紙の本
秀逸なカジノ小説
2017/03/23 03:02
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクション作家が、小説を書いたというので期待していなかったが、ところがどっこい、最後まで一気読みしてしまった。沢木耕太郎が描くカジノといえば『深夜特急』香港篇の「大小」だが、この作品はそれをバカラに置き換えて、文学的レベルまで見事に昇華している。バカラにおける出目の流れを、サーフィンにおける波になぞらえ、聴覚と視覚にビビッドに訴えかけてくる。さすがとしか言いようがない。
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ダメでした。沢木耕太郎の文章はいつも一気読みなのに、それこそ波に乗れずだらだら。。。
ダメな主な理由は、1、モテすぎ 2、カッコつけすぎ 3、清潔ぶりすぎ、かな。
文章平板、人物平板、濡れ場平板。
彼の平板で対象との距離感のある文体は、ノンフィクションでこそ生きるもので、小説向きではないのではないか。相変わらず「いや、」も多く、これでは「いや、」の効力が減ってしまっていないか。
そして、セリフでの説明が多すぎる。
これはノンフィクションではなくフィクションだというだけで、残念ながら「小説」ではないように思う。。。
ユリア、李蘭、劉の罪も、肯定まではしてないまでも容認寄り(必要悪ってこと?)なのが気にかかる。沢木が容認しちゃいかんでしょう。
バカラのシーンだけが、突出してエキサイティングで面白くて美しくさえ感じられるほど。
ふと、全てが残酷なのにミュージックシーンだけが突出して美しい「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思い出す。
読まなくてもいいかなってほどだった。残念。
すみません。
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著者の書いたものは、『深夜特急』以来読んでいる。今回は、著者はバカラをスポーツとして描きたかったのではないか。元来、スポーツ選手の内面を得意とする筆者ではあるし、バカラの場面展開が野球の攻守が変わる場面とかを想像させる。鍛錬とか練習と突きつめた選手が主人公であるかのように見受けられた。そういう意味に置いてこの小説の最後がどうだろうと関係のない感じもする。年始から博打の、退廃的な小説はどうかなと思うが・・・
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カジノが中心の物語なんだけど、ゲームはバカラ、親がいて子がいてそれぞれに配られたカードの数の大きいほうが勝ちという至って単純なゲーム。
ゲームの成り立ち、ゲーム台の説明、チップの賭け方、カードのめくり方、席の取り方そして目の読み方・・・
それはそれは事細かに綴られる、勿論興味がなっかたら飛ばしても本編にさして影響はないと思われるけど、読んでいて面白い。もうすごい臨場感。ピリピリした緊張感や落胆の溜息など目の前で見ているよう。
そしてちょっとゲームに飽きてきたころ、主人公の過去がフラッシュバックのように語られる。
サーフィンに目覚めた不遇の少年時代。本格的にのめり込みビッグウェイブを求めハワイへ渡る青年時代。
そしてカメラマンのアシスタント時代。
そんな生活をすべて捨てて偶然訪れたマカオで出会ったバカラ。
主人公が破滅的にのめり込むパターンとかだったら、先が読めてしまって多分読む気にならなかったと思うけど、違うの。理性的に冷静にゲームを分析していかに次の目を読むか・・・とことん必勝法を突き詰めるのだ。ふんふんなるほど~と納得してしまう。
そして彼を取り巻く、現地の娼婦や謎の日本人、この脇役たちがまた魅力的に描かれている。
しかしやっぱり博打は人間の理性を奪い取り、破滅へと導いていく、勝てないようになっているらしい。
もうそこでやめたらいいやん。せめて今夜のホテル代はポケットにしまっとき、とやきもきさせられることしばしば。
もう落ちるとこまで落ちたらええねん、、、
あ~でもどうするの?どうなるの? はよ目覚まし~~
心の中で何度となく絶叫した果ての結末は・・・
久々に読み応えのあるお話しでした。
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バカラの必勝法が有ると証明された訳ではないが、無いとも証明されていない。
バカラの必勝法を探る物語で、バカラの流れの考え方など詳細に描かれているので、実践でも非常に役に立つ一冊です。
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「深夜特急」の、あの香港マカオ編の煮えたぎるような興奮に痺れた者としては、たまらなく面白い本だった。
あのとき深夜特急を読んだときの想いをまた感じさせてくれた。
