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区の教育委員会などが出している地名の由来、旧跡の看板などは読んでみると面白い。
暗渠になってしまっている川を想像したり、当時の地形を想像したりしてみると、自分の知らない姿が見えてくるからだ。
だから社会科の教員免許を取るための勉強で、地理の授業はたとえ6限、7限であっても頑張れたのだ。
さて、本書はそんな興味に応えてくれる本だ。
ヤン・ヨーステンから取られた八重洲のことは有名な話だが、実は当時の八重洲とは場所が全くずれてしまっているというのは知らなかった。
三軒茶屋はその名の通り三軒の茶屋があったからだということだが、大蔵は官職名から取った地名ではない、というのも面白い。
日本語には音が同じで漢字が違うものが多くあり、縁起を担いで字を変えることがある。
だから、書かれている漢字がそのまま地名の由来につながっているわけではないのだ。
例えば、千束と洗足(どちらも読みはセンゾク)。
これを見てなるほどと思ったものだ。
区名の成り立ちも興味深い。
地名の成り立ちについてはとても面白いが、やたらとタモリ氏をこき下ろすのはどうだろうか。
ブラタモリについても事実、史実と違うところがあるそうだが、プロならばきちんとNHKに訂正を申し入れたほうが良いのではないかと考える。
また、古地図では、どこを指しているのかわかりにくい。
印をつけてもらえると、東京に馴染みのない読者、地理的に疎い場所もイメージしやすいのではないか。
現代の場所と見比べてみたい気持ちもあるので、併載してもらえるとよりおもしろく、わかりやすい内容になる。