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社会的にはダメなヤツらの、ダメな人生の、だけど、どうにも憎めない二つの物語。
詐欺師と鍵師。どちらも指を使うシゴト。
手の指って、家族にたとえられたりするんだけどさ、その指を使ったシゴトで家族につながる物語を描くってのはなんとも粋だね。
二つの物語うち、鍵師を描く「飯」にじんわりやられたね。ダメな血筋もきっとここで踏ん張れるに違いない、と思わず応援したくなる。
しかし、あれだね。ダメなオトコはオンナで変わるんだね。
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こういうバガボンドというかピカレスクものは元々大好きなんだけど、浅田次郎が最近書いてくれないので(笑)久々。浅田氏の痛快さはないが、思いのほかホロっと来る。『飯』がいいね。古びた定食屋って好きだなー。
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むっちゃjunkってほど、
junkやなかったけどなかなかのjunk感。
【飯】が好き!星4つ。
あれを長編で読みたいな。
他は星3つ!
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スリの話よりメシのほうが面白かったが、つぶれかけの定食屋が繁盛するまでの経緯が面白かっただけで、本筋の人間ドラマは今ひとつ心に刺さらなかった。
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序盤は掏摸の盗気や登場人物の燻が素敵で読み込めたけど、途中からだれてしまった…きゅっと詰めて映画で観てみたい。
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タイトル通りスリや鍵師、回収屋など小悪党たちがたくさん登場する三編の物語。
小悪党たちそれぞれの事情や人情がうまく絡み合い、何故か青春ものみたいに爽やかな読後感になっているのは三羽氏の個性か。
それにしても寡作な人だな。忘れた頃にインパクトの強い作品を発表するのを待つしかないか。
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裏社会の、軽犯罪者たちの物語。
なかなか面白かった。文章は軽快で、ユーモラスな部分あり。自分の人生では全く縁のない世界なので、興味深い。
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寡作な作家さんですね。
調べたらこの作品が8作目、デビューから9年後なので年1冊も出て無い勘定になります。私の好きな作家さんにはこういう遅筆の人が結構多い。
今度は掏摸や金庫破りなどの街の犯罪者たちを描いた作品です。文庫化に当たり、単行本時の2編をつなぐ形で1編が追加され、3編の中編で出来てます。
どこか憎めない犯罪者たちを描いた小説です。
一話目の「指」は掏摸たちの物語。もちろん犯罪なのですが、どこか矜持が感じられます。
二話目の「飯」は金庫破りの話。主人公が仕方なくバイトに入ったうらぶれた飯屋が、どんどん行列のできる店になって行ったり、こわもて風だった若い借金取りが素直になって行く姿が妙に可笑しく。
心地よい話でした。
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初読みの作家さんでした。
面白かった!
タイトルの横に書いてある毒にもなれない・・・小悪党ってなるほどって感じ
悪い人たちの話なんだけど、どの人も本当の悪では無い感じが読み終わった後読了感の良さに繋がったんだと思う
テンポも良く読みやすかった
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善人でも悪人でもない、街の小悪党たちが遭遇する人生の奇跡を描く三編の作品集。
スリという天賦の才に苦悩する主人公がある仕事に加わるのが『指』。刑務所前の小さな飯屋を思いもかけず繁盛させてしまう『飯』。この二編を結びつける短編の『嘘』。想像を越える展開に唖然とし、このドラマティック過ぎるストーリーを誰かに説明したいが、上手く話せそうにない。是非とも映像化してほしい。
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この人は、もっと売れて然るべき作家だと思います。
第1章の『指』は、安定した生活を送っているのに、掏摸(スリ)の天賦の才を持ってしまった男が主人公。あの財布、抜けそうだと思うと血が騒ぎ、通勤途中にやらずにいられない。そんな彼が大がかりな掏摸集団にスカウトされる。
第2章の『飯』は、彼女との格差に悩むプー太郎の男が主人公。借金があることを打ち明けられないまま同棲中の彼は、刑務所前のちっぽけな定食屋で破格の報酬を提示されて働くことに。
文庫化に合わせて書かれたという第3章は正直に言って蛇足かなという気もしなくはないですが、第2章までは参りました。自分のことを好きになれなかった男たちが、生きることを実感して、少しずつ熱い感情を持ちはじめるくだりに脱帽。
同著者の『太陽がイッパイいっぱい』がツボで、著作を大人買いしましたが、寡作なんですよね、この人。しかしどれも今のところハズレなし。ガンガン書いて外すよりもこれぐらいのほうがいいのか。めっちゃ好き。
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2019.4.12
爽やかで読みやすかった。2章と3章が好み。
そして解説もよかった!
作家さんへの愛情が伝わってきて、他も読みたくなりました。