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マカオには行ったことないのですが、街の匂いとかが、感じられるような気がしました。バカラについては、よくわからないけど、雰囲気は、伝わってきた気がします。
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劉さんのみならず、主人公にも惚れたので、一体どうなるやらと嫌な汗をじわじわ掻きながら読み終えた。
明美さんが神か。
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最終章の最後のシーン直前までとても楽しく読めた小説。博才のない興味もない俺がとても楽しめるのだから間違いなく良質のカジノ小説だと思う。
沢木耕太郎のノンフィクションと聞いてちょっと不安な部分がありもしたが、バカラのシーンも無難以上にしっかりかけていて十分に読ませる。バカラのシーンだけでなく、サーフィンのシーン、カメラマン生活の描写、美女たちとの粋な間を重ねるコミュニケーション。主人公の生い立ち、そういう単景一つ一つが読ませるし、それらを積み重ねていく構成も見事。
それらを背景にしての、オーラス。バカラシーンは見事!神がかったような迫力にのめり込んでしまった。布団の中で手に汗握りってページを繰ってるのも忘れるぐらい本の世界に没頭。
あぁ、これが博徒どもを中毒にさせるヒリヒリ感やな、仁川や淀や尼崎や住之江…これにやられた連中よーさんおるわぁ。と真剣に博打にのめりこんだことのない俺は感動するとともに、やっぱ絶対博打はせんとこと心に誓う。それぐらい迫力あるクライマックス
ただ、その後の最終章のラストのラストが…残念、非常に残念。
ハッピーエンドにせよ、バッドエンドにせよ、どっちつかずの余韻をもたせるにせよ、あの終わり方はないやろぉ。救うねやったら救う、堕とすのやったら徹底的に堕とす、余韻ならもっとこう隔靴痛痒を究めないと、せっかくのノンフィクションなんやからぁ。
最後の最後で☆ー0.5とはしたが、それでも傑作間違いなし。
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おもしろかった。
波に乗れた。波に乗って読めた。
最後が。最後が、「お、、、mmmうーん…」
と感じたけれど、そういう終わり方なんだから、
そういう小説なんだから仕方ない。
それはそれでおもしろかった。
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帰国してカメラマンの仕事に戻る
ホテルの村田から連絡がきて一緒に飲む
一緒に住まないろ誘われるが、マカオに戻る
父が自殺する前にやっていたのがバカラだった
劉は死んでいた。李欄は待っていた。劉のノートを渡された。劉は最後に1500万円をバカラで稼いでいた
ノートには、波の音が消えるまで、としか書いてない
二人の為にもってきた金の使い道がなくなった。
バカラで全てを使い果たす。最後はパスポートを売った
バカラ初心者を狙い、チップえお盗んだ。
二回目でガードマンに捕まる。監視カメラで見られていた。リスボアのカジノは劉を恩人とするマフィアの大物が支配人をしていた。パスポートとエアチケットを渡され、今すぐに帰国しろと言われる。フェリーに乗ったふりをしてマカオに戻る。エアチケットは換金できず。
フェリーのチケットを50ドルで売った。パスポート、李欄を撮ったカメラ、を海に投げ込んで、バカラを始める
50ドルが50万ドルになった。波の音が聞こえた。
50万ドルを泣きながら、賭けて全てを失った。
通訳にドッグレース場に誘われる。
村田がマカオに来ていた。帰りましょうと言われる。
マカオにいる理由はなくなった
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上下巻の長編小説だが、まるで息継ぎもしないぐらいに一気読みしてしまった。それぐらいにどっぷりはまってしまった。
バカラの必勝法を追う主人公ら、その「生」と「罪」、そして「転落」「絶望」の物語であって、非常にスリリングであった。
特に、クライマックスは、主人公からどんどん何もなくなっていく、その恐ろしさ、引きずり込まれるかのようにのめり込んで読んだ。
それにしても、彼には、なぜ最後の最後で救いが訪れたのか・・・?
バカラや賭博に興味がなくとも、面白く読めると思います。
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バカラの必勝法は単なる偶然の賜物のようだ。もっと何か違う展開を期待したが、よく分からない感じで終わった。著者には何か訴えたいことがあったのか?最後の出会いは何だったのか?これでどん底から這い上がり明るい未来が待っているということなんだろう。
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バカラにはまった男たちを描く小説。沢木耕太郎お得意の無頼派小説。ちょっと、重たすぎるかもしれません。