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NHKに竹内さんが出ていたのをたまたま見た。登山家というイメージから遠い、オシャレな人で興味を持った。この本は、写真家の小林さんから見た竹内さんが書かれており、その描写が面白い。一緒に山を登るが、靴が全く汚れていなくて驚愕とか。読み終えた後、14座を登るのは、まったく壮絶な事だと分かった。また、竹内さんの予想を上回るインタビューの返答に圧倒された。その流れで竹内さんのブログを見つけのぞいてみたら、オシャレな竹内さんが呑気に釣りをしているのをポップな文体で書いており、またびっくりした。
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竹内さんを取り上げた本を読み慣れている方にとっては、復習のような内容だと思います。ただ、これまでに出版されている本のほとんどは、山を下りてきてからの語りを文章にしていたのですが、本書は著者が竹内さんの山行に同行していることにより、山の中での彼の姿や語りがリアルに感じられました。
14座を登り終えて、今、彼が目指しているもの、彼流に整理された思考を知るにはよいと思います。
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「職人」
プロ登山家・竹内洋岳を表すならこの言葉なのだろう。
死の危険に晒される8000m級の山を登り続ける人に「何故山に登るのか?」と疑問に思う人は数多いと思うが、何十年続けてもまだまだ道半ばと答える物作りの職人に同じ問いを発する人はいないだろう。
それと同じ。好きだから。面白いから。ただ山に登る。登山は想像のスポーツと言い切るこの登山家の言葉は、登山だけでなく普遍的な全ての事に通ずる。シンプルで当たり前な。だからこそ惹きつけられる。この人はプロなのだ。
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14サミッター竹内洋岳の考え方に触れた本。
タイトルもそうだが、章題となっている言葉だけでも、なるほどなと思わされるものが多い。
「運は存在しない」「経験は積むものではなく、並べるもの」「適応できなかったら逃げろ、生きるために」「山に限らず、日常生活も判断の連続」
著者の小林紀晴が日本の山に同行して、道中の竹内の様子を描写するのだが、一般人である自分と竹内を比べて自分がどうだこうだという記述が多く、竹内の人なりに迫る勢いがない。また竹内がどう思っているのか、というところでは「…と思っているのではないだろうか」とか、「言うべきかとおもったが・・・言葉を飲み込んだ」と、インタビューもせずに、ただただ一緒にいるだけという気がしてならなかった。「私の想像は空回りしながら膨らんでいった」って、そりゃそうだろう、もっと突っ込んで話をしろよ!と思う箇所多数!(笑) まぁ、それだけ竹内洋岳が近寄りがたい存在というか、凡人の思考の及ばない域に達しているのかもしれないな、と思いながら読み進んだ。
(一般人と差が判るという点では、ありなのかもしれないが)
そんな天狗岳の山行と、竹内の過去の壮絶な遍歴のモノローグが交互に配されて進むが、モノローグの章の前につく作者の文章も、これから語る竹内の言葉の要約に過ぎず、付記する意味が分からなかった。
竹内洋岳の言葉、過去の話は読みごたえあり、得るものも大きかったので、本としては○なんだけど、なんだかなぁの一冊でした。結論、著者の文章は要らなかったのでは? 本業のカメラマンとして同行した山での写真を添えて、竹内洋岳の本として出したのでよかったのでは?
(言い過ぎた。 写真に添えて著者の感慨を付すのはありと思った。)
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たしか西田善太さんがtwitterで紹介していて気になってリストに加えた本。登山家の本は山野井さんの本を読んだことがあるくらいで、自分で登山をするわけでもないのだけれど。
言葉に徹底的に迷いがない。「経験は積むものではなく、並べるもの」の一節に強く惹かれると同時に共感を覚えた。
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写真家、小林紀晴が竹内洋岳を、インタビューという形で取材をしている。
それも八ヶ岳の天狗岳へ向かいながらのインタビュー。
さぞや臨場感あふれるものかと思いきや、歩くスピードが違うし、休憩のスタイルも違うふたり、いつも小林さんが竹内さんをぜいぜいと追いかけている。撮る写真は竹内さんの後ろ姿ばかり。
そんなこんなで引け目を感じているのか、遠慮しているのか十分な取材ができているとは思えない内容だ。
そもそもかたやプロの登山家、かたやカメラマン、肩を並べようとする方が無理だし、そんなに構えなくても素人らしく普通に取材して欲しかったな。
もっと下世話な竹内さんの私生活とか、子どもさんとの日常とか・・・
世界の8000m峰登頂のことや、雪崩で九死に一生を得た事などはもう知っているわけだし・・・
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インタビューとしては少し間が抜けてる本だけど、洋岳さんの思考回路とか、そういうところはなるほどと思わされる。
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心弱っている時、本屋で見つける。題名を見て、そうだよな、こんな時だからこそ、自分を見つめて頑張らねばと思い興味を引く。山好きだし。
8,000メートル以上の14座全て登頂する事を14サミッターというんだ。竹内洋岳氏の話。一緒に登山した著者が書く。最初、自分で書いた本じゃないんだ、と少し物足りなく思うが、著者の目線も面白く、楽しく読めたな。同じく山を登る著者の、竹内氏と一緒に山に登るが考え方や、技術の差などの負い目目線も面白い。また山に登りたいな。
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地球上に存在する8000mを超える山は14峰。
その山々を登頂した者を14サミッターと呼ぶ。
プロ登山家、竹内洋岳。
著者と竹内氏が2013年、八ヶ岳連邦に属する山、天狗岳へ登山に行った際の会話に含め、過去の山に関するインタビューを回想している。
天狗岳は2646mで二つの頂、東天狗と西天狗からなる山である。東天狗は2640m、そこから一度下り西の山頂である西天狗へ進む。
私も残雪期に登った経験がある。山頂付近は茶色い土と雪の混ざった道だったと記憶している。
さて、本書では竹内氏のこれまでの偉大な記録を振り返ると言うよりも、登山に関する哲学的なことに触れることが多い。
『登山に当たって運というものはない』
『経験は積むのではなく、横に並べる』
などなど、学ばされることが沢山ある。
内容からは、8000m峰の凄まじい環境はイマイチ掴み取ることはできないかもしれない。
本当はもっと評価されるべきである登山家だが、こういった大記録を持ち、ハングリー精神の塊である登山家たちは、皆揃って名誉などには興味がない。
自分が満足できる登山を続けてゆくことが重要である。
長く見ていたい登山家の一人だ。
読了。