紙の本
シャーロックホームズって面白い!
2021/12/17 09:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
全集をようやく読み終えた。ワトソンの記述による作品群とばかり思っていたら、本作ではホームズの語りが有ったり、第三者(ドイル?)による語りが有ったりと「目から鱗」的発見があった。
以前までは、本格ミステリーとしての謎解きをメインで読んだり、クリスティーが好きで読んでいたこともあり、解決場面でご都合主義的に突然ホームズが調べたネタが提供されたりすることも多々あり、好きになれなかった。むしろ、二時間ドラマ的で軽くみていた。
今回全集を読んで感じたたのは(歳のせいもあるかもしれないが)、このご都合主義的な部分がすんなりと受け入れられ、非常に面白く読めたこと。まぁ、これだけ二時間ドラマをはじめ事件もののドラマがあれば、ご都合主義にも慣れる。
ホームズの作品群、アイデア群は多くのミステリーやドラムの案に上手く使われているような気がして、ドイルの卓見と発想を称えなければならないと思う。
ただ、長編小説は「バスカヴィル家の犬」を除いて、いただけないと私は感じた。ホームズを読むなら短編に限ると思う。
ホームズが私立探偵であることもあり、必ずしも事件性のある話ばかりでもない。また、情のない男にみえるホームズが必ずしも犯人(?)を警察に告げずに、自分の胸の内に納めて、犯人(?)の将来(幸せ)を願う結末があり、何よりもホッコリさせられることもあり、ナイスガイだと思う。
権威ぶったり、うがった気持ちを捨てて、虚心坦懐素直に読むと非常に面白いと思う。きっと楽しい時間を過ごせると思う。私は満足した!
投稿元:
レビューを見る
河出文庫版、シャーロック・ホームズ全集の最終巻。
こちらもイマイチ記憶に残っていない……新潮文庫版で読んだことは確かなのだが。
『ホームズものは後半になるに従ってパッとしない短篇が増える』とはよく言われることだが、そのせいだろうかw ミステリ的にはそうかもしれないが、パッとしないというよりは、『ドイルのSF・冒険小説指向が強く出ている』と言われた方が納得出来るなぁ。
投稿元:
レビューを見る
《高名な依頼人》、《這う男》など数々の難事件を鮮やかに解決するホームズともついにお別れ。40年間の「ホームズ物語が幕を閉じる、最後の短編集。決定版「シャーロック・ホームズ全集」の最終巻。
投稿元:
レビューを見る
「見たまえ、ワトスン、カンバーバッチ氏が結婚すると新聞の私事広告欄に出ているよ」
「ああ、君の役をやった俳優さんだね」
「僕は新聞広告欄はすべて見ているからね。しかしこの『事件簿』には電話が登場するんだよ。日ごろ役に立たないと言っているホームズ全集の注釈だがね、今回はなかなか役に立ったね。ロンドンに最初に電話が敷かれたのは1876年のことだそうだ」
「すると君と出会う前からロンドンにはもう電話はあったわけだ」
「ドイル氏が自分の便箋に電話番号を入れたのが1908年のことだそうだから、電話が一般にどれだけ普及したかということとはギャップがあるのだろうがね」
「僕らの場合、遠距離の連絡はもっぱら電報で、不特定多数への連絡は新聞広告だったね」
「そうなんだ。それが「三人ガリデブ」では僕の部屋にいきなり電話帳が登場するからね。『事件簿』の諸編が発表されたのは1920年代だから、もう時代はだいぶ変わっていたのさ。そのせいもあるのか『事件簿』の作品の出来は他より落ちると批評されているようだね」
「それは君が二編も自分で執筆したからだろう」
「それについては、ワトスン、君の文学的修辞技術に脱帽するしかないんだがね。ただ、「這う男」や「白面の兵士」などは後の医学的知識からしたらもはや古すぎるのだね」
「しかし、吸血鬼の存在を一笑に付す、「サセックスの吸血鬼」は君の面目躍如というところではないかね」
「まあそうだね。もっとも失敗作といえども話に工夫を凝らそうとした結果といえるだろう。僕が引退してのちに遭遇した事件とか、依頼人が犯人だとか珍しい話が収められているよ。もっとも「三人ガリデブ」はかなり奇抜な話だが、結局「赤毛連盟」の同工異曲だったりはするがね」
「これで君の事件記録とお別れというのも淋しい限りだ」
「なに、僕はもう引退した身だからね。この先も偽作者たちが僕らの新しい物語を紡いでいくだろうから、淋しいことはないんだよ」
投稿元:
レビューを見る
ついに全部読み終えてしまったー
初期の頃とは雰囲気は違うように思う。ライオンのたてがみなんかは、007映画にも使われそうなタネだし、影響を受けた作品は多いんだろうな
投稿元:
レビューを見る
シャーロック・ホームズ物は、すべて読んだつもりでいました。でも、ホームズ自身が書いたというものや、ワトソンが出てこずに第三者的視点で書かれたものなどの存在は、すっかりと忘れていました。本書には、そのような作品が含まれています。
それと、ワトソンが、ホームズとは別れて暮らしているのは知って(覚えて)いましたが、それでも、ベーカー街での共同生活の方が多く、それぞれ別に生活している方が数少ないと思っていましたが、逆でしたね。
昔の記憶と言うものは、あてにならないものですね。