紙の本
大事な人達を守るために
2015/10/03 22:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コレラの謎を追う少年の冒険譚。
最初は19世紀ロンドンの不潔さにオエッとなったけども、必要な描写だったのね。すぐに続きが気になってやめられなくなった。
科学や統計、記録、衛生の大切さについてとても分かりやすくエキサイティングなかたちで教えてくれて、人間だけでなく科学のあり方そのものに感動する。
ネタバレ
表紙絵は良いが、裏表紙の絵はちょっと片手落ちじゃないか。いや余計なものが付いているというか…。
投稿元:
レビューを見る
ロンドンであったコレラの流行を元にして、史実とフィクションをミックスしたストーリー。
泥をさらって暮らしているイリー。
水が美味しいことで評判のブロード街の水がコレラの原因である事を証明するまでの12日間。実在する医者の推理の検証に奔走するイリーの活躍が楽しい!
投稿元:
レビューを見る
・コレラに関する知識が身につく
・レ・ミゼラブルみたいな、19世紀ヨーロッパでの孤児の絶望感が感じられる
・成長には自由と権限を与えることが大事
・「エボラ―殺人ウイルスが初めて人類を襲った日」なんかの、初めての感染症と戦った人々の話と合わせて読むと、前線の科学者すげーってなる
・主人公の男の子の一人称が、ひらがな「ぼく」ナノもあって軽快な訳
投稿元:
レビューを見る
史実に虚構の主人公が重要な役割を果たすという物語は多いが、これは児童書でそれを行い、コレラの感染原をつきとめるという医学史がメインテーマという点が珍しい。
最初に登場人物がドーッと出てくるところが、翻訳小説を読みなれていない子どもには厳しいかもしれないが、そこがクリアできれば、内容自体は難しくない。
リーダビリティを上げるため、作者も様々な工夫を凝らしている。主人公に謎があったり、職場で濡れ衣を着せられたり。
それが全て成功しているかはともかく、まあまあ面白く仕上がっている。
凄くオススメ!ってほどではないが。
今年の読書感想文コンクール中学生の部課題本。
去年のよりはいいと思う。
でも中学生なら、ちゃんとした医学史の話が読める子もいるから、若干お子様向け感はある。医学史なんてそれだけでめちゃくちゃ面白いのでわざわざ虚構の少年を主人公にした物語を読まなくてもいい気がする。ジョン・ハンターとか、変な医師の話なんか中学生は大好きだと思うけどね。刺激が強すぎるか。
投稿元:
レビューを見る
貧乏こわい
何がテーマなのかなー
勉強の大切さ?未知の病気のこわさ?医療の偉大さ?
下水設備のないおそろしさ?(ロンドンくさかったのか・・)
貧乏のおそろしさかなーびんぼうちょうやだ
おもしろかったけど
これで感想文はむずかしい(笑)
お兄ちゃんがいいこすぎて泣ける
貧乏描写がつらくて泣ける
投稿元:
レビューを見る
課題図書。19世紀末ロンドンということで読んでみた。
高学年のつもりで読んでいたが、中学生なのか。おお。
史実を元にしているということだが、いっそノンフィクションを読んだ方がよさそうだ。
普段本を読まない子が課題だからとてこれを読んで果たして読書を楽しいと感じられるだろか。課題図書ってそういうもんか。
投稿元:
レビューを見る
史実をもとにしたお話。まだコレラの感染源がなんであったか不明だったころ、それが井戸であったことをつきとめた実在の人物ジョン・スノウ博士に、主人公である架空の少年イールや、それをとりまく人たちをからませて書かれたお話。立ちあがり、病気の描写がけっこう生々しくてつらかったけど、全体としてはテンポのよい知的な冒険ものに仕上がっている。
でもよく考えると、social strata は、最後まで厳然として崩れないんだよね。多分それが現実(特にこの時代は)だったのだろうけど、さりげなくシビアだなと思った。
【2020/3/20再読】
コロナウイルスがパンデミックになった今読むと、いくら科学が進歩し、情報があふれていても、コレラの原因が不明だった時代からじつはあまり進歩してないんじゃないかと思わされる。人は相変わらずうわさに踊らされ、自分の信じたいことしか信じず、見えない影におびえて逃げまどったり、逆に意地を張って危険に飛び込んだりしている。正しく恐れるとひとことで言うけど、それがどれほど難しいことか。
イールがスノウ博士の助手になれたのは、読み書きができ、自分で筋道立てて考える能力があったからだった。けっきょくそこに集約されてくるのか?
