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農業とビジネス的思考の話。
農業に率先してIT(DROP BOXやGoogleドライブ、LINE等)や経営のロジックを導入し徹底的に無駄を省き合理的な手法で、悪戦苦闘しながらも農業初心者の著者がいかに「小さくて強い農園」をつくっているかが記されている。
農業経験がないからこそ、常識に捉われず失敗を恐れず、自分の目指す農業を追求できたのだと思う。
ただ単にゴリゴリのビジネスセンスだけがあるのではなく、仲間を引き込む力や想いを共有する姿勢、そしてどんな苦境でも諦めないしぶとさが、この礎を築いた。
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○茨城で久松農園を経営する久松氏の作品。
○前作に続き、農業の真実、実態を、自身の経験を踏まえて描いた作品。
○本書を読むと、従来の農業のイメージが覆され、また、改革の必要性を感じる。
○このような農業経営者が多く登場してほしい。
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自らを「農業に向いていない」と認める著者による農業読本。脱サラして使命感に燃えて有機農業に身を投じたものの、最初に務めた農業法人ではまったくうまくいかず、役立たず呼ばわり。追われるように退職して独立。とても順風満帆とは言い難いスタートでした。しかし彼は自分が向いていないことを認めて、その上で出来ることを考えます。それは「経験や勘にたよっていた農作業の技術を、地道にひとつひとつ言語化する」ということです。
もともとが慶應卒で帝人に入社した頭脳の持ち主なのでとにかく理論的、かとおもいきや、綿密な計画は立てずにえいやと始めてしまう野蛮さも持ち合わせています。このあたり、出版社のミシマ社の三島社長に通じるものがありますね。
有機農業に過剰な幻想を抱くことなく、淡々と他品種精算を続ける久松農園は、この先どうしんかしていくのでしょうか?
楽しみです。
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タイトルから想像していた内容とは違ったけど、いろいろ興味深かった。とくに農園長のフシミさんの位置付に共感するところがたくさん。
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この本の著者の考え方は最近読んだ「自分らしく生きる」の著者の考えとすごくリンクしてると感じた。
著者のビジネスモデルだけでなく、農業観、仕事観、人生観が伝わってきた。共感するところ考えさせられるところも多く、彼の生き方、あり方のファンになった。
全く同じになりたいというわけではないが、自分の生き方、仕事についての考え方の参考になった。
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就職しないで生きるには21
というちょっとアレなシリーズの一冊。新規就農を考えている身にとって、大変参考になった。背中を押してくれるというより、上から引っ張ってくれる本。
新規就農に際しての弱みというか、悩みどころというか…そういうのを肯定してくれる様な気がする。行政や農協の考え方とはまた違った考え方を覗けて面白かった。
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茨城県土浦市で、直販で「有機農業」を経営する久松達央さんの「小さくて強い農業」。
有機農業を「 」付きにしたのは、いわゆるJAS法の認証でなく、実質的な個人宣言によるものだから。市場流通させずに、「自分のファン」への販売だし、肩肘張って有機JASをうたわなくても、直納のレストランを含めた「顔の見える関係」で成り立っている。
この手の本は、有機栽培のノウハウか、土づくり生命という精神論のどちらが多い。
精神論の落とし穴は、有機=体にいい、という先入観を植え付け、だからおいしくなくてもいいという誤った幻想を生み出してしまうことにある。虫食いはがまんするにしても、明らか野放しで、栄養不足の野菜を買わされるという悲劇に直面し、初めて変だと気づく。
一方で、科学的な有機栽培の実践論も、その内容とは別に、当の生産者の経営センスのなさの結果、有機JASのラベル代以上の付加価値をなかなか生めない(そもそも論として、有機JAS認証に付加価値を期待することが間違っているのだが)。
有機農業精神論者は、絶対認めないが、有機農業こそ、経営戦略が必要だ。ただ、著者と同じく「農業に向いていない」と言われた非生産者の身で、いくら叫んでも何ら説得力を持たない(あの殺し文句って余分な競争相手は排除したいという気持ちの表れのような気がする)。
なんたって、自分たちは、農業でなく、農を目指してるんだし、そのために有機は手間がかかって、特殊なんだから、やりもしない人間にとやかく言われたくない、という論で、それを言われたらペンより重い物を持ったことのない身としては何も言えない。
しかし、有機農業って、そんなに特殊なのか?
化学肥料が使用される以前の農業は全て必然的に有機農業なラベルわけで、ごく当たり前だったのではないか?
回りの生産者と会う度に、『茨城県農業史』を読んだか? あるいは読まずとも存在を知っているか尋ねる。これまで、読んだという生産者と出会ったことはない。
桜井武雄が書いた『茨城県農業史』の序文は、茨城県の農業は三流だ、で始まる。どこに、自分の県史の初めに自らを貶めることを書く者がいるだろうか?
桜井が三流とする根拠は、茨城県の農家は見栄っ張りで、冠婚葬祭に金は使う癖に、こと農業になるとどこにいくら掛けるのかほとんど知らないという点にある。
農業は、業なのだということ。だから、当然、経営や流通を考えなくてはならない。
ある有機生産者に、なんか怖いと言われて、思わず口をあんぐりさせてしまった「戦略」という言葉。農業者が、流通大手や、JA、さらに生産者が「分かってくれない」と陰で嘆く消費者にだって、「戦略」なくしてどうやって立ち向かうというのか?
