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待ちに待った『電氣ホテル』。
『大停電世界』の続きを心待ちにするシュビのように一読後にすぐにもう一読。
ゆっくりじっくり読み終わったところ。
今回は第一幕ということで、早くも第二幕を心待ちにしてしまう。
そんなところもシュビのようだ。
第一幕では電氣ホテルの全貌は明らかにならない。
第二幕で本当に明らかになるのかも疑わしい(笑)。
登場人物は奇人変人揃い。
それも気味良い。
なぜか可愛くて憎めない奇人変人達。
彼らの思惑が交錯する物語の混沌に揉まれる心地よさとでもいうか。
急がなくて良い。
無駄な迂回も余裕のうち。
オールナイトの映画を見ながらカレーパンを絶賛する余裕。
孤独をフラフープで忘れる余裕(?)。
「なんかおかしいって?それがどうした!」と
うじうじ、ぐだぐだに喝を入れてもらったような気持ち。
さてさて第二幕で彼らはどうなってしまうのか。
第二幕の前に更なる謎を投げかけてくれる幕間劇がカバー下に隠れています。
そちらもお忘れなく…。
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二人の詩人の冒険に立ちはだかる
謎につぐ謎、奇人また奇人!
停電調査の旅に出た詩人・オルドバと猿のチューヤー。
この世の二階から魔都・東京の夜景を見おろす詩人・シャバダ。
忽如として行方不明になった十数名の「児島」と、その謎を追う探偵・中田と相棒の探偵犬・終列車。
物語の行方は、この世の二階にあるといわれる、幻の〈電氣ホテル〉へ――。
奇怪にして愉快な活劇小説!
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そもそも、停電調査人の上田(オルドバ)が停電調査は旅であるという自説故に、尾久へ行くのにやたらと遠回りをし、旅となそうとしたのが事の始まり。尾久へ直行していたら、この物語はなかったのかもしれない。いや、そうではなく、誰が何をしようとどこへ行こうと、変わらなくあったのかもしれない。この世の二階の辺りで、静かに。尾久へ向かうオルドバとチューヤーをどんどん遠く離れて物語は中二階、二階、三階、(四階)辺りをさまようが、まわりまわってまたオルドバたちへと帰って来る。かと言って何かが解決したわけではない。大停電の謎は解けたが……。下町の一画で起こっていることとはついぞ思えない長く遠く草臥れる旅であったことよ、と思わされる一冊である。
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2月の講演で話しがでていた「電気ホテル」なる実在のホテルのチラシから着想をえたという作品。クラフト・エヴィング商会の展覧会でも構想メモがでていて、魅力的な登場人物がたくさんいるようだったのだけど、登場人物(動物)が多過ぎてもう混沌、大混乱。
ちょっとつらくなってきたので、積読にします。
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【それは、この世の二階にある】二人の詩人と連れの猿チューヤー、気の荒い駱駝にボーイに図書館司書――いかにもとぼけた登場人物ばかりの奇天烈なホテルの物語。
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二人の詩人、探偵、司書などなど、ちょっと不思議な町の住民たちがあるひとつの謎にとりつかれる。
答えは二階にある、らしいのだが。
2014年10月30日読了。
まさかの続きものに思わず絶句。
答えを知りたいような、知らない方がいいような。
吉田さんの作品は「好き」か、「理解不能」かに分かれるのですが、今回は後者の方でした。
続きを読めば、前者になる可能性も否定出来ませんが、ちょっとツライかなぁ。
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実に感想を書きづらい長編小説。でも面白く読めたとは思う。
冒頭から登場した二人の詩人を軸に物語が展開されるかと思いきや、次から次に色々な人物や現象が現れ、視点や場面の転換も目まぐるしく、もはや誰が主人公なのか、そもそも主人公という概念がある小説なのかすら分からないまま、まさかの「第二幕」に続くというシリーズ物。
この世界が階層構造であることの示唆が散りばめられる一方、作中映画の内と外、また、別の作中小説の内と外が入り混じり、複雑怪奇な世界観と人物設定を擁している。にもかかわらず面白く読み進められたのは、吉田さんのユーモア満載の語り口のおかげに違いない。シャバダの父親の寝相の悪さに関する描写には笑いを堪えきれなかった。
第二幕を読む頃に、この第一幕の粗筋を覚えていられるかが不安である。
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摩訶不思議!異様!
何のことが書いてあるのか読んでいて、イマイチ分からないのに、ワクワク感が止まらない!
早く読み進めて結末を知りたいと思う気持ちとは裏腹に、読んでいる今この瞬間、物語の怪奇さにずっと浸っていたいと思う、不思議な心地良さ!
