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21年間の海外勤務を含め、43年間三井物産、三井石油開発で、原油取引や石油開発を中心としたエネルギー関連業務に従事してきた筆者が、資源に乏しい日本に住む我々に、もう一度エネルギー問題を根底から考えるきっかけとして欲しい、また、様々なメディアから流れてくるエネルギーに関するニュースに接した際に、基本な事柄を誤解なく理解できる一助になればという思いで上梓した1冊。エネルギーといえば電気やガソリンといった二次エネルギー、または原発、再生可能エネルギーといったテーマに寄りがちな中、国家の基盤に関わる一次エネルギー、特に石油、LNGを中心に、世界的視野で現状と未来を語りかけている。文春新書991
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2014/12/18:読了
石油の埋蔵量を測定する基準は、世界で統一的なものがないことにビックリした。国によって、石油が埋蔵されているレベルの、どこまでを埋蔵量とするかが違っているとは...恣意性がはいりまくりじゃん。
技術の進歩によって、埋蔵されている石油の状態の、どこまでを埋蔵量とするかが変わってくる。さらに、石油の価格によって、生産コストが高い石油開発ができるようであれば、それも取り出せるようになるので、埋蔵量にカウントされるようになる。
最近で言えば、原油が100ドルであれば、サンドオイルもシェールオイルも、取り出せるので、埋蔵量にカウントされる。で、原油価格が10ドルの状態が10年続けば、カナダにしろアメリカにしろ、石油をとれなくなる。
なんだこりゃって感じ
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ごくわかりやすかった。あまりにわかりやすくしすぎたせいで、同じことの繰り返しとなり冗長さを感じるほど。意外性はないし、すでに知識があるなら読む必要はないが、そうでないならまあ一冊くらい、といういちづけ一番の読みどころは、、小さいながらも上場保険企業を経営する息子が唐突に文中に現れるところです。
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本書を読むまで、日本のエネルギー事情について、あまり考えたことも無かった。2011年の震災以降は原子力の占める割合は減った分、石油、石炭、天然ガスが増えた。その中でも、天然ガスの伸び率が高くて、天然ガスの輸入の影響で、日本は貿易赤字になっているのか。なるほど。
他にも、日本向け天然ガスの値段が高い理由、ガソリン、電力等の日本の二次エネルギーの割合など、面白い内容が書かれてある。
分かりやすいくて、読み易い本でした。
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興味深く読めて面白かったです。
”LNG”なんて言葉だけは知ってても
何の事だか注意も払わなかったし^^;
結局石油の埋蔵量は分からないし
難しいし、統一の定義は無いことは
分かった。
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エネルギー、盲点でした。こんな大切なの切り口を見落としていたとは。
日本に火山学者が少ないことも、原発が日本中に存在することも、アメリカが未だ世界資本の歯車であることも、イスラム国が注目を集めることも、日本経済が長期停滞していることも、みんなエネルギーについて考えないと分からない事実ではないでしょうか。
岩瀬さんの解説は、株式市場から家計まで得られる知識の豊富さにも脱帽です!
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日本は世界と比較して、天然ガスへの理解が低いので、エネルギー政策を考えるときは、天然ガスも忘れずにちゃんと考えて下さいということか。
資源を持たない日本が、エネルギーに対して出来ることは、エネルギーの利用効率を挙げて、結果としてエネルギー使用量を減らすこと。
温室効果ガスの排出を減らすことも大切であるが、有限である資源を効率よく使わなければ、いずれは世界が破綻する。
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Webのコラムで知った本でしたが、タイトルにある石油の埋蔵量がどのようにして計測されるのかについての非常に興味深い話に加えて、LNGの話、シェールガスの採掘方法、石油の価格形成メカニズムの変遷、エネルギー利用の現状と今後の課題など、エネルギーに関する様々な話題を、非常にわかりやすく説明してくれていて、とてもおもしろく勉強になりました。
原発再稼働や再生エネルギー開発の話ばかりがマスコミの話題になりますが、エネルギー消費に占める割合から考えると、石油、石炭、天然ガスといった一番ベーシックな一次エネルギー資源の安定的な確保や省エネの一層の進展こそがクリティカルに重要だと言うことを、改めて認識しました。
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私たちが高校生ぐらいだったころ「石油の可採年数はあと60年ぐらい」とか言われて、「えっ?自分達が死ぬまでに石油はなくなるの?」と危機感を感じたのに、いつまで経っても石油は供給され続けている状況に不思議な気がしたことはありませんか?石油埋蔵量はどうやって見積もっているのか、可採年数が延び続けるからくりは?、そして石油を取引するオイルビジネスってどんな世界なのか、等のエネルギーの基本となる情報をかつてオイルビジネスに携わった著者が分かりやすく解説します。日本が抱えるエネルギー問題について、いたずらに危機感を煽ることなく、公正な立場からの解説に好感が持てます。
「停電がほとんどなく、電圧も非常に安定した日本の電力は世界的に見ても非常に上質な電力」であり、それを維持するためのコストは必要であるという著者の意見には説得力があります。食べ物もそうですが「安心・安全・高品質」にはコストが必要であるという極当たり前の事実を再認識させられます。
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【今こそ、教養としてのエネルギー複眼思考を】ホルムズ海峡封鎖で石油はどうなる?米国産LNGが貿易赤字を救う?資源ナショナリズムが高まる今こそ必要なエネルギーの基礎知識。
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★2014年10月26日読了『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門』岩瀬昇著 評価B+
主題は、石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?となっているが、実際は、現状のエネルギー関連の概観を解説してくれている丁寧な入門書。
大項目は以下のとおり
日本の輸入ガスはなぜ高いか?