投稿元:
レビューを見る
読書感想文コンクール中学校の部
いや、これは面白かった。
細かな部分は違いますが、史実に基づいた物語。
史実の部分だけでも面白い。
潜伏期間が短いために、爆発的に広まってしまう「青い恐怖」ことコレラ。
150年前の顕微鏡では菌を見つけることもできず、感染源は瘴気と信じられていた。
そんな中、井戸の水が原因ではないかと主張するジョン・スノウ博士。
しかし先入観を、固定観念をひっくり返すことはとても難しい。
井戸の周りに住む人たちについての聞き取り調査。
ここの部分を主人公イールが担当する。創作上の人物。
川さらいやメッセンジャーボーイ、手を必要とする人の下働きをお駄賃程度の手間賃で請け負うイールは、町の人から話を聞くのにうってつけだ。
それだけではなく、イールは秘密を抱えている。
その日暮らしの、日銭で生きている少年が、なぜかお金をためている。
毎週誰かにお金を支払っている。なぜ?
身寄りのない子どもたちを使ってスリをさせたり強盗を働いたりする元締めフィッシュアイ・ビルに執拗に追われるイール。なぜ?
フィクションの部分もノンフィクションの部分も、予断を許さない。
イールはスノウ博士を手伝うことになるのだが、それはお金のためではない。
結果的にお金をもらことになるけれど、イールは大好きな町の人がこれ以上病気になってほしくないと強く思っている。
友だちが、友だちの親が、これ以上死んでしまわないように。
イールは生まれながらのその日暮らしではない。
数年前に亡くなったお父さんは、勤め人だった。
けれど社会保障のない当時のイギリスで、父親が死んでしまうということは、家族が転落していくことなのだ。
お父さんが死んだ後、もちろんお母さんは働いた。
それでも家具やピアノを売り、どんどん狭い家に引っ越し、再婚した直後苦労がたたってお母さんが亡くなって、イールは学校へ行けなくなった。
家族はばらばらになった。
物語全体としては12日間の物語でも、コレラの被害を押さえるための手立てを取るのに残された時間は4日間。
テンポのいい文章。
不安に駆られながらも前向きに行動するイール。
小さな子どもたちや小動物に優しく接するイール。
科学的に考えること。
人の心に寄り添えること。
これは両立できないことではない。
読後感がとてもいい。
投稿元:
レビューを見る
史実半分、創作半分の、科学推理冒険小説とでも言おうか。全国読書感想文コンクールの、中学校の部の課題図書に選定されていたので気になって手に取った。
冒険小説と言っても、ファンタジックな展開が続いたり、魔女やゴブリンが出てきたりするわけではない。もっとも、当時としては、魔女の仕業だと考えたくもなるような恐ろしい事件だったのだろうけど。戦う相手は、通称「青い恐怖」と呼ばれる感染症…そう、コレラだ。今では様々な対処法や治療が確立されているけれど、かつては未知の病原体で、空気感染すると恐れられていた。この本は、その青い恐怖が、イギリスのブロード街で実際に爆発的に流行ってしまった史実に基づいて書かれている。
物語の始まる最初の日は1854年、今から150年近く昔だ。だから、出てくる登場人物たちも歴史の匂いを漂わせている。仕立て屋さん、花売りさん、泥さらい、メッセンジャーボーイ…今ではなかなかお目にかかれない職業の人々が次々出てきて、それはそれで物語の本筋とは関係ないけれども面白い。
フィクションの要素を孕みつつも、物語はテンポ良くどんどん進んでいく。そのテンポの良さの中で人もまた次々と死んでいくので、ひたひたと周囲に迫り来る死の恐怖も感じることができる。思わず、「あれ、私今日、外から帰って念入りに手洗ったっけ?」と不安になってしまったほどだ。
