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一般的にはタコ社長の工場のようなイメージである(そうだったのか^^;)中小企業の実態を統計情報を酷使してその定義、存在感、景気との関係、生産性、労働、資金調達そして政策について可視化した好著です。一般的な認識では景況感など、中小企業は悪くなるのは早く良くなるのは遅いなどと言われているが、大企業と相関性が高いなど意外な事実もあり興味深く読んだ。また、意外と厚い(その是非には議論があるようですが)中小企業向けの支援政策なども多々あるので勉強しておくと使えそうです。
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今すぐの話ではないのだが中小企業は必ずかかわる。中小の参入退出が緩いというのはベトナムとアメリカとの比較で納得できる。
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数が多く多様で、実態を掴みづらい中小企業の姿に、定量的に迫った超良書。そして、自分のこれからの学びにも大きな影響を与えてくれそうな本。
勉強をしようと思い立ち、本屋で中小企業論の本をパラパラしている中で見つけた本。
初学者ながら、管見の限り、中小企業論のテキストは、定量的な分析が必ずしも多くなかったり、あったとしても基本的な統計資料のレビューが多いというイメージだった。また、本書の前書きでも指摘されている「日本人は中小企業を暗黙裡に『支援、応援すべき対象』と捉えている節がある」(まえがき ⅱページ)、「われわれは中小企業のことをよく知らないままに議論をしているのではないか」(同)といったコメントには、共感を覚えた。
(ただし、本書でも強調されているように、著者は日本の中小企業に大きな期待をしている点は断っておきたい。上に紹介したコメントだけを読むと、日本の中小企業および中小企業政策に批判的なようにも受け取られかねないが、そんなことはなく、いわば愛情ゆえのコメントなのだろうと感じた。)
そんな問題意識を持ちながら、初めての本格的な中小企業論のテキストとして読んだのが本書だった。
一言で言って、とても面白い。
定量的なデータや、実証分析の結果を豊富に用いて、我が国の中小企業の姿を浮かび上がらせる。そうした中で、自分がこれまで抱いていた中小企業に対するイメージを覆すような発見も多数紹介されている。また、国内外の中小企業論の先行研究が多数紹介されており、サーベイの厚みにも驚くとともに、この分野を今後学ぶ中で参考になる。
何よりも、中小企業論という分野で、本書のような高い水準で定量的・説得的に、アカデミックな研究がなされているという事実が、とても興味深かった。本書を読んでいて、いつか自分も、こんな分析をできるようになりたいとまで思った。そうした意味で、私の今後の学びにも影響を与えてくれるような本だった。
中小企業に関わる人にもそうでない人にも、ぜひとも勧めたい本。
価格が¥5000円超と高いんだけど、3,000円代になって、もっと沢山の人に読まれるようになると嬉しい。