紙の本
泣きました。
2015/01/07 02:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:奈未 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後あたりの、主人公の心情の変化や、周りの人物の素っ気なさというか…うまく言えませんが、自分と他人との壁が、悲しくなって泣けました。
主人公のまさに、真夜中の光のようにぼんやりと霞んでいる姿が想像でき、好きな人のことで苦しんでいるのが印象的です。まだ私は専門学生で十代でこどもぽいし、そういう経験がないから、なんとも大人な恋愛だなとおもいながら、なぜだか泣きながら読みました。もっと大人になったら再読したい。そう思います。
この作品を読むきっかけは、電車でスーツ姿のおじさんが読んでいたことです。私は大抵、電車で見掛けた知らない他人がよんでいる本に興味がいってしまうのてす。(どうでも良いですが。)
とにかくもうそのおじさんがどんな人だったのか、思い出せませんが、なんとなく、三束さんを想像するとき、その人が思い出されます。最後の三束さんの…うーん。恋愛とはこういうものなんでしょうか。
電子書籍
おすすめです!
2017/03/30 17:46
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まつのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく洗練された文体の素敵なラブストーリーです(最初はラブストーリーだとわかりませんが・・・)ハイライトとなる冬子と聖のやりとりはぐっとくるものがあります。なんとなく乳と卵のハイライトにも似ていますが。こういう女性らしい感情の爆発のさせかたは川上未映子ならではです。ご主人の阿部和重さんの影響かな?と思う箇所もあり、とても興味深いです。
紙の本
好きな人を思い出す
2022/07/12 22:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつみかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいると好きな人を思い出す、そんなストーリーでした。優しい時間と、切ない時間と、いろんな気持ちになる本でした。
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惹かれ合い、お互いを思いながらもいつのまにか自分を着飾り、本当の自分をさらけ出すことはできなかった冬子と三束さん。結末が切なかった。
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意外にストレートな恋愛小説だった。
短編ではけっこう変わった小説を書いている印象があったので、普通っぽさに驚いたw
ややたどたどしい印象の文体が、主人公の性格に合っていたように思う。
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多分、冬子さんみたいな人はどこにでもいるし、こういう人同士の恋愛もよくあるんじゃないかと思う。こんな風に、なんの形にもならない恋、のようなものも。
だけど、人とのかかわり方の下手さが自分と重なりすぎて、慣れていないから恋をした時の何もかもが新鮮な気持ちとか、これから先に起こるかもしれないことを想像して夢にまで見てしまう、その純粋なようで痛々しいくらい経験不足なところとか、何だか客観的に突きつけられた気がして悲しかった。たとえそこまでではないとしても。
全体的に優しくて、でもところどころ厳しかった。
言い合いになった時に聖が言ったことは、厳しいけれど
正論だなあと思う。他人とうまくやっていくにはエネルギーを使うから、しんどいんだよね。だけど、それを放棄したらどんどんひとりになっていってしまう。それでいいと思っていても、実際そうなってみないと分からないことの方が多いんだけども。
あってもなくても何も変わらないような小さなことを書いた話かもしれないけど、心が痛かった。
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とても文章は綺麗なのだけど、淡々とした日々と主人公のなんだかわからない心情に後半読み進めるのが辛かった。
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たまには、
と思ったんだけど、向いてないかな。
とにかく読み切るのに時間がかかった。
作中のどの人物にも肩入れできなかったし、
ラストも今ひとつ好みじゃない。
俺には向かなかった。
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突き刺さる言葉、まだ痛みを感じることができるなら。
自分を映す鏡になってくれるのは、自分のなかにいる
もう一人の知らない自分。
とてもゆっくりと、でも確かに忘れていく大切なこと。
いまを見る、明日を見る、過去を見続ける。
信じる気持ちがあれば。
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冬子と三束さんが出会い、心を交換し合えたこと。
みじかくとも、その奇跡みたいな美しさをうらやましく思う。
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(レビュー・感想というより、読むに至った経緯)
平台に置かれているのを発見。題名に惹かれて読むに至る。
"選ぶこと"をしなかった主人公が、
恋したおかげ(?)で自分の道を進みだすお話。
切ないけれどそれも恋。
愛していたら、なんでも、よかったんだろうか。
例え相手が嘘をついていたとしても。
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ゆっくり読み終えた話でした。
仕事してお酒飲んで…昼間から飲んで。
自分もある時期そんな生活をしてた時を思い出しました。悪い事ではないと思う、
そうでもしてないと自分をコントロールできず。
今はすっかり生活に慣れ、冬子さんと重なった部分に共感した話でした☆
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「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。私は、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信が持てない、誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々の中で三束さんにであった--。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
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水筒に日本酒を満たして、冬子さんは外出する。
光と色の関係は、冬子さんと三束さん、双方の関係性であったのかもしれない。
三束さんは、冬子さんよりずっと年上の年配の異性だったけれど、彼女のわずかな光を受けとめ、わずかに反射するその色を彼女に見せてあげることができた。
一方で三束さんも、冬子さんの心の拠り所となっていくにつれ、彼自身の光も受けとめられ、反射する光のなかに語られることのなかった彼の姿を見せてもらえたのだろう。
すべて真夜中の恋人たち。
ショパンの子守唄が聴こえる。
20141206
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今日本屋で買ってきたのだが、すでに以前図書館で借りて読んでいた…。
その時のレビューはこちら。
http://booklog.jp/users/leepon/archives/1/4062172860
読みながら、静かに泣いた。
三束さん、と冬子が呼ぶたびに心がきゅっと絞られた。
ふたりは、光のことについて真剣にしゃべる。
そこだけが照らされているような。
忘れられていく日々の、確かな愛しさ。