そんなこんなのここ10数年の農業への不満や有機農業を看板に掲げる生産者への諦念を、一気に解消させてくれたのが同書だ。三流とされるこの茨城県に、ついに変革者登場‼︎ いや、痛快、喝采‼︎
中で、一番気に入ったのは、自分のやりたいことを言語化するということ。パワポの金太郎飴のようなポンチ画がのさばる中で、違うだろうとつぶやいてき���者には我が意を得たりだ。
ただ気掛かりなのは、生産者って、本を読まないということだ。
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今の自分と著者の過去が似ていると感じた。
自己承認欲求の塊でこうでもないあぁでもないと思っていたが、「自分自身に認められたかった」という言葉を見て腹落ちするものがあった。
自分自身にお前はどうなんだと問いかけられていると感じ、棚卸しにもなった。
農業よりも生き方に響く本。
磯村英樹の詩 途中 が気に入った。
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大手の企業に勤めていたが、ストレス解消のためにアウトドアや民俗学などに足を踏み入れ、やがて農業と出会う。そこから脱サラして農家へ。知識も経験もないまま農業を始めたという著者。「センスもガッツもない農家」というコピーがありましたが、やりたいことをやるための執着心を基盤としたガッツがあるのだと思いました。内容的には農業のノウハウ本ではなく、著者が経験してきたことを中心に、農業への想いや問題点、経営、チーム作り、仕事に対する考え、などをつづったもの。
個性のある著者の書いたこの本は、農業の面白さというよりも、考えて失敗して気付いて成長する、という生きていく上で必要な経験が中心なので、「農業入門」ではない気がします。
脱サラして就農する人が最近増えていると聞きますが、農業ノウハウの前に、そういう人がどう考えて就農するのかを知ってみたいと思って読んでみました。
有機農業を採り入れている農家ではありますが、偏った考えはなく有機も普通の野菜も基準さえ守っていれば安全な食であるし、特に健康にこだわっているわけでもなくスーパーで普通に買い物し、一般的な食生活をする。しかし、仕事となると、鋤が使えなければならない、体で覚えてナンボ、といったこれまでの農業の在り方には大きな疑問を持ち、パソコンや耕運機を使い、自分ができないことは文明の利器に任せるという方法を柔軟に取り入れる。その柔軟性がなかったから農家が増えないのだ、という、遅れた農業を変えたいというこだわりは強い。
これは個人的な経験からして、現在の中小零細企業と同じ。新しいことをするのに非常に時間を要し、下手をすれば「意識改革」的なおおごとなことが必要となったり。単にもっと楽な方法があるのでは?という提案がどうもおおげさになる。いや、提案できればマシで社内に昔からやっていることを変えられない、楽すること=悪 だという雰囲気が充満していると提案すらしてはいけないものとなってしまう。その無駄な時間と労力を他で使えばいいのにと若者には映ることが多い。
この中で、特に後半以降は運営についての悩みがつづられています。農業も同じで仕事を覚えてもらった後にスタッフに辞められる。どこもそうだと思いますが、著者も仕事が面白ければ辞めないだろうという結論に至っています。全くの同感です。
最後に参考文献が挙げられているので、ここから面白そうな本が探せませす。
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http://www.shobunsha.co.jp/?p=3386 ,
http://hisamatsufarm.com/
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新規で農業で食えるの?という疑問から読み始めた本。
ある意味特殊なケースだとは思いますが、言語化、データベース化することで作業効率化を狙うなど、サラリーマンを経たからこそのやり方も。
新規就農の一番のネックは土地と流通の仕組みかと。
国の支援制度もあるけれど農法や資本の制約もあるようで、なかなか手が届きにくい。こういうやり方もあるよ、と示されている。
きちんと経営などについても著者は考えていると思うが、熱意と体力は絶対条件。
農家に限らないが、目標の確たるイメージは必要だと痛感した。
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著者は小さな畑で年間50品目以上の有機野菜を作り、飲食店や契約者に直接販売するという経営をしている久松農園を作った久松さん。大企業に勤めていたが退職し、知識のまったくないところからのスタートは大変だったのだろうと感じた。本書を読むと頑固で型破りなイメージを受ける久松さん。農業が大好きだという気持ちがひしひしと伝わってくる。
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農業のノウハウというよりは農業へ取り組む姿勢や人生論のようなものが多い。
こういう人間が就農し、こういうふうに食っていってますよ、といったことがほとんどで、具体的な農業のコツなどはさらっと。
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「明日できることは今日するな」
これはキューバにある諺の1つです。
今日という日には今日しかできないことをしろ、そんな強いメッセージが込められています。
明日のために今日を犠牲にすることを良しとする日本社会で、このお話の作者はキューバの諺に従い、農業の世界に飛びこみました。
社会人になる前に1度読んでおくと、視点が変わります!!
【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】
https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200179937&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200416338&type=CtlgBook
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著者とは同じ市内にいて農家をやってることもあり、本書に出てくるフシミさんが入った頃から知り合いである。
だからかも知れないが「起農論」と言うより農園の、著者の歴史見たいな感じで読んだ。
なるほど、新規就農希望者が著者に連絡するのはわかると感じた。私も話を聞きたいと思っただろう。
だが著者本人も先日ブログで「本を書くほどの人」っと言っていたが、本を書くのがうまいだけの人かも知れない。
この本を読んで起農を志すのは自由だが、著者を上に見ない(人に上も下もないが)方が良い。悪い意味じゃないよ。
講演や本の発売など、俺も実際やや上の方に見ていた伏がある。でもこの本を読んで、最近の著者の農園を見て、つくづく同じ人間だと思う気がする。なんか変な感想だが読後そんな感じがした。
おっと、(著者の情報発信力のせいで)なんか書評じゃなくなってしまいましたね。
この本、起農としてだけじゃなく農業者にも勉強になると思います。読んで何も考えない農業者は・・・・まぁそれはさておき。
興味があるかたは読んでみては?
なんか、オススメする対象が見つからない。
ちなみに「今」を生きる著者の農園はこの本の中よりも進化しています。それを知るだけでも面白いかも知れませんね(笑)