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文字連なってコトが起きて、コト連なってドコマデモ…。
読んでて不思議と気持ちいいのは確か。
奇天烈という言葉がしっくりくる。
かなーり好みが分かれる小説だろう。
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冒頭から何とも不思議な…。読むのに時間かかったけど読んでいくうちにこの奇天烈な世界にゆっくり浸かっていくような感覚。
個人的には「聖なる怠け者の冒険」をもっと奇妙にした様な雰囲気だと思った。
次巻へ続くらしい。今回は壮大な序章のようだったけど第二幕はいつ出るのか。そして二幕で電氣ホテルの全貌は明かされるのか。それまで設定覚えてる かな…。
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詩人、猿、図書館司書、探偵など様々な奇人変人が出てきます。登場人物が多くて更にそれぞれの名前が変で覚えにくい。
現実と舞台と頭の中?とが交差しているような世界。
一応最後まで目を通したけど奇天烈炸裂というか、ちょっとこの世界に入り込むことができませんでした。
これで第一幕らしいですが、私は第二幕は遠慮しようかな。
以前はこういう文体も好きだったのだけど、最近は鼻につくようになってきたかも。
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クラフト・エヴィング商會の作品はいつでも虚と実の淡いを歩む。信じてはいけないし、全てを疑ってもいけない。そのバランスの取り方を作家と読者の双方で図り合う。こっくりさんの、互いを信じつつ疑う構図と、それはどこか似ている。
電氣ホテルという、如何にも大正浪漫的な時代がかった名前と、その宣伝用小冊子から浮かぶ造り。そんなホテルがかつてこの世に存在し、かつ今尚この世の二階に存在して、この世から大量の電氣を掠め取る。ふむふむこれは当代日本の原子力政策に対する一流の皮肉というやつですかな、と先走り。しかし、吉田篤弘が如何にも描きそうな大仕掛けと、これまたこの作家の得意とする駄洒落とも批評めいた言葉遊びとも知れない文章の行く末を、あまり性急に求めてはならない。巻末に、件の小冊子の各頁の写しがあり、電氣ホテルはかくかように実在したのだが文章はフィクションですなどと言われても、警戒の鎧を解いてはいけない。ただひたすらに大上段に構え、目まぐるしく変わる場面や登場人物に目を回すこともなく、こちとらクラフト・エヴィング商會の手口には慣れっこでい、と特段うきうきもわくわくもせず読み進めるのがよい。
とは言うものの、残り少なくなる頁数。一体ここまで広げに拡げた大風呂敷は、どのようにしゅっと丸めて納めるつもりか、と徐々に心配の種の芽は育つ。ああ、この頁の薄き紙面を通して見えるのは、大団円に付き物の奥付きではあるまいかと思う刹那、電氣ホテル第一幕は呆気なく終わる。全て電氣映画の銀幕の向こう側に投げやったままで。
てやんでぇ!こっ、こちとらそれもお見通しのことよ、と強がっても、何も始まらないし、終わりもしない。ただ、ただ、吉田何某の策略にまんまと嵌まって身動きの取れない己れを発見するのみ。そういえば目次を見た時に何か可笑しいと気付いていた筈なのにと、地団駄踏んでも致し方なし。せめて、上野駅界隈に電氣ホテルが存在しなかったという不在の証明を試みるのみ。しかし、遠くから声がする。神の存在が証明出来ないことは神の非存在を証明しない、と。
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荒唐無稽でありながらその辺りに転がっていそうなストーリーと、言葉遊び、語り口の妙、ナンセンスそして何よりそのネーミング!最後の人物紹介は役に立つ。そして、装丁がおしゃれ。
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不思議!?
どんな感想文述べたらいいのか…
クラフトエヴィング商会好きなんだけど、時々付いていけないなぁ~と思うことがあります。
今は読む時期じゃなかったって思うことにしよう。
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何が何だか分からないんだけど、この不思議な雰囲気は大好き(^^)♪言葉が心地好く感じる(^^)そして私の妄想もまだまだだなぁ(--;)と感じる(^o^;)
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取引先でクラフトエヴィング商會としての講演会があって、販売応援も兼ねて講演会潜り込んだ時に買ってサインまで貰った1冊。
短編くらいならいいけど、この長さでこの文章だとスジ追うのもちとしんどい。ただ、慣れてくるとじわじわハマってくるので「そこで「続く」かよ!」というのはある。今すぐ次が読めるなら買うやろな。ただ次が出る頃には忘れてる可能性もありはてさて。