紙の本
妖艶に猟奇的。
2014/10/05 12:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:櫻真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい表紙に、それとあらすじに惹かれて手に取りました。
最初は単なるミステリーなのかと思い、どんなトリックか隠されているのだろう、美しき少女には一体どんなヒミツが隠されているのだろう、そう思いながら読み進めていました。
しかし、この作品はそんなところにとどまってはいなかった。
予想しない展開、秘密。
これはミステリーではない、けれど心の謎が散りばめられている。
人間の欲望、生きるということの意味、なぜ人はあがくのか。
読み終えて、納得です。
投稿元:
レビューを見る
【内容紹介】
ねぇ、私を殺せる? 背徳の新伝奇ミステリ。初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち……。自らも死を求める高校生・此花ねむりは同級生の失踪をきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには5年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた――。性(エロス)と死(タナトス)、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。
投稿元:
レビューを見る
フトモモへの偏愛は健在でその辺は安心したのだけど、これまでの著者の作品の方向とはチョッと異なり、片山憲太郎の「電波的な彼女」シリーズに似た印象を受けた。
しかし、主人公が怪事件を追うのではなく、その渦中にある群像を描いき収斂させる構造なので視点が定まらず、また登場する人物が多いわりにそれぞれの個性が薄く(名前も分かりにくい)、脳内でなかなか像を結ばず苦労した。
ストーリーは面白いのだから、誰かを中心に据えて描いた方が面白く、エッジが立ったように思う。また結末もいまいちインパクトに欠けるように思う。いろいろ残念な部分はあるが、著者の作品に新たな方向が示され、幅がまた少し拡がったようにも感じられて嬉しい。
投稿元:
レビューを見る
著者が確か創元デビューだったので、最後に全て解決するものだと思っていたら、怪奇要素はそのまま怪奇だったw
nexのカラーには合っていると感じたが、ミステリとしてはやや肩すかしというか、あまり予想外の驚きは無かった。怪奇部分は良かったので続刊が出たら買うと思う。
投稿元:
レビューを見る
基本は嘆美系のホラー。ちょっとミステリーの要素もあります。
何人かの視点で物語が進行しますが、ちょっと焦点がぼやけちゃった印象。個人的にはもっと紫視点でもよかった気がする。オチはちょっと唐突な感じ。
血の量はかなり多いですが、それほどスプラッターな感じではないです。
投稿元:
レビューを見る
女の子の不安定な感情が爆発するときのエネルギーってこんなものかと感じる。
ミステリ要素もあるけど全体的にはメフィストっぽい伝奇ものって感じ。
投稿元:
レビューを見る
面白かった!表紙も綺麗で…。
ただ、突出して面白いとは思えないかな。
本格ミステリーで疲れたときに読む、間に読む本かな、と。重くなくていい。
投稿元:
レビューを見る
相沢沙呼さんにこれを書かせるのかNEX…が第一印象.
個人的には日常の謎系ミステリ(と,ヘタレ主人公とエッジの効いたヒロイン)の印象なので,かなりびっくり.
文章はとても上手な方なので,エロくてグロいところも面白くグッとくるし,作品の幅が広がるのは喜ばしいことなのだけど,やはり相沢沙呼さんは日常の謎系で読みたい.
