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投資家と経営者をつなぐ実践的IR戦略
◯IRの目的
・会社の定款(事業内容)ならびに経営方針に賛同してくれる株主に投資していただくこと
・その株主の方々に企業としての成長や利益還元によって貢献すること
この目的を達成するために、経営者が中心になって事業や財務にかかわる出来得る限りの情報発信、対話、コミットメント、アカウンタビリティを果たし、
約束通りの業績を実現することによって株主の期待に答えることが、IRの本来の目的
◯会社の知名度をまずはあげる
経営の全責任を負うCEOが、自らの言葉で、会社の将来性や経営目標、それを達成するための戦略・戦術について直接投資家に語りかけることが、会社を応援してくれる株主を増やすための重要な取り組み。
重要な取り組みだが、行うことは非常に地道。
個人投資家向けの会社説明会は年10回行ったり、記事広告や講演会、youtubeなどPR含む小さな活動を繰り返すこと。
株主の裾野を広げるためには、あらゆる投資家にむけて、それぞれのニーズにあった情報発信することが非常に重要。
IR活動は、ターゲットにあわせたきめ細やかさと柔軟さが求められる。
まずはどの会社も個人投資家向けからスタートする。売買高が増えない限りは機関投資家は動かない。数年はここに注力するほうが効率的かつメッセージもぶれない
また、売買高を上げれば証券会社もやる気になるため、絶対に初手は個人投資家である。
◯経営の軸を決める
・伝わりやすい指標を決めて、経営の軸にするべき
・抽象的なビジョンや夢では投資家には受け入れづらい。具体的で定量的な目標が求められる
・経営指標には、売上高や利益、利益率、PER,RBR,EBITDAなどが上げられる
・著者であり、元バリューコマース社長の飯塚さんは、現役時代社長就任時にROEを経営指標と定めた。ROEが良い悪いの是非ではなく、もっとも汎用的に投資家が見ているので効率が良い
◯明確な指標を「風説の流布」にしないために
・とにかく客観的なデータに基づけるべき
・比較し得るデータをもとに掲げ、現実的な数値であると評価されるようにする
◯成功への近道
・プロのチカラは活用するべき
・IRアドバイザーや業界のリサーチ会社などをブレーンにするべき
・主幹事証券会社のアナリストは大いに活用するべき。無料なのにみんな利用していない
◯伝えるべきこと
・会社の魅力、強み弱み
・経営目標は達成可能か
・将来に渡って持続的に成長できるか
・世の中や業界での立ち位置、優位性を数字や根拠をもって伝えられているか
◯アナリストの種類と仕事
・セルサイドアナリスト
証券会社に務める人。自分自身や投資家が注目する銘柄について、綿密な経営分析や財務分析にもとづき、理論株価の算出、レーティング(買い売りの投資判断)を行うのが仕事。
調査・分析した結果はアナリストレポートととして発表し、証券会社が主催するセミナーなどで研究結果を発表する。
個別企業だけはな��、業界全体の動向についても深く研究していて、経営者にとっても有益な情報になる。
・バイサイドアナリスト
機関投資家が株式を買うにあたって、「保有する価値のある銘柄か」を判断する情報を提供する。
大切なのはセルサイドアナリスト。彼らは発信力がある。セルサイドアナリストのレポートに取り上げてもらったり、
投資セミナーで調査分析結果を発表してもらえれば、投資家の自社に対する認知度や関心は格段に高まりやすくなる。
さらに、セルサイドアナリストは、専門とする業種業界を横断的に調査しているので、他社の動きや経営指標の差など、経営およびIR活動に役立つ様々な情報が得られるため、出来る限り綿密な関係を保つべき。