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最初タイトルを見た時、スポーツ系ミステリ?と思ったのだけど。
子どもが被害者である二つの痛ましい事故。その事故が実は殺人であった、しかも容疑者がその家族?
なんだか不穏ないやあ~な雰囲気を醸されつつ読んでいく。
被害者である妻と息子の告発メール。容疑者とされる夫の証言。関係者による語り。その全てが食い違い真実が見えなくなっていく。
一旦事件は解決する。もやもやとしたいらだちを抱えたままページをめくるとそこから本当の「事件」の目的が明らかになっていく。
「敗者の告白」このタイトル、すごい。そう。「敗者」である理由に少し心が落ち着いた。
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妻子が亡くなった事件についてインタビュー形式で描かれていきます。
第三者の証言が積み重ねられていくにつれ、妻の印象がどんどん悪くなっていく描き方と凝りに凝ったプロットは相変わらず素晴らしいです。
しかし、弁護士の推理が想像と憶測によるものでいまいち説得力が弱いですし、真相も意外性が足りません。良作であることは間違いないのですが、同じ設定の過去作と比べるとやや劣る印象です。
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鬼畜の家と似た雰囲気でありながら、更に犯人の心情を掘り下げ、人間らしく感じたことで、ストンと読んでいて綺麗にまとまった感があった。
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これまた凝りに凝ったミステリで先が全く読めませんでした。ただ、あまりに懲りすぎたせいか少しご都合主義を感じてしまったので★一つ減点。とは言え、面白いことに間違いはありません。
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よくできたミステリ。どんでん返しがいくつもあって、えっ!ええっ‼︎えええっ((((;゚Д゚)))))))と思って、最終的な座りもよかった。
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山梨の別荘で母と子が転落死した事件。容疑者となった父の主張、死んだ2人の残したメール、弁護人が集めた関係者の証言は食い違う。やがて明らかになる、陰惨な事件に隠された巧妙な犯罪計画とは…。
母親が死ぬ間際に出版社に自分は殺されるとメール
息子は猟奇殺人者で実の妹を風呂で水死させた
子供は祖母に父と母が自分を殺そうとしている
このメールは容疑者の父によるものだった。
息子が自分の子ではなく親友の子であることを娘の葬式で知る。ボランティア活動で体得した読唇術でわかった。
娘の死の原因は不倫の長電話。
復讐の対象は親友。猟奇殺人の血が流れていると思わせたかった。実際、妻の不倫は激しく、弁護士が調べると次々と証拠が出てくる。裁判では無罪だが、弁護士が「いつ実子でないことを知ったのか?」から犯人は父親であることがわかったが時既に遅し。
可哀想なのは死んだ子供。自分がなぜこんなめに会うのかわからない。普段の行動から、それを知っていたかのようだった。
父親は会社を人出に渡し、4年後自殺。
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山梨の別荘で母と子が転落死した事件。容疑者となった父の主張、死んだ2人の残したメール、弁護人が集めた関係者の証言は食い違う。やがて明らかになる巧妙な犯罪計画とは…。緊迫の本格ミステリ。
二転三転、そして驚きの結末…。本格ミステリの名に恥じないと思うけど、描写がいちいちクドすぎて読んでいて疲れた。作者は弁護士というが、本作を書いた動機を推測すると深いものがありそうだ。
(B)
2015年の読書はこれで終了。121冊(1冊は雑誌)読んでA評価は6冊(前年比+2)、B評価で☆5つが7冊(前年比+5)でした。
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本村弘樹の妻 瑞香と長男の朋樹が別荘の2階から崖下に転落して死亡する事件が発端だが,関係者の証言などを列挙する形で話が展開する.瑞香が雑誌編集者に送った電子メールで弘樹が犯人として逮捕されるが,朋樹の祖母にメールを送っており,弘樹の殺意をほのめかしていた.弘樹の友人の溝口雄二は不動産業で弘樹の別荘を斡旋した関係で親しく付き合ってきた.次第に瑞香の論調に破たんが出て,奔放の男性関係も顕在化してきて,弘樹の無実という供述も正当化されてくる.裁判では無罪となって話が終わりそうだが,弁護士の睦月怜の書簡が出てくる第4章は圧巻だ.
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手記はなかなか面白かった。
事件の構図を炙りだしながら、二転三転する物語を盛り上げている。事件から終盤までは傑作だと思っていました。
ただ真相はまあ、そうだよね。って感じでしたが、しかし伏線など張りまくられた作品でミステリとしてなかなかです。
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手記、証言、調書、メール等様々な媒体を使って視点を変えてストーリーを進めさせる手法は見事に成功したミステリー(そうした本はよくありますが、この本は読者にそれらの文章上手に見せていていました)
しかも主人公(私は弁護士だと思っています)が良い感じで表に出てこず、読者と一体化してこのミステリーに挑んでいる感じが良かったです。
ストーリーとして読了が良い・・・とは残念ながら言えませんが、作品としてはとても丁寧に作りこまれたものだと思いました。
この作者の他の作品を読んでみたいと思わせます。
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人はいろいろな理由で殺意を抱く。
そして、その殺意が誰に向くかは当人でなければわからない。
まったく理不尽なこじつけで殺されたのでは浮かばれない。
殺された時点で浮かばれないのは同じなのかもしれないけれど・・・。
独りよがりの愛情は、結局相手も不幸にする。
独りよがりの復讐は、結局自分をも不幸にする。
予想を裏切る衝撃に結末と帯にはあったけれど、ある意味、予想通りの結末に人の身勝手さがもたらす無情さを感じた。
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事件はある母子が別荘のベランダから転落死したところから始まる。登場人物は、IT関連の会社社長・本村弘樹、妻の瑞香、息子の朋樹、娘の由香。本村の山梨の別荘の隣人で友人の溝口雄二とその妻・佐木子。
瑞香と朋樹の転落死、それが弘樹による殺人だとみなされ、逮捕される。それは死者の告発として、瑞香が知り合いの雑誌編集者に宛てた手記があり、そこに自分と息子が夫に殺されそうだと記してあったから。更には朋樹まで祖母宛にメールを送っていて、自身が両親に殺されるかもと、書いてあったのだ。
小説の様式も変わっていて、弁護士に話をしているかのような文章、供述調書や供述など、もと弁護士ならではなのかなぁと思った。
ラストも無事無罪を勝ち取ったように思えた弘樹、じつは…というところもよかった。
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山梨の別荘で母と子が転落死した。
死んだ2人の残したメール、容疑者となった父の供述調書、弁護人が集めた陳述書などから事件が語られていく。
誰が真実を語り、誰が嘘をついているのか。
好きな手法で面白くはあったが、一人ひとりの証言が長くて、テンポよく読めなかった。
(図書館)
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つらみ。結局犠牲になったのは子供。
一人の女性を、いろんな人から見たお話とも言えるのかもしれない。
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同じ時間に同じ場所でひとつの事柄を経験した二人の人間が、正反対の事実を述べて第三者に判定を求める。よく考えれば、裁判とはおかしなものです。(本文より)
視点が変わるとみえる景色が反転する、この著者らしい作品。
最後まで事実はわからない。