投稿元:
レビューを見る
耽美的、背徳的でちょっと官能的な伝奇ホラーサスペンス。猟奇殺人、都市伝説、少女たちに広まる麻薬など怪しい要素満載。そして美少女も満載。百合百合しさも満載。
怪事件を追いかける物語としては焦点が分散してしまっていて、吸引力は低め。ただ、そもそも怪事件が起こる舞台設定なだけで、怪事件を解き明かす物語ではないのかもしれない。
自分は、非日常的な伝奇もの舞台の中で、それこそ特殊な事情を持つ主人公の少女の苦悩が描き出されていく物語として読みました。少女の友人への想い、死への渇望と葛藤、孤独、不安がぐさぐさと感情を刺激してきて、ほんと痛ましく愛おしいです。
この本は、少女たちへの感情移入ができるかどうかで読んだ印象がかなり変わってきそうですね。
世界観は好み。伝奇もの好きですし、すっと作品世界にはまれました。
ちょっとしか出ない印象的な人物もいましたし、この世界観でまた作品が出るなら読みたいです。探偵さんメインの話も期待。
投稿元:
レビューを見る
女子高生、連続殺人、麻薬、
表紙イラストが妖艶で良いですね。
ちょいエロちょいグロのストーリーともマッチしているので表紙が気になった方は楽しめるかと思います。
主人公の『此花ねむり』がとても魅力的。
この一冊での余韻も良いですが、このあとどうなるか、結末はどうなるか、続きが読みたいです。
★3
投稿元:
レビューを見る
狼に喰い千切られたかのような少女の遺体が連続して見つかる。美しい金髪の少女”此花ねむり”は鈴原楓という少女との出会いをきっかけに事件とそれに関連しているとみられる薬物について調べ始める。
相沢さんの作風は日常の謎と丁寧な少女の描写の印象が強かったですが、今作は耽美で背徳的、そして官能的な面もある伝奇。今までの作風と全く違う作品ながら、
少女たちの恍惚としたシーンの筆力がかなりのもので、相沢さんはこんな作風でも書けるのか、と意外に思ったとともに多才な方なんだな、と思いました。
ミステリとしては展開が急な印象は受けましたが、この作品はミステリというよりも、上にも書いたように耽美で背徳な伝奇として、
そして何よりも真相に近づくにつれ明らかになってくる逸脱者たちの絶望と孤独、かすかな希望を描いた物語のように思います。
そうした絶望や孤独は今までの相沢さんが描いてきた普通の少女たちの抱えてきたものと、どこか似ているようにも思います。
そのため相沢さんの新境地を開いた作品でありながらも、しっかりと相沢さんらしさを残した物語だと個人的には思いました。
話としてはこの本でまとまっていますが、その後について明言されていない登場人物もいて、続編もあり得そうな雰囲気なのでぜひとも期待したいところです!
投稿元:
レビューを見る
初読み作家さん。猟奇的な連続殺人事件に絡んでしまった悩める女子高生たちの物語。結構グロい描写が多くて驚き。生きることに対する主人公たちの葛藤がテーマだけど、キャラに血が通っているような感じが全然せず、あまり残るものがなかった。ストーリーも淡々としてるというか、恋や友情が生まれるような話でもないのにあっさり友情できてて違和感だし、ラストがそうなら惹かれ合う以外の伏線ほしかったなーと…(自分が見落としてるだけかな)。若い子向けの作品かな。
投稿元:
レビューを見る
これはライトノベルなんでしょうかね?ちょっとよくわかりませんが。元々別のシリーズものもライトっぽい感じではあるけど、これはより顕著というか。
いつも通りの学園ミステリのノリでのミステリかと思ったら急に超能力バトルみたいなことはじめて・・・ちょっと面白さがわかりませんでした。感想としては「普通につまらない」。
あとやたらと「昭和の官能小説」みたいな描写が入るのがちょっと面白かったです。笑えるという意味で。どんな女子高生だよ。
投稿元:
レビューを見る
少女たちの謎の死を巡るホラー。美少女がいっぱい登場して耽美な雰囲気ながら、ホラーとしてもわりと派手。人ならざる者の苦しみや悲しみが描かれている面は、かなり繊細で抒情的でもあります。ライトノベルテイストだけれど、読み心地はそれほどライトじゃないかも。
終盤の展開はけっこう意外でした。まさかあの人もああだったとは……!
投稿元:
レビューを見る
”スキュラ&カリュブディス: 死の口吻”相沢沙呼著 新潮文庫nex(2014/09発売)
(イラスト:清原絋)
・・・初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた―。性と死、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。(公式サイトより)
・・・読みやすい話でしたが、グロ多め。お薦めしにくい。
まぁ、こういう厭世感のある少女も大阪に20年住めばただのオバちゃんになんねんけどなぁ・・・。
(そういう話とはまったく違いますが(笑))