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[ 内容 ]
すべての日本男性は美少年との性的快楽に陶酔していた―稚児、若衆、女形、陰間たちがくり広げた華麗なる日本同性愛文化を世界に知らしめた名著。
図版多数収録。
[ 目次 ]
第1章 日本の古代~中世における男色の発展
第2章 日本における都市発展と男色の商業化
第3章 全盛期を迎えた日本男色文化―徳川時代
第4章 男色は日本社会にいかに受容されていたか
第5章 日本のジェンダー構造と男色
終章 明治以後の日本社会と男色
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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日本社会の行方
先日渋谷区で、同性カップルに対しても異性カップルと同じような権利を認めようとする条例案を提出することを決めた。
(参考1:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H1C_R10C15A2CR8000/)
現状では、異性カップルに対しては法律婚において相続等の権利が認められる。
しかし同性カップルでは相続等に対し、配偶者という形での保証はない。
「ホモ」「レズ」「バイ」などが、一般的名称として語られる。
しかし往往にしてそれらは侮蔑の意味を含んだ文脈で語られることがある。
現代日本では「劣るもの」として見られがちな同性愛だが、それは近代、とりわけ江戸後期になってからではないのか。
民法改正の裁判(参考2)が控える中、同性愛の視点も含めて日本の今後を考えてみたい。
(参考2:http://mainichi.jp/select/news/20150219k0000m040088000c.html)
本書の著者はアメリカの大学教授。
日本国外からの視点というのが非常に面白い。
解説は日本人によるものだが、そこに疑問点等が記されているものの非常に高い評価を下している。
春画や絵巻を史料(あるいは資料)として取り入れたことで、描かれた時期の背景が日本人にとってはわかりやすいものとなっている。
民法の家族法に興味を持っている私としては、諸外国の思想が取り入れられたことで、「恥」や「イエ」がより閉鎖的になっていった時期とともに男色が廃れていった点が興味深い。
なにも外国からの影響が悪の元凶だと言っているのではない。
むしろ学ぶべき点は多いと思っている。
ここで私が興味を惹かれるのは「特定の社会的変化の結果として現れたものだとする社会構築仮説(288頁)」である。
ある社会の転換点が周期的にやってくるものだとすれば、未だ続く明治期の社会(ここでは保守タカ派が唱えるような「正しい社会」のこと)が今この時代に終焉を迎えつつあるのではないか。
本書は歴史学以外の観点からも面白い書である。
学術書でありながら難解な点はほとんどなく、注釈も十分ある。
ただ一つ良くない点は、公共の場では読むのをためらわれること。
読むのであれば、カバーをかけることをお勧めする。
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色々ガッツリ書かれててウォオオ・・・・・・ってなる・・・。
けど松原國師先生がまとめで著者の文章にそれは違うよ言っててわろた・・・。
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副題に「なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか」となっているが、なぜ現在では男色が忌避されているのかの分析の方が興味深い。
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日本史の中に当たり前に出てくる「稚児」や「小姓」
それらを膨大な資料から読み解いていく本。
儒教思想の影響から「挿入者」はかならず年長のものになるといった話や、同性愛や異性間のオーラルセックスは多く資料が残っているのになぜ同性間オーラルセックスだけが禁忌となっているかの考察。
そして開国をし西洋文明思想が流入したことにより、同性愛者が被差別的扱いを受けるようになる過程など興味深いところが多くあった。
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まず異国の地に関して徹底的な調べているその姿勢に感動してしまった。日本では男色って全然タブーじゃなかったんだなぁという驚き。隠語が面白かった。