主人公の少年イールがまた、次々と厄介ごとに巻き込まれるので、コレラの恐怖とは別にずっとハラハラさせられる。大人目線で言うと、実はそのフィクション部分が無くとも、コレラの謎に迫っていく一連の流れだけで充分面白いのだが、少年少女が読むことも考えると、こういう要素も必要なのかもなぁ、とも思う。
欲を言えば、史実上も実在するスノウ博士、この人のキャラクターというか、この人とイールのタッグを組んだ姿をもっとドラマティックに人間ドラマに仕立て上げてほしかったかなー、という気はする。というか、全体的に、人間味のありそうな面白い登場人物がぽんぽん出てくるのだが、その人たちがそんなに深く描かれることなく終わってしまってなんかもったいない気がしてしまうのよね。ま、それも、コレラの恐怖という本筋からはズレてしまうので仕方ないのかもしれないが。
男女問わず、いつでも読めそうな、いつでもドキドキ引き込まれそうな、良作。パンデミックになる直前の病の元と戦うなんて、今にも通じる話だしね。SARSのエボラ出血熱のニュースが頭をよぎる。あの時にも、きっと、スノウ博士がいたのだ。そして、何人ものイールも。その人たちのおかげで、人類は今も生きている。
投稿元:
レビューを見る
子供の感想文の本なのに面白かった。19世紀のロンドンで起こった史実をベースにしていて、そっちにも興味が湧き、感染地図も読んでみた。
投稿元:
レビューを見る
19世紀半ば、ロンドンで猛威を振るうコレラ。犯罪者の義父の元から逃れ、川屑屋として弟の生活を支える浮浪児イールは、思いがけず、コレラと闘うスノウ博士の手伝をすることになる。
史実と実在の人物を巧みに取り入れた、臨場感のある物語。爽やかな読後感。装丁も魅力的。ヤングアダルトのカテゴリにしたけれど、漢字にはかなり丁寧に振り仮名が振ってあるので小学校高学年から読めると思います。
投稿元:
レビューを見る
今年の全国読書感想文コンクール、中学校の部の課題図書
19世紀のロンドンが舞台
史実とフィクションがうまく織り合わされて、読みやすく興味深い一冊だった
中学生が読むといいなあ
感想文はオイトイテ
少年があまりにも愛しい
ラストにホッとする
≪ 襲い来る コレラを前に 挑みつつ ≫
投稿元:
レビューを見る
1854年にロンドンブロード街でコレラの大発生を元に書かれた作品。19世紀半ばの下層階級の生活。
人口が増加し汚染されたテムズ川等、なかなかの迫力。
投稿元:
レビューを見る
1854年の夏、ロンドンの下町「ブロード街」で“青い恐怖”が始まりました。コレラの爆発的な感染です。当時のロンドンは大気汚染がひどく、下水も整備されていない、非衛生的な状況。
主人公のイールは、ひょんなきっかけからロンドンで一番の医者スノウ博士と出会い、青い恐怖について調査を開始します。イールはご近所さんや、思いを寄せる幼馴染をコレラの感染から守ることはできるのでしょうか。
実話をもとにした作品です。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりにワクワクした。
前半、状況がわからず次第に明かされていく感じ。謎が多いので読み進めたくなる。
史実をもとにしているからか、読後の心の満足感が弱い気もした。でも、読みやすく楽しい。
フローリーが絵が好きで、生きてるうちに何かを残したいと言ったこと。牧師さんが優しい心根はずっと後にまで残ると言ったこと。共感した。
初めから伏線があって、最後にパズルのピースがピタリと合う感じがいい。
あまり構えずに読める本。ワクワクしたい子に。
小学校高学年くらいからかな?