投稿元:
レビューを見る
題名が「幻滅」とあるだけに、随所に皮肉が込められていました。”序にかえて”にあるように著者が日本に幻滅した要因は、政治経済についての常識の変化、共生・妥協・和を是とする社会から利益追求の競争社会への移行、平和主義から自国存在感の主張、それと文学の世界としています。私が興味をもったのは、1960年から富裕層の息子や官庁、大企業の新人たちがアメリカへMBAや経済学・政治学の修士・博士号を取得し、彼らが80年代に課長・局長レベルになり、日本社会のアメリカ化に貢献したということでした。正しく日米同盟の深化です。
投稿元:
レビューを見る
「え?そこに幻滅したの?」ぐらい、なにかサプライズポイントがあるかと思いきや、意外と感じてるポイントは大衆と同じ。しかしこの著者は大事なことを分かっていない。ナショナリズムとポピュリズムは紙一重であるということを。アメリカ型だとか、傾倒しているとか、いくら言われようとも、国民のために、国家存続のために、必要とあらば批判を承知で政策を断行する。それが政治家のあるべき姿。どんなに優秀な官僚であろうとも、腐敗すれば性根を叩き直す。当たり前の処置。著者は日本的目線で見ることは出来ても、日本人的目線で見ることはできなかったようだ。EU離脱を国民投票に委ねた英国の在り方を逆の立場で見れば、この意味がよく理解できるはず。
投稿元:
レビューを見る
多くの人々が今日感じている日本の社会・政治にに対する懸念を、著者が長年日本研究の知見・経験を活かして改めて明解に指摘してくれた。