進化するシェール革命
埋蔵量の謎
戦略物資から商品へ
もう一度エネルギー問題を考える
日本のエネルギー政策
著者の岩瀬氏は三井物産で、長年にわたりエネルギー関係に携わっていただけに、一般読者に非常に分かりやすい切り口とデータで世界のエネルギー事情を解説してくれている。
日本は一次エネルギー消費量は世界第5位(2013年)
石油44.1%、ガス22.2%、石炭27.1%、原子力0.7%、水力3.9%、再生エネルギー2.0% 石油換算474百万トン。2010年には、原子力は13.2%あり3.11の東日本大震災の福島の原発問題以降、石油、ガス、石炭に振り分けて、いることがよくわかった。意外と石炭にまだ頼っていることも私には驚きでもあった。
また、過去からのエネルギー消費量の推移を見ると、自動車、鉄道、船舶、航空機などの運輸部門への使用割合が、73年に比べて07年では、伸びは、約2倍の23.3%。家庭や商店、事務所などの使用割合は、31.4%で伸びは約2.5倍であり、この期間に冷暖房などの急速な拡大により、大きく消費割合が伸びているが分かった。ちなみに産業部門は、45.3%で伸びはほぼ1倍。生産の海外移転が進み、消費効率が上がったことで、消費量が伸びなかったことが説明されている。
また、アメリカで進むシェール革命は、ノウハウと技術力の賜物であることから、そう簡単には、他国で展開、追いつけるものではないことも解説される。ということは、日本近海の海底資源で期待されるメタンハイドレートも易々とはものに出来ないということになりますね。逆に、早く国をあげて技術確立に取り組み、ノウハウを蓄積し始めないと老人国の日本では資源を享受出来なくなるということになります。心配ですね。
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石油業界の入門書的な位置づけ。
日本のエネルギー政策、世界的な流れ、埋蔵量の考え方、石油というコモディティー市場について、非常にわかりやすく書かれてます。
第1章 日本の輸入ガスはなぜ高いか?
第2章 進化するシェール革命
第3章 「埋蔵量」のナゾ
第4章 戦略物資から商品へ
第5章 もう一度エネルギー問題を考える
第6章 日本のエネルギー政策
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自分も含めてみんなイメージでエネルギーの話をしているが、この本で基礎を知り、自分の意見に様々な誤解があったことに気がついた。エネルギーと多少関わりがある仕事に従事している中で大変参考になった。一度では完全に理解できなかったのでまた読み直す。
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商社で石油取引に実際に関わっていた著者に寄るリアルな本。日本のLNGガスが他に比べて高値なのは長期契約で契約している上に、ガス価格を石油価格と連動させる方式を電力会社がとっているためだと説明。スポットカーゴというスポットでの需給でプライシングされる方式が米国内で登場しており、このことが資源国のガス産出を後押ししていることも紹介。さらに、シェールガスは資源保有権が国ではなく地主にある米国で特別的に資本主義原理で開発が始まったという意見で、他の国での開発はまだまだ遅れる見込みという。要点が詰まっており、何度も読み返したい。但し、ガスと石油が双方に与える影響や、OPECとNOCのパワーバランス、米国の石油禁輸方針など、重要テーマについてはもっと書いて欲しかった。
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以前からシェール革命に興味を持っておりますので、この手の新書は読んでみようかと思いまして。
最近の原油安によって、コストのかかるシェールオイルは苦戦していると聞きますが、この先どうなるのかなぁなどと思いながら読ませていただきました(最近の原油安は、当然この本の出版時期よりも時間軸的には後のことになります)。
商社マンとして第一線でエネルギー関連業務に従事されてきた著者による全世界レベルでのエネルギー問題(力関係)を知ることのできる一冊です。
埋蔵量と資源量の違いなんてのも知ることが出来ました。
付箋は16枚付きました。