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カフェの棚にあり何気なく手にとった本。
ページをめくって興奮がさめやらず、その日のうちにすぐこの本を買った。
アンティークの家具や雑貨、什器、古びたレースや紙モノ、そして、サンゴや鉱石・植物、鳥の羽などの生物や自然がうみだした美しいもの…
そういうものたちが、ご自身もアンティークショップを経営していらっしゃる著者・吉村みゆきさんの独特な感性によって飾られた部屋・キャビネット等が紹介されている。
朽ちや色褪せ、ほつれ等、長い年月を経てきたことを感じさせるものが並んだその空間は、古く不思議な物語の世界の住人の部屋の一角を覗いたよう。
そして今やすっかり定着した断捨離・ミニマリズムの真逆を行く物の多さ・密度。
幼いこどもたちの宝箱のように、"好奇心"を余すことなく詰め込んだ空間なのだと思う。
丁寧に撮られた写真も美しく、紹介されているものたちひとつひとつを見ているだけでもときめく。
スペース的にも財力的にも足りるものがなく、また多くの物をうまくまとめあげるセンスが私には欠けるので自分の部屋にこの世界観を再現するのは難しいけれど、同じくしてアンティークや自然のうんだ美しいもの好きとして、インスピレーションの源として大切な、出会えて良かったと思う本の一冊。