0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kenken - この投稿者のレビュー一覧を見る
漁船で働く父と、離れて暮らす家族、中でも一人息子との
関係を軸に、物語は進んでいく。家族小説でもありながら
印象的なのは海での場面。特に南氷洋での捕鯨船での
場面はその実態を初めて知り、その過酷さはそれだけ
でも読む価値ありです。
投稿元:
レビューを見る
201412/どのジャンルでもしっかり面白く、どのジャンルでも男性描写に味がある(その分女性キャラは薄いけど、男の世界を描いているのでそれはそれでアリ)。安定のページターナー。テーマや物語中の時系列のわりに頁数少ないので、後半の脱出劇や息子との関係とかあっさりに感じてしまうけど、却ってスピード感があっていいのかも。
投稿元:
レビューを見る
昭和37年。三等機関士の関本源蔵は妻子を陸地に残して北洋漁業に出立した。航海の途中で大時化に襲われた源蔵は、戦時中にサイパンで別れた父親と、アメリカの潜水艦に撃沈された船に乗っていた幼い友のことを思い出した-生還は果たせるのか?生きて働くことの意味を激しく問う「昭和の海の男」の物語。
投稿元:
レビューを見る
遠洋航海の機関士を主人公とし、一家の主として遠洋航海とどう向き合うか、そして子どもに関われないツラさが描かれる。家族のように共に過ごし、南氷洋で捕鯨をする船員同士の絆の強さと、それに反比例するように伝えたくても子どもとの関わりが減っていく生き方。
その中で、父から継がれたもの、そして息子に継がれる意志が伝わってくる。
投稿元:
レビューを見る
高度成長期。クジラを追う話。まさに「昭和の男」
とてもよく書かれている。
作者の取材力の高さがうかがえる作品。
投稿元:
レビューを見る
戦時中に父とサイパンで生き分かれ、もう1艘の引揚げ船はアメリカの潜水艦に撃破されて友を失い、
母と幼い兄妹のために船乗りになることを決意した主人公
順調に出世を重ね、妻の実家近くに家を建て、子供たちも成長していくが、
父として思秋期の息子との付合い方に悩む。
北洋漁業で同乗している同郷の青年を息子に照らし、大時化に見舞われていく中で
生きて働くことの意味を深く考える「後に続く者への羅針として」
投稿元:
レビューを見る
船乗りについての描写や説明はさすが楡周平と言ったところ。文章も重すぎず軽すぎず読みやすい。
自分自身生きていればなんとでもなると思っているので共感出来た。不自由なことによって自由になるというのもまさに自分が思っていることだった。
話全体を通してすごく納得する部分が多かった。明日もとにかく生きていこうと思う。
船乗りに全く興味はなかったが、一度船乗りになってみたいと思ってしまったあたり、楡周平の文章力を再認識できた。
投稿元:
レビューを見る
面白かった
昭和の時代を生きた船乗りの男の物語
主人公、関本源蔵の考え方に共感できるところが多かったです。自分も昭和の男に近いということでしょうか?
しかし、本書の設定は、昭和37年の高度経済成長の時代の物語です。
ストーリとしては、
遠洋漁業・捕鯨での航海をベースに、一等機関士の関本源蔵の生き様を家族、親子、仕事に対する考え方を中心に描いたものです。
とりわけ、一度航海に出たら長期間戻ってこれない状態で、子供の成長とのかかわり、そして仕事への取組みというところがポイント。
特に、遠洋漁業ということで、嵐の中での漁の過酷さ、その中での船員同士の絆の強さ、さらに、一丸となって成果を求める姿に熱いものを感じます。
そして、山場は後半!
長男と関係をこじらせてしまった中、自らがあっせんした新人船員とともに南氷洋での捕鯨航海へ出航。
その航海の中で、新人船員とのかかわりが、疑似親子体験となっていき、その新人船員の成長と源蔵の関係がより深まっていきます。
そして、時化の中、トラブルが発生...
二人は無事日本に帰ることができるのか?
といった展開です。
昭和の海の男
高度経済成長を支えた時代の男の生き様
よかったです。
#嵐の中で船が遭難してしまう仕組み、二次遭難の可能性というのが理解できました。そういったディテールが楡さんの小説のもう一つのポイントだと思います。
お勧め!