当な時間と労力を費やすし、成果も中々出ない中、難病の治療に活かせるかもしれないと光の見えたiPS細胞を、臨床医学とどう繋ぐか、どう実用化するかまで考えていらっしゃる。日本は、技術力は高いがその後の売る力が弱いとよく言われます。科学も同じで、日本の研究技術は高いのに、基礎研究で成果が出たらそこで終わってしまう。他国が実用化に向けてどんどん研究してしまう。そこを何とかせねば!という気持ちもあるんだろうなと。
研究者であり、研究所の経営的な立場として、様々な判断を強いられるのは大変だと思うのですが、知らなかったものが見えた分、応援したいなーという気持ちになった。そして、自分まだまだや!頑張ろう!と思えた新年には良い本でした。
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改めてですが、お二人とも素晴らしい! 技術者には大変役に立つお話をされてます。このお二人に縁が深い京都にいることが嬉しくなりました ^_^
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挑戦者、かくあるべしな心得。
抜粋
ただもうみんな必死に働きました。技術開発し、製造した製品を売ってくる。その一日一日、一歩一歩の地道な努力を積み重ねてきて、気が付いたら、手が届かないと思っていた山に登っていた(稲盛)
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JALを再編させた稲盛さんと遺伝子の研究をしている山中さんの対談。お互いの生き様が会話調で書かれていて、もっと詳しく2人のことが知りたくなる本。
興味をもつためのきっかけ本だったかな。
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2人の生い立ちや経歴、考え方や信念などを対談という形でまとめられており、知る足がかりとなった。
興味を持ってそれぞれの著書を改めて読みたい。
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東証一部上場企業の社長を経験された方、とくに創業者やそれに近い人の言葉を読むと、「それに比べてうちの会社は…」と思ってしまいますね。
「当たり前の徹底」の大切さを痛感しました。
山中先生の話の中では、iPS細胞の特許の話が興味深かったです。
「適切な特許料を設定することで、iPS細胞の発展を促す」という考え方は素晴らしいと思います。
また、研究(論文)と特許申請における姿勢の違いも、「なるほど」と思いました。
やはり、人のために生きられる人は強いですね。
自分も見習わなくては。
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読みやすい本。対話形式は取っ付きやすい。
VWはビジョンとワークハード→この2つはどんな仕事においても大事。
動機は善か?→常に意識したい。
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京セラの創立者でありJAL再建で知られる稲盛氏と、ノーベル生理学・医学賞を受賞されたことで知られる山中氏の対談です。お二人が仕事人としての生き方や考え方を議論しながら、そのかたわらでiPS細胞についてもざっくり知ることもできるという本です。
本書でまず面白いのは、仕事に対する考え方、いわゆる「哲学」と呼ばれることについては、経営者と研究者という立場の違いや年齢差を超えて共通しているということです。
例えば、山中氏のVW(研究者が成功するにはVisionとWork hardが欠かせない)と稲盛氏の「エンドレスの努力」という姿勢、あるいはみずからの原点を幼少期に見出している点でも共通しています。ですので、お二人が共感しながら話を進めているような印象をぼくは受けました。
他方で、お二人に共通点が多いからこそ、お二人の考え方の違いや立場の違いが明らかになっているところも興味深いです。
例えば、自らの研究をマラソンになぞらえてペース調節の大切さを重視する山中氏と、やると決めたら全力疾走で走り抜ける稲盛氏。京セラ所属のマラソン選手に伝えた「トップ集団から離れてはいけない」という言葉もそれを示しています。これは、幼少期から「ガキ大将」としてリーダーシップを発揮してきた稲盛氏と、実用までに長期的な視点が求められる基礎研究に従事されてきた山中氏の違いが出ているようで興味深いです。
もう一つ興味深いのが、研究者であっても、大学に所属している場合は論文を書かなければ業績を認められず、企業に所属する場合は、逆に論文を書かずに独占したほうがよいということです。iPS細胞の開発競争をめぐってアメリカの企業と係争寸前になったという話がありますが、過酷な世界が垣間見えます。
ちなみに、表題の「辛抱強いバカ」というのは稲盛氏の言葉です。業績が窮状に陥ると、能力のある人は転職してゆきます。そうして残ってきた幹部の面々と「辛抱強いバカばっかりが残ったな」と冗談を交わしているそうです。稲盛氏の「仕事・人生の結果=考え方×熱意×能力」という方程式に倣えば、能力は平凡だとしても考え方と熱意があるから強く結束し支え合ってきたということなのだと、ぼくは思います。