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数年前に死んだ同級生が写真に写ってる?
パズルを解くような感覚で推理は進む。高校時代から遡りストーリーが展開する。
オチもアクロバティックさは無く本格で良く出来ていた。
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久々に文句なく面白い小説を読んだ気がする!!
2010年、主人公たちは一枚の写真を目にする。その写真が撮られたのは1992年。しかしそこには1988年に死んだはずの少女が映り込んでいた。
ストーリーは過去編と現在編からなっていて、過去編にあたる1〜3部は、少女とその死をめぐる一連のお話。現在編にあたる4〜6部は、主人公を含めた3人の人間が、写真の謎をめぐって、あーでもないこーでもないと議論をかわす、安槻シリーズに見られたような論理組立型の推理編です。
最終的に「うわー、マジで?」と感嘆するミステリーは久しぶり。
そして推理編の鮮やかさもさることながら、(いつも書いている気がするけど)西澤保彦のおもしろさはやっぱり人の心理描写にあると思うわけです
(解説でも「西澤保彦のキモは動機にある」って書かれてて、「同じ意見の人がいる!」て思ったw)。
今回もやっぱり嫉妬やプライドなど、人のドロドロした部分がありのままに描かれていて、それが余計に事件全体のやるせなさを増長させる。
エピローグなんかはとくに。
でも、ちょっと切ない気持ちにはなるものの、後味は悪くないのが西澤マジック。
いやー、いい本読んだなー☆
これはホントに満足のいく1冊でした!
あ、そんなに大したことではないんだけど、190頁のフラグって回収されてなくない…?
気になるので、ご存じの方、ぜひ教えてください〜。
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1人の高校生の出来心がやがて悲劇を引き起こしていく・・。冒頭の心霊写真からサスペンスの予感がして、ハラハラしながら読みました。面白かったですが、肝心の心霊写真の正体は拍子抜け。白洲先生、回りくどいよ・・・。それと、文章中に「その時はまだ気付かなかった」的な表現が割と出てくるのが気になりました。
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捻りの効いた本格ミス。著者の名人芸の一角といえる“議論もの”。
喧々諤々の議論により、印象的な脇道や効果的なミスリード、あるいは新たな伏線となる説…と、様々な推理を重ね、真相ににじり寄っていく様は、何度味わっても独特で見事。
今回はまた、殺人と悪事のフー&ホワイダニットと平行し、幽霊の「あるべき論」が論議されるのも面白かった。
そして、導入から展開、つまり前半部の描きっぷりにもいい。起承転結のうち前二つにも意外性や独自性が込められており、他作と似た印象でもワンパターンでは決してないので、全く読み弛まない。ノンシリーズの本作で、改めて感じた。
ちなみに、大矢博子のあとがきもなかなか。本作の魅力語りはそこまで同意できないが、著者作に通ずる業の下りはなるほどと思った。
4-
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18年前の写真に、その4年前に亡くなった人が写っているという中々ショッキングなプロローグ。タックタカチシリーズのように、後半は作家と書評家と編集者という3人が集まって飲み食いしながら(こちらは酒豪ばかりではありませんが)推理を巡らせることで真相を考えていく手法になっていました。推理の途中で私にも真相は想像がつきましたが、悲痛な叫びが聞こえてくるようでとても痛かったです。例によって想像の域を出ずに終わりますがすとんと腑に落ちるエピローグで納得の西澤作品でした。ただ幽霊の存在意義だけはちょっと甘い気がします。
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あらすじから受けた印象は黒後家蜘蛛の会的なものを予想していたのだが、推理合戦というよりも「匠千暁シリーズ」の四人のようにあーでもないこーでもないと言い合いながら少しずつ事件の真相がわかっていく、という感じで正直あまり新鮮味はなかった。同じような形式の「聯愁殺」が良すぎたせいもあるかもしれないが今作は小粒にまとまったなぁという感じ。全体を通してミステリの比重が大きくないというのも個人的にはちょっと物足りなかった。